とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

兵馬俑と古代中国(上野の森美術館)

2023-01-28 23:59:00 | 美術館
上野の森美術館にて、「兵馬俑と古代中国」を鑑賞

始皇帝陵の兵馬俑坑から出土した兵馬俑は等身大だが、始皇帝以前は実物よりも小さいものを陵墓の副葬品としていたらしい。
秦王朝滅亡後の漢王朝の兵馬俑は、またミニチュアに戻っている。
始皇帝だけが、等身大の兵馬俑を作らせたのだ。

その答えが、提示されている訳ではないが、始皇帝が例外ということだけがわかっている。
過去に囚われず、なぜ、そんなことができたのかを空想してみるのは面白い。



2号銅馬車


プロジェクションマッピングで秦時代の色彩を再現

エゴン・シーレ展(東京都美術館)

2023-01-28 23:00:00 | 美術館
東京都美術館にて、「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」を鑑賞。

エゴン・シーレは1890年、オーストリアのトゥルンに生まれ、ウィーンで活躍も、スペイン風邪で1918年に28歳で死去。
短い生涯だったが、独自の表現で美術史に名を刻んだ。
本展覧会では、シーレと同時代にウィーンで活躍した画家の作品も展示されている。

シーレの初期の作品には、交流のあったグスタフ・クリムトの影響として、正方形のカンヴァスや金色、銀色の配色がみられる。
自画像にしろ、女性画にしろ、風景画にしても、緊張感がみなぎっている。
モチーフを通じて、自分の描きたいものが表現できているかという画家の自負であったり不安であったりが、ストレートに表現されている。
そこが多くの人を惹きつけるのだろう。






「レジェンド&バタフライ」(ネタバレ注意)

2023-01-27 23:59:00 | 映画
公開初日の舞台挨拶ライブビューイング付きの回を鑑賞。

舞台挨拶への登壇は、信長役の木村拓哉、濃姫役の綾瀬はるか、福富平太郎貞家役の伊藤英明、明智光秀役の宮沢氷魚、森蘭丸役の市川染五郎、各務野役の中谷美紀、そして大友啓史監督。
昨年11月の「ぎふ信長まつり」の騎馬武者行列での大盛り上がりから、ようやくこの日を迎えた感慨を木村拓哉と伊藤英明が語っていた。
作品のネタバレにならないように、質問への答えがもどかしかったが、監督と俳優陣の熱い想いが伝わってきた。

作品で描かれるのは、信長と濃姫の関係性が中心で、合戦シーンは本能寺の変ぐらい。
那古野城、清須城、岐阜城、そして安土城と信長の城の変遷も、セットあり、CGありで、映像で観ると面白い。
明智光秀の描き方が通説と違っていて、面白かった。

信長を演じた木村拓哉は、期待通りの木村拓哉の信長だった。
濃姫は史実にあまり残っておらず、創作部分が多かったと思うが、綾瀬はるかが人物像を浮かび上がらせてくれていて、期待以上だった。
斎藤工の家康は、斎藤工ではなくてもよかったように思ったが、ご愛敬だったか。

今の時代に信長をやる意味としては、「魔王」と呼ばれた男でも、普通の人間で、精一杯に生きた結果が伝説になったということだろうか。
そういう意味では、木村拓哉こそがレジェンドでもあるが。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:レジェンド&バタフライ
製作年:2023年
製作国:日本
配給:東映
監督:大友啓史
主演:木村拓哉、綾瀬はるか
他出演者:宮澤氷魚、市川染五郎、和田正人、高橋努、浜田学、本田大輔、森田想、見上愛、増田修一朗、斎藤工、北大路欣也、本田博太郎、尾見としのり、池内博之、橋本じゅん、音尾琢真、伊藤英明、中谷美紀
上映時間:168分


「ONE PIECE FILM RED」(ネタバレ注意)

2023-01-23 21:30:00 | 映画
ワンピースは初心者だが、2022年の興行収入No.1作品なので、今さらながら観ておこうと。
2022年8月6日劇場公開なので、かなりのロングランだが、ほぼ満席。

歌姫ウタの歌唱を担当するAdoが歌うオープニングの「新時代」は鳥肌が立った。
その後も、物語とシンクロした劇中歌が素晴らしく、これは中毒性があるなと感じた。

登場するキャラクターが多く、それぞれに見せ場もあるので、立場を変えて、何回も観る人もいるだろう。

日本の伝統芸能といってもよい完成度だが、悪人も出てきて、単純にきれいな世界を描いている訳でないところがよいのかなと感じた。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:ONE PIECE FILM RED
製作年:2022年
製作国:日本
配給:東映
監督:谷口悟朗
主演:田中真弓
他出演者:中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、チョー、宝亀克寿、名塚佳織、Ado、津田健次郎、池田秀一、山田裕貴、粗品、せいや、新津ちせ
上映時間:115分


「イチケイのカラス」(ネタバレ注意)

2023-01-16 23:59:00 | 映画
法律という地味なテーマをいかに面白く見せるか、すごく考えられている作品で、期待以上に面白かった。
現実には、竹野内豊が演じる「入間みちお」のような裁判官はいないと思う。
こういう人間がいればどうなるかという、実験のようなものだが、法律や裁判が人々の生活にどう関わるかを教えてくれる。

裁判で暴いていくのは、人間の表と裏だ。
しかも目を背けたい現実を突き付けてくる。
日本の地方都市の停滞を取り上げているが、組織のために個人が犠牲になる時代は終わらせないといけないのだと思う。
綺麗ごとかもしれないが、持続可能性を軸にして、組織をどう変えるかを問われる時代が始まりつつあるのだろう。
ただし、個人も今までの価値観を改める必要がある。
そこには大きな痛みが伴うかもしれない。

真実は必ずしも人を幸せにしないが、真実を知らなければ、正しい結論を導けないということは正論だ。
しかし、人間には感情があるので、正しい結論を受け容れることができなかったりもする。
そういうことも含めて、人が求めるのは、寄り添ってくれる人なのかもしれない。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:イチケイのカラス
製作年:2023年
製作国:日本
配給:東宝
監督:田中亮
主演:竹野内豊
他出演者:黒木華、斎藤工、山崎育三郎、柄本時生、西野七瀬、田中みな実、桜井ユキ、水谷果穂、平山祐介、津田健次郎、八木勇征、尾上菊之助、宮藤官九郎、吉田羊、向井理、小日向文世
上映時間:119分