Soho Designer の長いつぶやき

SOHOでのフリーデザイナーとして30年。
地方で超零細企業としての日々のつぶやき。

アナログ思い出話 シテイ

2009-01-13 07:19:45 | 仕事話_その他
前にトレスコ、版下、写植などの話を書きましたが、
版下(印刷の原版)を作ってもらうためにかっては「写植指定(文字指定)・製版指定(色指定)」紙というものを出さないといけませんでした。

我々デザイナーは案をしぼって、デザインやら誌面構成やらを考えるのですが、それらをクライアントに見せ、決まった案=ラフにあれこれ「指定」を入れて提出するわけです。

よーく考えればこれも面倒でありましたが、指定さえだせば、後は校正でなにか赤が出ても、デザイナーまでバックせず、これまた「指定(赤字)」ですむわけです。
今は自分で直すこと多し。しんどいです。
しかし考え方によっては最後まで自分に納得いくように直せる、という場合もあります。ヘンなデザイン、ヘンな誌面が世にでるのだけは阻止しないと! ましてや奥付や目次に自分の名が記名されるものについては特に! …責任もありますし。

で、指定紙ですが、ラフが今とちがって、ほとんどモノクロなわけです。
目立つように赤いペンでまず文字の大きさ(級数)、書体の種類(明朝とかゴシックとか)を指定し、1色ならアミ指定やベタ地、白抜きなどの製版指定をし、2色ならダブルトーンの割合、2色分解の製版指定を、そして4色なら、カラー製版指定を、文字指定紙と同じ紙に書く場合は青とか緑のペンで書き入れた。

今思うと脳内の想像をラフと指定で、指示し、印刷物に仕上げていった。
今は画面=仕上がり。
便利ではあるが、素人のクライアントのみならず、玄人の編集者あたりでも「(想像つかないから)やってみせて。」ということに。
そりゃそのほうが話が早い場合あるけど、手間かかるのですよ…。

でもすばやく対応してしまうので、「すぐできる=簡単にできる」と思われてるかも。すぐできません。すんごい努力してるのです。

話ずれますが、このアナログの時からの経験で、私にはモニターの色なんて「だいたい」でいいのです。カラーマネジメントは?とか問われるけど。(と書いたが、「画像=写真」はまずいですね…いま、データでしかこないし。昔は現物=ポジを見ていたから…。)
CMYKのパーセンテージでだいたい印刷物がどうなるかわかりますから。
(すごく複雑な色はチャートみないとムリ)
そして、昔は写研の書体見本なんぞみなくても基本的な書体コード(MM-A-OKLとか)は頭に入ってて指定も本見ずにできたのですよ。

ほんとうは、こういう(アナログの)技術と経験だけで、投資したコピー機やトレスコで、何年も仕事できたはず、なのに、年々バージョンアップされるソフトの勉強&投資、ハードへの投資…。

ぶーすか言っててもしょうがないのですけどね。
昔よりも「資本力」がいりますよ、フリーデザイナー。
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