とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ジュディ 虹の彼方に」(ネタバレ注意)

2020-04-06 23:59:00 | 映画
本作でレネー・ゼルウィガーがアカデミー賞主演女優賞を受賞。
それに相応しい演技だった。
レネー・ゼルウィガーと言えば、
「ブリジット・ジョーンズの日記」のぽっちゃりしたイメージが強かったが、
食事制限して体形を維持する役で、髪型もショートで本人とはわからないぐらい。
また、こんなに歌える役者だとは知らなかった。

物語は50年前の話だが、舞台にあがる重圧と、
それを跳ね返して魅せるパフォーマンスの浮き沈みの激しさには胸が締め付けられる。
スターの孤独の深さと、孤独であるが故のここ一番での爆発力。
ステージから逃げたい思いとそこでしか輝けない自分に対する自覚。
すごく辛く哀しいが、人に生きる勇気を与えるという矛盾。

スターの苦悩をレネー・ゼルウィガーが演じきったことに爽快感さえ感じる作品だ。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:ジュディ 虹の彼方に
原題:JUDY
製作年:2019年
製作国:イギリス
配給:ギャガ
監督:Rupert Goold
主演:Renee Zellweger
他出演者:Rufus Sewell、Finn Wittrock、Michael Gambon、Jessie Buckley、Darci Shaw、Royce Pierreson
上映時間:118分


「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」(ネタバレ注意)

2020-04-03 23:59:00 | 映画
三島由紀夫という人を知らなかったことを痛感した。
三島は若者との対話によって真摯にお互いを理解しようとしていたことが伝わってくる。
カリスマであり、ジェントルマンであり、優しさを感じた。
自分と意見の異なる部分はあっても、相手の話に耳を傾け、否定していない。
そのことから、自分の信条や行動に対する、揺るぎない覚悟や自信が伝わってくる。

「諸君の熱情は信じる」と断言した三島。
親米化し、旧来の日本的な価値観が失われていく世界で、人間の闘争本能を肯定していたのだと思う。

三島が、自決してまで守りたかった「日本人らしさ」とは何だったのだろうか。
ただし、現代の多様化した世界では、「日本人」という集団で同じ価値観を共有することはないかもしれない。
個人が自らの想いや置かれた状況で、「いかに生きるか」を考える必要がある。
そういう意味では、学生が共闘することで社会を変え得ると思えた時代がうらやましく思えた。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実
製作年:2020年
製作国:日本
配給:ギャガ
監督:豊島圭介
出演者:三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大三郎、篠原裕、宮澤章友、原昭弘、椎根和、清水寛、小川邦雄、平野啓一郎、内田樹、小熊英二、瀬戸内寂聴、東出昌大
上映時間:108分