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読む日々

テーマばらばらの読書日記

雨の匂い

2013-08-20 | 
樋口有介「雨の匂い」


母は男を作って家を出て離婚、再婚。子供もいる。
父は末期ガンで入院中。
祖父は二年前から自宅で介護されてる。
そして主人公 柊一は、大学はサボりぎみで、アダルトビデオ店でバイトしながら、父の病院行き、祖父の介護をこなす。

彼女には振られ、母親には無心され。それを、ナニか感じてるのか感じてないのか、常に淡々と日常ここなしている。
ひょんなことから、近所の塀の塗り替えを祖父の代わりに引き受ける。

一度寝た女の子の自殺を見届けたあと、ゴミ屋敷の住人やら、どうしようもない母親やら、
人に迷惑しかかけない者たちを始末してしまう。


殺人というより、始末、って感じがすごくする、淡々とした仕事ぶり?冷静に考えれば怖いんだけど、柊一の目を通すと、それもありかな、と思えるから、そっちが怖い。人って簡単に洗脳されるんだろーか。まあ、読み終われば冷静になれるからいいのか。

なんともいえない魅力ある本でした。やな読後感ではない。

満足度90