とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

憧憬の地 ブルターニュ(国立西洋美術館)

2023-05-06 23:50:00 | 美術館
国立西洋美術館で開催の「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」を鑑賞。

フランスのブルターニュ地方の自然や人々の暮らしを描いた作品を一堂に集めた作品展。
19世紀初めごろから20世紀初めごろの作品で構成されている。

絵画の購入者が王侯貴族から商人を中心とした市民へ広がるにつれて、自然や市民の暮らしぶりが絵画の対象になっていった。
そんな流れの中で、多様な自然環境を有するブルターニュが画家たちの興味の対象になっていく。
ブルターニュに集まった画家たちの離合集散の中で、新しい絵画の技法も生み出されていった。
自然を描く技法として、日本の浮世絵が参考にされたことも興味深い。
一方、明治以降の日本人画家がブルターニュを訪れて腕を磨き、洋画の構築に寄与している。

この時代、絵画は現物を見るために足を運ぶしかなく、画家同士のコミュニケーションもほぼ対面であった。
今も本質は大きくは変わっていないのかもしれないが、より濃密であっただろう。
土地の持つ磁力が、時代の波の中で増幅され、数々の作品が生み出されていった。
そんな波動を感じられる展示だった。



クロード・モネ「ポール=ドモワの洞窟」(1886年)


クロード・モネ「嵐のベリール」(1886年)


リュシアン・シモン「ブルターニュの祭り」(1919年頃)


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