あかまど(仮)

net初心者で自称ソフト技術者。Gamer属性。netは人の望み?それとも?

蜜の雨。

2007-11-22 06:46:59 | pre-sci
「あら。雨?」
学内の食堂を出て間もなくのことだ。
二人は足を早める。教会堂まではすぐそこだ。

ふとした違和感。雨のにおい…。

「甘い…」

「ふふ。何言ってるの。傘持ってないのは貴方…」
「いや、そうじゃなくて雨が甘いんですよ」

文字通り。雨が甘いのだ。味が。

空を見上げると鬱蒼とした林。
激しい雨音はするものの、落ちてくるのは霧雨のような細かな水滴。

――花に打ち付けた雨が蜜を含んだ水滴になってそのしぶきが…
…って今までこの林で雨、何度も降られたけど、そんなこと一度もなかったし。
あるいは大気中のスギ花粉が許容量を越えて、とうとう雨に味を付けるまでに…

とか、そんなことを考えているうちにもう教会堂の裏手。
でも、ここの入り口はいつもカギが掛かってる。
そもそも演奏会に客として入るのに裏口から入るヤツはいない。

…ふと雨足がゆるむ。急ぎ足もゆるむ。
違う。クラブハウスと教会堂を繋ぐ渡り廊下に差し掛かったんだ。
ここの屋根は幅がないけど、とりあえず雨はしのげる。

――こんな変な雨。服乾かしても蟻がたかるのかな。いや、部室に干すとして、この近辺の蟻の巣なんて水浸し…というか蜜浸しになってるだろうし、わざわざ三階の部室まで蜜を吸いに来て蜜の海に浸かった巣に持って帰るのか?部室行けば誰かしらいるだろうからちょっと傘を借りて…って雨降ってるのし演奏会終わっていつ返すんだよ!…

「急ぎましょう?」

――巣の蜜の蓄積量って個々の蟻は把握してるのか?巣の全体を管理してる指令蟻、あるいは指令系統とかがあるのか?それとも個々の蟻の「おなかがすいた」とか、「さっき帰ったとき巣の食料はいっぱいだったな」とかいった判断の集合が巣の全体の意思になってるのか?というか、蟻の意思っていうより巣の意思なのか。

「――くん?」
「!」
「あ…すいません。もうちょっと雨宿りして行きます。先生は先に…」

――蟻じゃなくて…例えばインターネットとか社会とかは巣の全体を管理できてるのか?する必要は?しないとどうなるのか?できないから…意思決定は誰が…



そんなところで目が覚めました。
ごめんなさい。オチとかないです。夢ですし。
脚色もほとんどないです。文才ないですし。

ネットが人類の進化の形だとしたら、「Webで調べるばっかりで、自分で考えない個々のオンラインゲームプレイヤー」とか、「とりあえずググれ」とか、あるいは「覚えるより、本読むより、Wikipediaにお伺いを」とか、「掲示板で『Wikiに書いてあったので間違いありません』とか言ってる人」とか、あるいは「蟻」とか。

あるいは。

昆虫の数が多いの=個体差はよくわかんないですけど、少なくとも種がやたらに多いのって、「画一化を由とする社会より、集合としての知性は高いのかも」=「虫の知性が低かったとしても、虫虫(<=複数を表現したいようです)の知性は人間より当然高くて、あるいはそれは人間たちとかたかだか300人程度の政党とか国とか人類の知性より高いのかも」、とか「虫虫(<=複数を…)って進化の究極なのかも」とか、そんなことをしばらくふとんの中で考えてました。
ソウハクチカなんて言葉もありましたけど、それも進歩なのかも、とか。テレビメディア支配だと中央集権的だから違うのかなとか、Googleが目指すのはどっちで、実際に進んでるのはどっちなんだろうとか。

あと、虫の数で生態系がコントロールできたりする、という思い付きが的を射てたりすると、世界の支配者って虫、というか虫虫(<=複数)なのかも。とか。

あるいは、将来虫虫の意思とコンタクトして超文明の遺産が手に入ったりするのかも知れません。あ、べつに遺産じゃないですね。手に入れたつもりが組み込まれてたり。

Diska


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