とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「虐殺器官」 (ねたばれ注意)

2017-03-01 23:59:00 | 映画
2009年に34歳で亡くなった小説家・伊藤計劃の3作品をアニメ映画化する「Project Itoh」の第三弾。
(もともと第二弾だったが、当初の制作会社の倒産で制作が遅れ、第三弾になった)
「屍者の帝国」「ハーモニー」に続いて鑑賞したが、これが最も映画化したかった作品ではないか。

この物語はいくつかの状況設定で展開されている。
・核兵器が世界に拡散している
・先進国ではセキュリティーシステムが完備し安全が保たれている
・後進国では内戦や大規模虐殺が発生している
・米軍が、次々に起こる後進国の内戦や大量虐殺の首謀者を制圧しているが、追いついていない

主人公は米軍特殊部隊のクラヴィス・シェパード。
クラヴィスの任務は大量虐殺に関与しているらしいジョン・ポールという言語学者を追うこと。

さらに物語の途中でジョンのことがわかってくる。
・妻子を後進国による核兵器テロで失った
・妻子を失ったときに、愛人と会っていた
・「虐殺の文法」というものを発見し、それを使って、後進国で大量虐殺を引き起こしている
・理由は、後進国の政情不安をその地域内に留めて、先進国に向けたテロ行為を発生させないため

クラヴィスがジョンの思いを知ることで、どう変わるかが、伊藤計劃の思いでもあるのかどうか。
こう変わらざるを得ないと考えるか、こう変わって欲しいと考えるのかだ。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:虐殺器官
製作年:2017年
製作国:日本
配給:東宝映像事業部
監督:村瀬修功
主演:中村悠一
他出演者:三上哲、梶裕貴、石川界人、大塚明夫、小林沙苗、櫻井孝宏
上映時間:115分