小うつな人・ケアマネな人、を応援する日記

小うつな方・ケアマネな方、どっちでもある方のために捧げる、ネタのたわごとです。めざそう癒し人!?

ツバメ

2012-05-31 14:27:32 | 日記
ツバメの夫婦?が
巣にいました

無事に巣立ってね

「人を助けるとはどういうことか」を読んで その4

2012-05-31 09:26:57 | 弱さへの思考
対等だと思われている(思いたい、またはそうであると思い込んでいる)支援関係だが、現実として、それは幻想に過ぎない。

どんな支援関係も対等な状態には、ない。

クライアントは一段低い位置にいて、
支援者は一段高い位置にいる。

それは、情報を持っているものと、情報を請うものとの差である。通貨で考えてもらえると分かりやすい。


そこで、

「クライアントが陥りやすい5つの罠」


①最初の不信感
仮定上の問題を持ち出してくる場合(つまり核心ではない)、助言や指導をした結果、真の問題が何かを知る機会が失われる。この問題に真摯に取り組んでも、人間関係を対等なものにするには、ほとんど役立たない。

②安堵
クライアントは支援者に依存し、従うことを歓迎する感情になる。これは「罠」になる。

③支援の代わりに、注目や安心感、妥当性の確認を求めてしまう。

④憤慨したり防衛的になる。
実はクライアントは、支援者を無能に見せる機会を探している。

⑤ステレオタイプ化、非現実的な期待、対人知覚の転移。
親とか、好きな教師として、支援者を見てしまう。

全部単純化してまとめると、こうなりやすい。
「核心ある問題提起を行わず、現状の妥当性を正当化し、憤慨して支援者の無能をあざ笑い、かつ、依存して答えを求め、かつての好ましい人物と同一視する」ということだ。これ、全部ある人も、いる。または、どれか1つという人は少なくない。

なぜ、こういう「罠」に陥りやすいのかといえば、前述したように「一段低い」位置にいると思うことから、自己保全のために、防衛として働くことからだろう。


そして、

「支援者が陥りやすい6つの罠」

①時期尚早に答えを与える。

②防衛的な態度にさらに圧力をかけて対応する。→人間関係が壊れ、信頼関係構築はできない。

③問題を受け入れ、相手が依存してくることに過剰反応する。
問題が始まったばかりの段階では、支援者からどのような「助け」を与えられるかについて多くを知らないクライアント…なのです。拒否も受容にも過剰反応はいけない。

④支援と安心感を与えること。
一見よさげですが、違います。
 1.支援者が専門医者のように権力のある役作りになってしまう→権威付け。
 2.クライアントの地位の低さを助長する。
 3.クライアントが全てを打ち明けるとは限らない(!これを勘違いしないように!見ず知らずの人間に全部話すわけはない!)ため実は不適切な可能性がある。

⑤支援者の役割を果たしたがらないこと→放棄。
たとえば「どんなふうに手助けをしたらいいのか…私は本当に分からないんですよ」→いっさい、傾聴がなく支援する気持ちなし。こういう支援者、よくいるのです。恐ろしい…

⑥ステレオタイプ化・事前の期待・逆転移・投影
クライアントの個別化がされず、「まぁ、以前のパターンと同じ」としてしまう。→やっていませんか?


これまた、全部単純化してまとめると
「クライアントの話をちっと聴いただけで、即効答えを出し、自らの権威を位置づけ、『以前にも同じ問題を抱えた人がいたんですよ』と言い、びびりながら、『結局、本当には分からないんですよ』と言う」支援者だ。
こういう人、絶対にいる。見たことあるもの。ひどいもんだ。



クライアントも支援者も、
どのような支援が行われる状況において、はじめのうちは人間関係バランスが悪いため、不均衡から生じる、これらの「罠」に陥りやすい。
クライアントの立場を確立してくれる支援者になる。
これにはまず、支援者はクライアントに対して、どんな役割を演じるか?
これを明確にせねばならない。

次回は、「双方が知らないこと」を。

新型うつは、「日本流のデモ」なのかもしれない。(古市憲寿さんの言葉)

2012-05-30 08:57:57 | 弱さへの思考
昨晩、NHK「ハートネット」という番組を見た。

新型うつとは、番組サイトによると
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「書類の紛失を上司に注意されただけで欠勤し始めた」「顧客のクレームに対応して以来、会社に来なくなった」・・・。
上司の叱責や人事異動など周囲から見れば、ささいなことですぐに体調の不良を訴え、欠勤を繰り返す若手社員の対応に今、企業は頭を悩ませている。背景にあるのは、これまでのうつ病の常識を覆す、新しいタイプの「新型うつ」の広がりである。
現代型うつとも呼ばれる新型うつは、従来型のうつ病と同様、不眠や気分の落ち込みなどの症状が現れる一方、常にうつ症状に陥っているわけではないのが特徴だ。さらにうつになった原因は自分ではなく、上司や職場など他人にあると考える“他罰的な傾向”がよく見られるという。
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出演者である古市憲寿さん(社会学者)は、当blog「上野先生…」で取り上げた、新進気鋭の社会学者で、とても期待している若者の1人なのだが、彼はこの状況を、
「日本流のデモ」なのかも…と表現していた。的を得ていて、なんだか納得した。


社会は不安感に覆われている。そう思わない人もいるかもしれないけれど、不安を感じている人は少なくないと思う。
このような場合、欧米では、デモを行ってアピールをする。社会変革を促すために。生活保障を勝ち取るために。

ところが、この国、デモをしたところで、いまいち効果が上がらない。
よくわからないのだが、デモを脅威に感じない為政者、という伝統があるのだろう。
クーデターや暴動を起こせば、脅威に感じてくれるかもしれない。なんたって武力と暴力は命の継続を脅かすから。
でも、デモを起こす側は、そんなことは考えていない。暴力で解決したものは、暴力(権力)によって再度覆されることを知っている。
よって、新型うつになることで、社会に対するアピールをしている…のかもしれない。

この社会、
いまだに「数字を出せ」「業績を上げろ」などといっている企業が山ほどある。
これらを古市憲寿さんは「マッチョな会社」と呼び、「淘汰される」と言っていた。
もう、マッチョであることは時代に合っていない。
エリートに乗りたい人は、どうぞ、常に向上?!してください。
でも、そうではない人も結構たくさんいる。
いまのまんまでそこそこの収入で、つつましやかに生きていていいと考える人がいる。
そういう人びとを視野に入れて、企業で支援しない限り、その企業は没落するだろう。
多様な生き方を選択できる社会でない限り、延命はできない。

そんな中、
「東電ボーナス、電気代に上乗せ…今冬以降3年分732億円」
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20120529-OHT1T00269.htm


「監視委、三井住友信託銀に課徴金=また増資インサイダー―野村証券の処分検討」
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_451117


なんというか…今の「上司」といわれている人びとは、過去学んだことをそのまま踏襲しているだけで、時代に合ったコミュニケーション技法と思考転換をしないねぇ。

こういう会社にいると、うつになる。とっとと辞めたほうがいい。そして、自営業したほうがいい。または、快適な職場に転職したほうがいい。

社会を支えているのは、1人ひとっりの市民であることを、会社というものは理解していないし、高度経済成長の亡霊に憑り付かれたままなんだ。

みなさまも、「新型うつ」でも「うつ」でもいいので、「デモ」に参加しましょう。
そうしなきゃ、社会は変わらない。自分たちの生活を過ごしやすくするために。

「人を助けるとはどういうことか」を読んで その3

2012-05-29 09:41:38 | 弱さへの思考
まず、社会経済という概念を持ちましょう。
これはは、支援という社会的通貨を活用することであります。
交換される社会的通貨→それは、愛情・思いやり・認識・受容・そして支援、である。

これを前提として、

「台本どおりの役割と社会経済のルールを覚えて初めて、社会を乗り切り、心地よく暮らすことができる」

と書いてあります。

たとえば、2人で話をしていた…としましょう。
「仮に、話を聞かなかったり、恥をかかせたりして、相手の要求を受け入れないとしよう。すると相手は面目を失い、われわれは、無作法・好戦的といった印象を与えてしまう。」

また、
「人から話しかけられたとき、いっさいの動きを止めてみる。相手からこう尋ねられるはず。『何か問題でも?』『大丈夫?』すると『あぁ。すいません。他のことを考えていたんですよ』などと弁明しなければならない。」


社会経済…社会的通貨という概念で物事をとらえると、支援とは日常であることが理解できると思います。



関係の深さについても考えてみまする。
これは、「人が自らをさらけ出す中で、自分の為に安心して要求できる価値の量」という視点から、定義されます。

他人を信じる(なかなかできないのですが)とは
1.その人間との関係の中で、自分がどんな価値を主張しても、理解され受け入れてもらえること。
2.相手が自分を利用したり、打ち明けた情報を自分の不利になるように用いたりしない、と、思うこと。

と、書いてありました。

人の関係というのは、利害関係が必ずからんでおり、それを超えた状況でない限り、なかなか信じることは難しいと感じました。

次回は、成功する支援関係について→クライアントが陥りやすい罠と支援者が陥りやすい罠について。


今日の復習。
○社会的通貨(愛情・思いやり・認識・受容・そして支援)の概念を持ちましょう。それによって社会は成り立っているのです。
○人を信じることは、難しい、と考えましょう。