とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「関心領域」(ネタバレ注意)

2024-08-07 23:59:00 | 映画
第96回アカデミー賞(2024年)で国際長編映画賞と音響賞を受賞した作品。
アウシュビッツ収容所の隣に住む家族の生活を淡々と描写する。
時折差し込まれる情報から収容所で起こっていることが想像できる。

現在も変わらない家族の日常生活と人類史に残る残虐行為が壁1枚を隔てて成立していた事実に戦慄する。
敵と見做した相手には何でもできてしまう人間の本質を描いているとも言える。
人間は自分が生存するためなら、何にでも慣れてしまう怖さもある。
集団心理が働いたり、既得権を失いたくない心理とつながると、そのこと自体の意味は問わなくなる。

仮に自分が当時、ドイツ人だったらどうしたのか、ユダヤ人だったらどうしたのか、選択肢はあったのだろうか。
選択ができる人間であるためにはどうあるべきなのか。
日本人としては、関心領域外のできごとに過ぎなかったのか。

人間の生きる意味って何だろう。
答えを探し続けるのが人生だ。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:関心領域
原題:The Zone of Interest
製作年:2023年
製作国:アメリカ、イギリス、ポーランド
配給:ハピネットファントム・スタジオ
監督:Jonathan Glazer
主演:Christian Friedel
他出演者:Sandra Hüller
上映時間:105分