小うつな人・ケアマネな人、を応援する日記

小うつな方・ケアマネな方、どっちでもある方のために捧げる、ネタのたわごとです。めざそう癒し人!?

「ヘルプマン!」13巻発売(3)

2009-10-31 06:12:44 | 日記
ヘルプマン!13巻「介護職員待遇編」(くさか里樹:著 講談社:刊)が4・5日前に発売されたことを踏まえて、の続き。この業界の仕事とお金についてちょっと考えたい。

以下の文章は「私は、現状の業務と賃金に満足している。とても快適な毎日と人生を過ごしている。」という方は読む必要はありません。利用者多幸・社会貢献・事業所忠誠・人生充実をお祈りしています。

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仕事とは、それ自体に苦悩やストレスなどがある。これはどの職業にも付きまとうものであり、不可避であろう。
よって、介護業界のストレスや苦悩自体は特殊なものではあるが、職業として選択した自己責任はあると考えられる。
継続するためには、自分が目指すところへ導く・またはその過程であると認知していることが重要であり、それにより日々の苦悩やストレスに耐えられると考える。

認知や動機付けが情熱であった場合、仕事に対し、燃え尽きる速度は早く、その確立は高い。情熱や信念や哲学のみで、人生乗り切れるほど、人間は成熟していない。何よりも食べなければならない。生涯を共に出来るパートナーも必要であるし、子・孫も欲しいと考える。それにはお金が必要なのだ。

現状は単純である。情熱に見合うだけの賃金が支給されていないことが問題なのだ。
ならば、情熱に見合うだけの賃金給付を実現すればいい。
このご時勢、事業所を維持・継続するだけでも有能な経営陣だろう。そのために努力もしていると思う。
だが、ほとんどの経営陣は無能なのだ。会議で口にすることは「赤字」とか「収益減少」であり(そんなことは職員も知っている)職員のやる気を削いでいく。これで利用者にとって適切・快適なサービスを提供できるはずはない。ぎすぎすしたムードは口外せずとも誰にでも察知される。ならば「赤字」や「収益減少」を公にしてはいけない。それは経営陣自らが「私たちは無能である」との証にしかならない。

打開策は簡単である。
今回介護報酬改定などにより収益を上げた分を、単純に職員へ振り分ければいいのだ。全額でなくてもいい。しっかりしたヴィジョンを描けば、不可能なことではない。それを職員に説明することが必要なのだ。これまでの赤字補填に充てようとすることが、職員間のぎすぎすしたムードを作り出し、質の高いサービスを提供ができず、赤字は続く。
そして、経営陣は、福祉単独事業を諦めるべきだ。収益を上げられるように別な事業を行うべきだ。
上限が決まっているのならば、上限が定まらない・可能性の広がりがあるサービスの実施・提供を行う必要がある。介護保険法・障害者自立支援法施行以降、福祉はきれいごとでは済まなくなったのだ。情熱や理念だけで仕事は出来ない。
NPO法人は収益事業はできないが、その他の事業体はできる。今は新しい転換期と考え、収益を上げ、プールしたお金を割り振る大英断をする時期に来た。

介護業界の職員のみなさま。
これらが実現することを望みつつ、毎日暮らしていこう。いつか必ず、賃金は上がるだろう。その日を待ち望みつつ。
同時に、この過渡期に、この職業に就いたことを嘆こう。
「うつかな」と思ったら精神科に行こう。いつも利用者さんに言っていますよね。「医療で出来ることは、まず医療から」と。
そして「何か」を持って、続けよう。その「何か」はアイデンティティを確立し、日々の生活を維持する。例えその内容は変わったとしても「情熱」を持ち続けられるだろう。それは生きていく上でとても大切なことだと考える。

「ヘルプマン!」13巻発売(2)

2009-10-29 20:01:51 | 日記
ヘルプマン!13巻「介護職員待遇編」(くさか里樹:著 講談社:刊)が3・4日前に発売されたことを踏まえて、の続き。この業界の仕事とお金についてちょっと考えたい。

だいだいの人は仕事をしなければ生きていけない。そのことは、様々な意味で必要なものであると思われる。

仕事はお金を儲けることもさることながら、「日々の生きる意味」や「認知」や「感動の探求」などの意味がある。
膨大な金額が手に入れば、情熱だけで純粋に「仕事」を行うことができる。それを現代では、ボランティアと呼ばれるものになっているが、情熱や理想だけでは、生きていけない。
でも、情熱や理想が大切なものであることは、お金が大切と言っている人にも理解できるだろう。金の獲得は、情熱や理想になりうるから。そう、お金は生きていくうえで必ず必要なものだ。だから収益を上げる必要がある。

みなさまもお気づきであろう。「だったら、儲けりゃいいじゃない。たくさん利用者を受け入れて、リピーターを増やせばいい」と。

詳細説明は避けるが、介護保険制度は、利用者と事業所に「限度」を設定した。
これは、経済活動自由度という視点でみると、利用者側は、たくさんのサービスを利用したくともできず、事業所及び職員は、努力しても・しなくでも『限界』になれば、それ以上、事業所にお金は入らない。
これは、裏を返せば毎月一定の金額は手にできるを意味する。努力しても・しなくても。
しかし、確実に満額ではない。利用者は高齢であり、病・死へのリスクは高い。よって、「空き」(様々な理由により、登録はしていてもサービス利用しない)が生じれば、その分、金は入手できない。訪問介護パート職員さんに至っては、「空き」は仕事にならないため無収入、不安定な状況が生まれる。

この背景の中で、職員はモチベーションを日々高め、常に勉強し続けて向上し、自らを鍛錬し、残業もする…ことができるだろうか?
でも、現実が、すぐそこにある。利用者は目の前にいるのだ。やらなければ、利用者の体力は低下し、食事摂取できず、トイレには間に合わず、楽しむこともできず、風呂にも入れない。
職員さんたちは、理想と現実の狭間にありながら、業務ができていないと考え自分を責め続け、それでも、明るく利用者と関わっている。
利用者たちの人生を背負い込んでしまうような業務内容、しかも賃金は上がらない。結婚も出産も、実施するには困難な経済状態はずっと続く。
これは、果たして一生ものの仕事なのだろうか。現状、喜びを持って、毎日ウキウキしながら、雨の日も風の日も意気揚々と事業所へ歩を進めることができるのか。
今日この日、この業界で勤められている人々を、私は尊敬します。さらに次回に続きます。

最近の事件からの一言拾い

2009-10-28 19:09:15 | 日記
その1)
4~6人が不審死している婚活詐欺34歳女の事件を受けて。

馴染みの酒屋のおっちゃんの一言。

「おちおち、介護も受けていらんねーなぁ!」

まぁ、確かに80歳男性宅には「ヘルパー」で通っていたそうですが。
業界のみなさん。
世間からは、このように見られている…かも。


その2)
薬物中毒、ノリピーの唖然とした発言「介護の勉強する」を受けて。

包括支援センター職員の友人の一言。

「そりゃ芸能界も厳しいだろうけどさ!いらんなくなったら『福祉』かよ!アタマにくる!なめられたもんだ!」

ちなみに、この友人。とてもかわいい女性36歳。普段は、とても穏やかな方です。

介護を通して社会が垣間見えますね。

「ヘルプマン!」13巻発売(1)

2009-10-27 22:19:28 | 日記
ヘルプマン!13巻「介護職員待遇編」(くさか里樹:著 講談社:刊)が2・3日前に発売された。

待遇?
今さらその話なのか。
4K(キツイ・汚い・危険・給料が安い)などと呼ばれ続けて数年。さらに3つ加えて7K(化粧がのらない・結婚できない・子どもが産めない)というのもある。
措置の時代は全額公費でまかなわれ、社会福祉法人には大量の助成金が投与された。長く勤めればそれなりに昇給して、定年時の退職金はそれなりの金が支払われた。
介護保険が発足した当初は、その流れもあり、かつ、事業所の見通しの甘さもあり、それなりに給料もよかった。
しかし、コムスン事件以来、法改正を何度となく繰り替えし、その度に、介護報酬は付け焼刃で、上がったり下がったりの繰り返し。
気づけば世代平均賃金を大幅に下回る金額になっている。
そんな話を今さら…と、呆れた。

しかし、そんな今だからこそ、このテーマなのだと気づいた。いまや世間は大不況。だれもが金に関心がある。

このマンガの基本は、だいたい事業所の管理部門がいわゆる「悪役」となって、主人公(百太郎や仁を中心とした様々な介護に携わる人々)が「想い」を伝える…という設定になるのだが、今回は視点が変わった。

主人公・百太郎は、声高々に理想論を唱える・現実社会と法令を知らない、ただのガキとして設定され、登場人物の誰もが苦しみの中にいる、ということが浮き彫りにされる。
舞台は入所型施設(例えば特養)。施設長・事務長・利用者・介護主任・退職する人々・残って業務を続ける職員・百太郎を含む関係者の家族…誰もが苦しみの中にいて、その中で「この仕事を継続することとは?幸せとは?お金とは?」を問うた作品になっている。
そして仮想敵は「国」である。
詳しくは、買うなり立ち読みするなり図書館に新刊申請して借りるでもして読んでいただき、この業界の仕事とお金について簡単に考えていきたい。次回に続きます。

「ケアマネの資質」以前のこと

2009-10-26 21:24:37 | 日記
昨日は、ケアマネジャーの試験日でした。
友人が受験しました。
その際、受験生のマナーが、あまりにも悪いと怒り心頭。


○携帯の電源を切るように指示があった数分後に着信音が鳴る。

○試験終了に於ける最後の話をしてる最中にも、再び同じ着信音が鳴る。


○試験官が話している最中にも関わらず、終わった開放感からか、即、外へ出る受験生続出。

○傘の忘れ物多数。

○一定時間を過ぎて、回答できた場合、席を立てるのですが、出た後廊下で私語を声高に話す(席立った場合、静かに退場の指示ありにも関わらず)。

○携帯の電源の切り方が分からず、試験官に聞く…


…私の時は、こんなにマナー悪くなかった。
たまたまなのかもしれません。

しかし、このような人の中に合格者がいて、その人が、利用者のプランを立てる…と思うと、その利用者と家族、サービス提供事業所は「不運」だな、と感じました。

ケアマネさん。
お互い、自戒しましょう。

ルールを守れない人が、法律や通知を守るとは思えない。
ましてや、利用者の生活を支援することができるとも思えません。

ケアマネの資質以前に、持っていなければならないものがある、と感じました。