とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ヘルドッグス」(ネタバレ注意)

2022-09-24 22:40:00 | 映画
岡田准一のアクションはガチなので、自然と見入ってしまう。
相当鍛えていることが素人でもわかるレベルだと思う。
「きっと、この寝技で人を殺せるんだろうな」と感じるのは、人間の本能だろうか。

ガチのアクションに普通の俳優は対抗できないので、坂口健太郎が演じる相棒は、狂気の男という設定。
ただ、元が優男だけに、殺し屋には見えない。
そういう意味では、松岡茉優の方が恐さがにじみ出ている感じがした。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:ヘルドッグス
製作年:2022年
製作国:日本
配給:東映、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:原田眞人
主演:岡田准一
他出演者:坂口健太郎、松岡茉優、MIYAVI、北村一輝、大竹しのぶ、金田哲、木竜麻生、中島亜梨沙、杏子、大場泰正、吉原光夫、尾上右近、田中美央、村上淳、酒向芳
上映時間:138分


「川っぺりムコリッタ」(ネタバレ注意)

2022-09-24 22:00:00 | 映画
昭和の空気感の作品。
昔はこういう多少うざったい近所付き合いは普通だった。

今の時代にスマホも、クーラーもない生活が成り立つと思えないが、だから家でじっとしていられないのだろう。
空腹に耐えることで食事の有難みがわかり、孤独に耐えることで人情の有難みがわかる。
みんな、足りないから助け合える。

この世界を非日常のファンタジーとしてみてしまうことが異常なのだろうか。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:川っぺりムコリッタ
製作年:2021年
製作国:日本
配給:KADOKAWA
監督:荻上直子
主演:松山ケンイチ
他出演者:ムロツヨシ、満島ひかり、江口のりこ、黒田大輔、知久寿焼、北村光授、松島羽那、柄本佑、田中美佐子、薬師丸ひろ子、笹野高史、緒形直人、吉岡秀隆
上映時間:120分


「百花」(ネタバレ注意)

2022-09-20 23:59:00 | 映画
原作小説を読んで、年老いた母親を持つ身としては、身につまされるとともに、感動した。
小説の著者である川村元気が監督・脚本を務めている。
川村元気といえば、映画プロデューサーとして、押しも押されもせぬヒットメーカーだ。
小説家としてもヒットメーカーで、映画化された作品もいくつかあるが、本作は自らメガホンを取っている。
それだけ思い入れのある作品ということなのだろう。

小説の映画化にあたり、菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみは、最高のキャストだと思う。
さすが東宝の重鎮、名プロデューサーが監督を務めるだけのことはある。

ワンシーンごとに現在と過去の回想が入り混じる展開は、登場人物の頭の中を覗き込んでいるようであった。
特に子供のころの記憶は、自分が見えていた世界がすべてなので、事実と異なっていることも多いのだろう。
それらが、ピアノの曲だったり、ちょっとした小物をきっかけに呼び起こされるシーンは、映像化されてこそ、リアリティを感じた。

人間、齢を取ってこそ感じるのは、愛されるよりも、愛したいということだろうか。
自分が親になって初めて、親の心がわかるということもあるだろう。
そんな変化を菅田将暉が絶妙に演じていた。
台詞だけで表現するのではなく、沈黙での表現に引き込まれた。

一つだけよくわからなかったのが、原田美枝子のメイクの変化だ。
認知症が始まったオープニングあたりが基準だとして、過去シーンと認知症が進んだエンディングで極端過ぎるように感じた。
なにかしらの演出的な意図があったのだろうか。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:百花
製作年:2022年
製作国:日本
配給:東宝
監督:川村元気
主演:菅田将暉、原田美枝子
他出演者:長澤まさみ、北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴、永瀬正敏
上映時間:104分


「沈黙のパレード」(ネタバレ注意)

2022-09-19 22:30:00 | 映画
映画化が決まってから原作小説を読んだが、原作が忠実に再現されており、原作へのリスペクトがあふれている。
小説を読んでいるときから、湯川学、内海薫、草薙俊平は、福山雅治、柴咲コウ、北村一輝なので、違和感ゼロ。
そもそも、東野圭吾が小説を書いている時点で当て書きなんだろう。

そういう意味では、メインの三人以外の配役が楽しみだったが、役者それぞれに味のある演技。
特に、被害者の父親役の飯尾和樹がしぶかった。
普段のバラエティではみたことのないシリアスな演技が、物語を盛り上げてくれた。

また、小説では気にならなかったが、内海が湯川に対して、タメ口で話すことが増えたように感じた。
文字ではスルーしていたが、映像で人が会話しているのを聞くと、気になるとかだろうか。

毎度、目を背けたくなるような真実を湯川が謎解きしていく展開に、作者の東野圭吾の想像力に驚愕するしかない。
単純に表面を見ているだけではたどり着けない真実があることを示唆してくれていると感じる。

エンドロールにガリレオシリーズ映画の過去作品のダイジェスト映像が挿入されているが、みんな若い。
この第三弾はコロナで間が空いてしまったのもあると思う。
ガリレオシリーズの小説は、まだ映画化されていないものもあるので、このあとも楽しみだ。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:沈黙のパレード
製作年:2022年
製作国:日本
配給:東宝
監督:西谷弘
主演:福山雅治
他出演者:柴咲コウ、北村一輝、飯野和樹、戸田菜穂、田口浩正、酒向芳、岡山天音、村上淳、吉田羊、檀れい、椎名桔平、川床明日香、出口夏希
上映時間:130分


李禹煥展(国立新美術館)

2022-09-18 21:00:00 | 美術館
国立新美術館にて、「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」展を鑑賞。

李禹煥は1936年に韓国慶尚南道生まれ。
1956年に来日し、日本大学文学部で哲学を学んだ後、1960年代末から始まった「もの派」の活動を牽引した。
「もの派」とは戦後日本美術における重要な動向の一つで、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示するもの。



展示は、彫刻と絵画に分かれており、それぞれの作品の展開過程が時系列で理解できるように、並べられている。

彫刻に関しては、主に石、鉄、ガラスを組み合わせて、ものと場所、ものと空間、ものとものとの関係を表現している。
自然物と人工物がお互いを牽制し合い、引き立て合い、その場所でこそ意味を持つ表現というのだろうか。
当然、そこには鑑賞者と制作者の対話も生まれる。
鑑賞するだけでなく、体験する作品というのも興味深い。

野外展示作品「関係項ーアーチ」 虹をモチーフとした作品


絵画は、点と線で時間の経過を表現する作品から、画面上の余白に意味を持たせる作品への変遷がわかる。
余白が示す無は、無限とも捉えられ、あらゆる可能性を想起させるものとなる。

作品を通じて感じるのは、肉体的な人間存在と観念的な人間存在だ。
人間の感覚は、五感を通して外から得るものと、それを契機として頭の中で考えることが入り混じっている。
逆に頭の中で考えたことを目で見たり、手で触れるものとして、形で表現していくものもあるだろう。

作品を通じての李禹煥からのメッセージは、「人間の意志」という感じだろうか。
この世界が抱えている様々な問題をあるがままに見て、ありたい方向に進む意志。
ありたい方向は無であり無限でもある。
だからこそ、意志が意味を持ってくると考えてみた。