小うつな人・ケアマネな人、を応援する日記

小うつな方・ケアマネな方、どっちでもある方のために捧げる、ネタのたわごとです。めざそう癒し人!?

「わかりやすさの本質」野沢和弘:著 生活人新書・NHK出版を読んで その6(最終回)

2011-09-22 09:41:43 | 弱さへの思考
知的障害者の理解の特性に配慮した文章を書く上で注意すべき点の仮説。

◎単語の数:1つの文章で抽象的な単語が多数存在し<主語-述語>がいくつも登場、これらがもつれてゴールに向かうような文章は理解できない。知的障害者に限らず、理解困難だろう。

◎省略:ある先生が知的障害児に「明日は雨が降ったら、長靴で来てね」と話したところ、次の火は晴れたが、その子は長靴を履いてきた。「晴れたら普通の靴」を伝えなかった=省略したため、先生は「うそつき」となった。(「発達障害を理解する(1)なぜ伝わらないのか、どうしたら伝わるのか」(太陽社)より)省略と圧縮は新聞記事の特徴であるが、それは伝わらない。よって、「○○について話します」「次は○○」を話します」というセンテンスが必要だろう。「のりしろ」の一種だ。

◎「もしも」:この後悔と希望の言葉が知的障害者には理解しづらい。もしかすると生活環境や成育環境によるものかもしれないが。入所施設で何十年も暮らしている障害者にとって、人生に於いて経験できることは…どうだろう?もしかしたら少ないのではないか?ならば、「もしも」はほとんど生活上起きない=予定調和であるため、難しいかもしれない。

◎想像力:自分の感情については語り・書くことはあるが、他人がそう思っているのだろうか?という表現はあまりみられない。ということは、他者がどのように感じているかを思い浮かべることは難しいかもしれない。

◎語用論:例えば「暑いですね」と発言した場合、「あ、窓をあけましょうか?冷たいものでも」…などという会話が日常的に起きたりする。でも、知的障害者と話していると「暑いですね」「そうですね」(or「暑いですね」)となることがある。「察する」ということは苦手なのかもしれない。

このようなことを踏まえて、以前にも打った、

・1つの文章はできるだけ簡潔に短くする。
・文章の構造はできるだけ単純にする。
・そのためには接続しは、どうしても必要な場合を除いては使わない。
・時間的経過のさかのぼりをしない。
・抽象的なことばは避ける。
・比喩や暗喩や擬人法は禁止。
・「~しないわけではない」というような二重否定もやめる。

というようなことを考慮することで、かなり分かりやすくなるような気がする。


でも、私は思う。
新聞発行だけであるならば、これでいいのかもしれない。

もし、あなたが直接コミュニケーションを取ろうと思ったのならば、それは別な問題となる。
それは、相手にわかりやすい言葉や話し方をすることはもちろん、「理解」ということが大切だ、と感じる。

このあたりを次回連載に取り入れることとする予定です。