とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「ロストケア」(ネタバレ注意)

2023-04-05 23:59:00 | 映画
テーマは「介護殺人」という重いものだが、さながら、犯人役の松山ケンイチと検事役の長澤まさみの演技対決。
松山ケンイチの眼差しが果てしなく優しい。

どちらにもそれぞれの正義があり、人によって、そのときの状況によって、受け取り方は違うと思う。
仮に自分が認知症にかかったとすると、どうしたいだろうか。
元々、人間の脳は、100歳まで生きることを前提に作られていないのだと思う。
鍛錬であったり、治療薬によって、脳の寿命を延ばすことができるとしても、認知症になるリスクはなくならない。
そうなると、尊厳死と真剣に向き合う必要がある。

一番大事なのは、他人から強制されず、自分の意志で物事を決められることだろう。
ただし、他人に影響されない100%の自分の意志というのが、世の中に存在しうるのかは怪しい。
結論としては、周囲に流されて、折り合いをつけつつ、決断するのだと思うし、それが人間の一面でもある。

できるときに、できることをやるというのが後悔が少ない生き方だと思うが、その中に親の介護もあるのかもしれない。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:ロストケア
製作年:2023年
製作国:日本
配給:日活、東京テアトル
監督:前田哲
主演:松山ケンイチ、長澤まさみ
他出演者:鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、峯村リエ、加藤菜津、やす、岩谷健司、井上肇、綾戸智恵、梶原善、藤田弓子、柄本明
上映時間:114分