とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「キングダム 運命の炎」(ネタバレ注意)

2023-07-29 23:59:00 | 映画
原作漫画を実写化した映画シリーズの第3弾。
秦の始皇帝の中華統一を支えた武将李信の成長物語。

主人公の李信を山﨑賢人がエネルギッシュに演じる。
始皇帝になる前の秦王、嬴政を吉沢亮が演じる。
李信の師匠的な将軍、王騎を大沢たかおが演じる。
他にも、豪華出演陣が脇を固める。

絶体絶命の危機を李信が切り抜けて、最後に勝つところが見所だ。

歴史物は結果がわかっているので、過程を楽しむものだが、山﨑賢人のやんちゃな姿が頼もしい。

戦闘シーンは迫力があったものの、今回は続編に向けての伏線的な色合いが強かった。
いいところで終わった。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:キングダム 運命の炎
製作年:2023年
製作国:日本
配給:東宝
監督:佐藤信介
主演:山﨑賢人
他出演者:吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、満島真之介、岡山天音、三浦貴大、杏、山田裕貴、高嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋光臣、平山祐介、片岡愛之助、山本耕史、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、大沢たかお
上映時間:130分


君たちはどう生きるか(ネタバレ注意)

2023-07-26 23:59:00 | 映画
スタジオジブリ作品で宮崎駿監督の10年ぶりの長編アニメーション。
予告編も公式サイトもなしで、事前の情報がほとんどないという異例の宣伝戦略。
宮崎駿監督作品でなければできないと思うが、先入観なしに観て欲しいということだろうか。

太平洋戦争末期のとある田舎町が舞台。
主人公は東京から戦火を逃れて疎開してきた少年の眞人。
大人びた雰囲気を漂わせているが、戦火で母親ヒサコを亡くした傷を心に負っている。

父親は母親の妹ナツコと再婚し、ナツコは妊娠中だが、眞人とは微妙な距離感。
そんなナツコが行方不明になり、ナツコを探して、眞人は異世界へ迷い込む。

「千と千尋の神隠し」のような設定だが、少年が大人へ成長するための冒険の物語。
いろんな矛盾や葛藤を抱えつつ、コントロールできない現実世界で生きることの覚悟を問いかける作品だ。

生まれながらに持っている才能だけに頼らず、仲間の力を借りたり、勇気を持って闘うことで成長するという宮崎駿監督の才能論が反映されている。

人生の選択では、より難しい方を選ぶ生き方をしたいものだ。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:君たちはどう生きるか
製作年:2023年
製作国:日本
配給:東宝
監督:宮崎駿
主演:山時聡真
他出演者:菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、木村拓哉、竹下景子、風吹ジュン、阿川佐和子、大竹しのぶ、國村隼、小林薫、火野正平
上映時間:124分


「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」(ネタバレ注意)

2023-07-24 23:59:00 | 映画
期待したが、期待以上だった。
展開に緩むところがなくて、たまにコメディーな部分もあり、最初から最後まで、あっという間だった。

途中で誰が敵か味方か、見失いそうになったが、何とか耐えた。

前作がどうだったかは、憶えていないが、トム・クルーズが演じるイーサンがいい人になっているように感じた。
昔はもっと強面だったような気もするが、時代の流れだろうか。

敵がAIということで、政治色が薄まるというのは、新たな発見かも。

PART TWOにどう続くのか、楽しみだ。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
製作年:2023年
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
監督:Christopher McQuarrie
主演:Tom Cruise
他出演者:Hayley Atwell、Ving Rhames、Simon Pegg、Rebecca Ferguson、Vanessa Kirby、Pom Klementieff、Esai Morales、Shea Whigham、Henry Czerny
上映時間:164分


テート美術館展 光(国立新美術館)

2023-07-14 23:59:00 | 美術館
国立新美術館にて、「テート美術館展 光」を鑑賞。

英国のテート美術館のコレクションから「光」をテーマにした作品を選りすぐった展示。
巨匠の絵画から現代アートまでの多様な作品が面白かった。

絵画では光を表現する技法や、光の当て方の効果を狙ったものがあった。
現代アートでは、光の持つ意味であったり、人間の知覚の仕方など、鑑賞者との対話で成り立つ作品が面白かった。



噴火するヴェスヴィオ山とナポリ湾の島々を臨む眺め(ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー 1776-80年頃)


露に濡れたハリエニシダ(ジョン・エヴァレット・ミレイ 1889-90年)


星くずの素粒子(オラファー・エリアソン 2014年)

マティス展(東京都美術館)

2023-07-14 23:30:00 | 美術館
東京都美術館にて、マティス展を鑑賞。

20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス(1869-1954)の芸術活動全般の変遷と、最晩年のロザリオ礼拝堂に注目した展示。

意外だったのは、マティスが画家の道を目指したのが20代に入ってからで、代表作品が生み出されるのが30代後半からと、遅咲きだったことだ。
絵画だけでなく、彫刻、切り紙絵など、多様な表現に挑戦している。
絵画では「色彩の魔術師」と言われる、赤やピンクなどの鮮やかな色使いが特徴だが、人物の造形のアンバランスさなども面白い。

時代のうねりの中で、新しい表現方法を試したり、病気による自分の体の変化に対応した表現に移っていったり、変幻自在さに目がいく。
しかし、そのタイミングでのマティスにとっての最善を追究した結果が、表現の変遷だったことがよくわかった。

最後の作品が、単純な絵画ではなく、これまでの表現の粋を結実させたロザリオ礼拝堂だったことに運命を感じる。
礼拝に訪れる人たちに安らぎの空間を演出することが最後の仕事をいうのは、最高の人生だと思う。



赤の大きな室内(1948年)