このタイトル、ちょっとご無沙汰でしたので、(その1)を再度掲載。
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上記タイトルの講演を、11月18日(金)に川口市で聴講しました。
とてもよい講演でした。これで、無料(資料代100円)。とても嬉しい。
主催は「認知症をもっと知ってほしい」市民の会でした。
最初に「前頭側頭型認知症」のお話をされた新井雅江さんは、ご自身が若年性の「前頭側頭型認知症」の夫を22年間介護された方でした。
体験談というのは得てして、感情に流されがちになり、最後は「なんだかよくわからなかった」というパターンが多い中、この方のお話しは、時系列で流れていき、その折々に介護者はどのように感じたか、喪失感、障害年金の技…などがちりばめられて、とてもよかったです。
ということで、今回は「前頭側頭型認知症」のちょっとしたお話し。
医学的メカニズムやその他のことは、他のサイトを参照してください。ここでは、講演で得たことを打ちます。
この2つの認知症ですが、世間一般には、あまり知られていないのです。その理由は、診断できるお医者様が、ほとんどいない、ということがあげられます。ということは、「診断できる医者」に巡り合わない限り、永遠に間違った治療が行われます。これは恐ろしい事実です。医者にもレベルがあります。だれもが優秀ではありません。そして前面依存は危険です。自らも知識を得て、医者とお話ししましょう。そこで、怒ったり、話しを聞かなかったりする医者は「レベル低」と判断して、遠方でもいいので、いいお医者様と巡り合って下さい。
医療は「サービス」なのです。自らが選ぶことができることを意識して下さい。
ということで…あれ、「前頭側頭型認知症」の話になっていない…
ではまた次回。
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以下、(その2)
「前頭側頭型認知症」
個人差はあるものの、基本的には「性格変容」があります。
異様に暴力的になったり、食べ物の好みが変わったり…様々です。
お話をされた新井雅江さんのご主人は、以下のような症状があったそうです。
○言葉や物の名前が覚えられない。
○テレビの内容が分からず、新聞も辞書を引きながらでないと読めない。
○ストレスを感じると耳鳴りがする。
○万引きを「自分の仕事だ」と誇らしげに語る。
○会社に忍び込んで器物破損するが、罪の意識はない。
○髪の毛を引きちぎって食べる・便を食べる等の「異食」がある。(手に触れたものは食べていいと判断してしまう)
○やる気がなくなる。
○性格変容。
○わけわからない言動。
○情動行動多い。
○食べ物の好みも変わる。
関わっている間、新井雅江さんは、以下のように感じたそうです。
○「なんでこんなふうになってしまったのか」と強い想いを抱く。
○「障害年金」は、「国民年金」と「厚生年金」では年間支給額が違う。(厚生年金の方が上)
○喪失感は、「共にいる時間が多い方」が強い。(夫は入院と特養、柴犬とは自宅で生活、柴犬の方が喪失感は強い)
○全ての行動は病気から起きている。
○自分の場合は、在宅ではなく施設利用でよかった。
個々の状況にもよりますが、必ずしも在宅にこだわる必要ななく、なんとかお金を工面して、施設を活用するというのは重要と思われます。本人が一番つらいことではありますが、何よりも介護者が不健康になってしまっては、元も子もないと考えます。
次回は、レビー小体型認知症についての講義のまとめを。