「Red」（ネタバレ注意）

夏帆と妻夫木聡の熱演。
ラブシーンを演じれば、殻を破ったとか、いうものではない。

幸せだと思って手に入れたものが、強欲なのか、自分の求めたものでなかったのか、
幸せだと感じることができない。
その原因は自分の心を偽っていたからではないかとの疑念が生じる。
では、自分の心に素直に行動してみれば、悲劇が待ち受けている。
その悲劇を乗り越えなければ、本当の幸せはつかめないのか。
悲劇の先には、更に大きな悲劇が待っているのか。

恋愛に限らず、こういった葛藤は人生には付き物である。

自分が不幸になったからといって、迷惑をかけた人たちが許してくれる訳ではない。
許されようが、許されまいが、自分の道を行くしかないのだ。

塔子と鞍田が10年前に仮に結婚していたとて、幸せにはならなかっただろうし、
10年間に辿ってきた人生あってこその、今、この瞬間の出会いだから、惹かれ合ったのだろう。
そういう意味での必然であり、運命である。

人間には失敗からしか学べないことがあるし、学べれば失敗でなかったとも言い切れない。

はっきりしていることは、時間は逆には進まないということだ。

点数は、9点（10点満点）。

タイトル：Red
製作年：2020年
製作国：日本
配給：日活
監督：三島有紀子
主演：夏帆
他出演者：柄本佑、間宮祥太朗、余貴美子、片岡礼子、妻夫木聡
上映時間：123分