とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

テート美術館展 光(国立新美術館)

2023-07-14 23:59:00 | 美術館
国立新美術館にて、「テート美術館展 光」を鑑賞。

英国のテート美術館のコレクションから「光」をテーマにした作品を選りすぐった展示。
巨匠の絵画から現代アートまでの多様な作品が面白かった。

絵画では光を表現する技法や、光の当て方の効果を狙ったものがあった。
現代アートでは、光の持つ意味であったり、人間の知覚の仕方など、鑑賞者との対話で成り立つ作品が面白かった。



噴火するヴェスヴィオ山とナポリ湾の島々を臨む眺め(ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー 1776-80年頃)


露に濡れたハリエニシダ(ジョン・エヴァレット・ミレイ 1889-90年)


星くずの素粒子(オラファー・エリアソン 2014年)

マティス展(東京都美術館)

2023-07-14 23:30:00 | 美術館
東京都美術館にて、マティス展を鑑賞。

20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス(1869-1954)の芸術活動全般の変遷と、最晩年のロザリオ礼拝堂に注目した展示。

意外だったのは、マティスが画家の道を目指したのが20代に入ってからで、代表作品が生み出されるのが30代後半からと、遅咲きだったことだ。
絵画だけでなく、彫刻、切り紙絵など、多様な表現に挑戦している。
絵画では「色彩の魔術師」と言われる、赤やピンクなどの鮮やかな色使いが特徴だが、人物の造形のアンバランスさなども面白い。

時代のうねりの中で、新しい表現方法を試したり、病気による自分の体の変化に対応した表現に移っていったり、変幻自在さに目がいく。
しかし、そのタイミングでのマティスにとっての最善を追究した結果が、表現の変遷だったことがよくわかった。

最後の作品が、単純な絵画ではなく、これまでの表現の粋を結実させたロザリオ礼拝堂だったことに運命を感じる。
礼拝に訪れる人たちに安らぎの空間を演出することが最後の仕事をいうのは、最高の人生だと思う。



赤の大きな室内(1948年)