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とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(ネタバレ注意)

2025-05-23 23:59:00 | 映画
「岸部露伴は動かない」シリーズの映画化第2弾。
漫画家・岸部露伴役の高橋一生と露伴の担当編集者である泉京香役の飯豊まりえが結婚後の作品ということでも注目。

とはいえ、露伴も京香も今までと同じで、さすがプロ。

ヴェネツィアが舞台で映像に重厚感があったが、音楽も素晴らしかった。
また、高橋一生の露伴としてのイタリア語がはまり過ぎ。

「幸せに襲われる」という呪いにかかった男の話も面白かった。
不幸は、幸せとのギャップの大きさで感じるものというのは、確かにそうだなと。

露伴が人知を超えた現象に遭遇しても動揺せずに、漫画のネタとして味わい尽くすというのが、観ていて前向きになれる。
このスタンスは見習いたいと思う。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:岸辺露伴は動かない 懺悔室
製作年:2025年
製作国:日本
配給:アスミック・エース
監督:渡辺一貴
主演:高橋一生
他出演者:飯豊まりえ、玉城ティナ、戸次重幸、大東駿介、Andrea Bellacicco、井浦新
上映時間:111分


「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」(ネタバレ注意)

2025-05-17 23:59:00 | 映画
トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル」シリーズ第8作。
トム・クルーズ演じる主役のイーサン・ハントの過去の活躍シーンから始まるオープニングは胸熱。

今回の敵は「エンティティ」と名付けられたAI。
合衆国大統領と共闘するという壮大な展開。
イーサンがチームの仲間を大切にする気持ちは「ONE PIECE」のようでもある。

少々のスタントでは驚かないが、今回のトム・クルーズも凄かった。
海に空に、イーサンの超人ぶりが遺憾なく発揮される。
パラシュートが燃えていたが最後にどう着地したのだろうか。

一旦、区切りはついたものの、チームの仲間のグレース、ベンジー、パリスは生き残っており、続編があるかもしれない。
もう無理というところから続けられるのか、「ミッション:インポッシブル」の真骨頂だ。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
原題:Mission: Impossible – The Final Reckoning
製作年:2025年
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
監督:Christopher McQuarrie
主演:Tom Cruise
他出演者:Hayley Atwell、Ving Rhames、Simon Pegg、Vanessa Kirby、Esai Morales、Pom Klementieff、Henry Czerny、Shea Whigham、Angela Bassett
上映時間:169分


「けものがいる」(ネタバレ注意)

2025-05-11 23:30:00 | 映画
難解な作品だった。
オープニングのグリーンバックの撮影シーンからよくわからず。
主演のレア・セドゥの存在感に引っ張られて最後まで観ることができた。
レア・セドゥは妖艶ですごく美しかったり、野暮ったくも見える、興味を惹きつけられる女優さんだなと。

2044年、AIによって人間が選別され、DNAの浄化によって感情を消去した人だけが頭脳労働に従事できるというショッキングな設定。
一方で、前世の存在が肯定されているようで、科学的なのか否かの基準が謎だ。

レア・セドゥが演じるガブリエルは1910年と2014年の前世でルイという男性と出会う。
ルイをジョージ・マッケイが演じる。
ガブリエルとルイはお互いに惹かれ合いつつも結ばれることなく命を失う。

2044年の世界でもガブリエルとルイは出会い、二人ともDNAの浄化を受けつつあるという設定。
感情を消去することに躊躇いのあるガブリエルが行きつく先はどういう世界なのか。
前世の記憶でさえもAIに操作されているのか、感情を消去してまで生きる価値は何なのか、投げかけられている問いは重い。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:けものがいる
製作年:2023年
製作国:フランス、カナダ
配給:セテラ・インターナショナル
監督:Bertrand Bonello
主演:Léa Seydoux
他出演者:George Mackay、Guslagie Malanda、Xavier Dolan
上映時間:145分


「悪い夏」(ネタバレ注意)

2025-05-07 23:59:00 | 映画
胸糞悪い作品だった。
でも、人間の真の姿を表現しているようにも思え、ある種の爽快感もあった。
染井為人の小説の映画化。

市役所で生活保護の認定に係わるケースワーカー、佐々木守を北村匠海が演じる。
佐々木の先輩で悪徳ケースワーカーの高野を毎熊克哉が演じる。
高野が担当する生活保護を受けているシングルマザー愛美を河合優実が演じる。

登場人物が全員、クズかワル。
クズ代表が竹原ピストルが演じる元タクシードライバーで、麻薬の売人の山田。
山田は生活保護を受けており、担当のケースワーカーが佐々木。
ワル代表が窪田正孝が演じる金本。
高級外車を乗り回し、風俗店を経営しながら、貧困ビジネスで一儲けすることを企んでいる。

佐々木が愛美に好意を寄せていることを知った山田が罠を仕掛ける。
この企みに金本が絡んできて、佐々木は悪の奴隷に成り下がってしまう。
佐々木のやつれ切った姿を北村匠海が別人のような表情で演じている。

弱者は徹底的にいたぶられ、救いはない。

闇に堕ちた人間が何とか地獄に落ちまいともがき苦しむが、結局、地獄に落ちてしまう。
しかし、地獄に落ちてしまえば、これ以上落ちることはない。
地獄に仏はいたのだろうか。

しかし、河合優実がここでも人間の不条理さを好演。
うーん、凄い。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:悪い夏
製作年:2025年
製作国:日本
配給:クロックワークス
監督:城定秀夫
主演:北村匠海
他出演者:河合優実、伊藤万理華、毎熊克哉、箭内夢菜、竹原ピストル、木南晴夏、窪田正孝
上映時間:115分


「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(ネタバレ注意)

2025-04-29 23:59:00 | 映画
お笑いコンビ・ジャルジャルの福徳秀介のデビュー小説の映画化。
主人公の小西には、原作者の福徳さんのキャラクターが反映されている。
自身の母校である関西大学を舞台にしており、大学時代はこういう過ごし方をしていたのかなと思わせるところがある。
福徳さん自身もスピッツのファンらしい。

主人公の小西を萩原利久が、丁度いい感じの薄っぺらさで演じている。
自意識過剰だが、何もできないもどかしさは、この時期の男子特有だと思うが、違和感なく役に成りきっている。

小西が大学で出会う桜田花を河合優実が演じている。
河合優実は東京出身だが、完璧な関西弁でびっくり。

小西のバイト仲間で一緒に銭湯で働いているさっちゃんを伊東蒼が演じる。
伊東蒼は子役として何度か出演作品を観ていたが、大学生役がしっくりくる女性になっていた。
彼女は大阪出身なので、関西弁ネイティブだ。ギターは練習したのだろうか。

若者を見守る大人役として、古田新太と安齋肇が当て書きのような役柄で登場。

小西と花が大学の授業で出会い、小西が花に声をかける。
いくつかの偶然が重なって、二人は心を通わせて、頻繁に会うようになる。
距離が近づいたと思ったら、花に約束をすっぽかされ、小西は連絡先も知らず、二人は会わなくなる。

一方、さっちゃんから告白されたものの、ただの友達と考えていた小西は茫然とするだけ。
さっちゃんの振られ方は100点だった。
このシーンの伊東蒼の演技は圧巻。この作品のクライマックスの1つだ。

しかし物語はこれで終わらない。すごいオチが仕掛けられていた。
一瞬、何が起こったのかわからないぐらいの衝撃だった。

「好き」を「このき」と読んだり、「幸せ」を「さちせ」と読んだりして、誤魔化すような表現が出てくる。
重くても、「すき」とか「しあわせ」と逃げずに伝えることが大切というのが作品のメッセージだと感じた。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
製作年:2025年
製作国:日本
配給:日活
監督:大九明子
主演:萩原利久
他出演者:河合優実、伊東蒼、黒崎煌代、安齋肇、浅香航大、松本穂香、古田新太
上映時間:127分