とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ルックバック」(ネタバレ注意)

2024-08-12 21:00:00 | 映画
「チェンソーマン」の藤本タツキ原作マンガの劇場アニメ化作品。
少女二人の友情と成長を描くとともに、創作とはどういうことかを教えてくれる。
書かずにいられない、表現することが生きることになっていることが伝わってくる。
生きることは色んな人の想いを背負っていくことでもある。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:ルックバック
製作年:2024年
製作国:日本
配給:エイベックス・ピクチャーズ
監督:押山清高
主演:河合優実
他出演者:吉田美月喜
上映時間:58分


「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(ネタバレ注意)

2024-08-10 23:59:00 | 映画
コロナ禍中の2021年発行の小説の映画化。

コロナ禍で混乱する日本の政治を過去の偉人をAIで復活させ、徳川家康を総理大臣とした内閣を組閣して乗り切ろうというストーリー。
原作では、地味な偉人にスポットを当てて日本史の勉強になる部分もあったが、映画はメジャーどころだけが登場。

竹中直人が演じる豊臣秀吉と野村萬斎が演じる徳川家康の掛け合いがクライマックス。
独裁に対する民主主義の効率の悪さを示しつつ、それでも国民一人一人の政治参加の大切さを訴えていた。
ほぼほぼコメディーなので、真面目に観る作品ではないが、中国あたりの政治体制との比較だろうか。

秀吉の「仕事ではなく祭りと思え」という台詞は衆愚政治と紙一重だが、組織を活性化する考え方ではあるなと思った。
反面、仕事だからやれることも多々ある気がするので、心構えとしてどっちがいいのだろう。

点数は、6点(10点満点)。

タイトル:もしも徳川家康が総理大臣になったら
製作年:2024年
製作国:日本
配給:東宝
監督:武内英樹
主演:浜辺美波
他出演者:赤楚衛二、GACKT、高嶋政宏、江口のりこ、池田鉄洋、小出伸也、長井短、観月ありさ、竹中直人、野村萬斎
上映時間:110分


「関心領域」(ネタバレ注意)

2024-08-07 23:59:00 | 映画
第96回アカデミー賞(2024年)で国際長編映画賞と音響賞を受賞した作品。
アウシュビッツ収容所の隣に住む家族の生活を淡々と描写する。
時折差し込まれる情報から収容所で起こっていることが想像できる。

現在も変わらない家族の日常生活と人類史に残る残虐行為が壁1枚を隔てて成立していた事実に戦慄する。
敵と見做した相手には何でもできてしまう人間の本質を描いているとも言える。
人間は自分が生存するためなら、何にでも慣れてしまう怖さもある。
集団心理が働いたり、既得権を失いたくない心理とつながると、そのこと自体の意味は問わなくなる。

仮に自分が当時、ドイツ人だったらどうしたのか、ユダヤ人だったらどうしたのか、選択肢はあったのだろうか。
選択ができる人間であるためにはどうあるべきなのか。
日本人としては、関心領域外のできごとに過ぎなかったのか。

人間の生きる意味って何だろう。
答えを探し続けるのが人生だ。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:関心領域
原題:The Zone of Interest
製作年:2023年
製作国:アメリカ、イギリス、ポーランド
配給:ハピネットファントム・スタジオ
監督:Jonathan Glazer
主演:Christian Friedel
他出演者:Sandra Hüller
上映時間:105分