ヘルプマン!13巻「介護職員待遇編」(くさか里樹:著 講談社:刊)が4・5日前に発売されたことを踏まえて、の続き。この業界の仕事とお金についてちょっと考えたい。
以下の文章は「私は、現状の業務と賃金に満足している。とても快適な毎日と人生を過ごしている。」という方は読む必要はありません。利用者多幸・社会貢献・事業所忠誠・人生充実をお祈りしています。
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仕事とは、それ自体に苦悩やストレスなどがある。これはどの職業にも付きまとうものであり、不可避であろう。
よって、介護業界のストレスや苦悩自体は特殊なものではあるが、職業として選択した自己責任はあると考えられる。
継続するためには、自分が目指すところへ導く・またはその過程であると認知していることが重要であり、それにより日々の苦悩やストレスに耐えられると考える。
認知や動機付けが情熱であった場合、仕事に対し、燃え尽きる速度は早く、その確立は高い。情熱や信念や哲学のみで、人生乗り切れるほど、人間は成熟していない。何よりも食べなければならない。生涯を共に出来るパートナーも必要であるし、子・孫も欲しいと考える。それにはお金が必要なのだ。
現状は単純である。情熱に見合うだけの賃金が支給されていないことが問題なのだ。
ならば、情熱に見合うだけの賃金給付を実現すればいい。
このご時勢、事業所を維持・継続するだけでも有能な経営陣だろう。そのために努力もしていると思う。
だが、ほとんどの経営陣は無能なのだ。会議で口にすることは「赤字」とか「収益減少」であり(そんなことは職員も知っている)職員のやる気を削いでいく。これで利用者にとって適切・快適なサービスを提供できるはずはない。ぎすぎすしたムードは口外せずとも誰にでも察知される。ならば「赤字」や「収益減少」を公にしてはいけない。それは経営陣自らが「私たちは無能である」との証にしかならない。
打開策は簡単である。
今回介護報酬改定などにより収益を上げた分を、単純に職員へ振り分ければいいのだ。全額でなくてもいい。しっかりしたヴィジョンを描けば、不可能なことではない。それを職員に説明することが必要なのだ。これまでの赤字補填に充てようとすることが、職員間のぎすぎすしたムードを作り出し、質の高いサービスを提供ができず、赤字は続く。
そして、経営陣は、福祉単独事業を諦めるべきだ。収益を上げられるように別な事業を行うべきだ。
上限が決まっているのならば、上限が定まらない・可能性の広がりがあるサービスの実施・提供を行う必要がある。介護保険法・障害者自立支援法施行以降、福祉はきれいごとでは済まなくなったのだ。情熱や理念だけで仕事は出来ない。
NPO法人は収益事業はできないが、その他の事業体はできる。今は新しい転換期と考え、収益を上げ、プールしたお金を割り振る大英断をする時期に来た。
介護業界の職員のみなさま。
これらが実現することを望みつつ、毎日暮らしていこう。いつか必ず、賃金は上がるだろう。その日を待ち望みつつ。
同時に、この過渡期に、この職業に就いたことを嘆こう。
「うつかな」と思ったら精神科に行こう。いつも利用者さんに言っていますよね。「医療で出来ることは、まず医療から」と。
そして「何か」を持って、続けよう。その「何か」はアイデンティティを確立し、日々の生活を維持する。例えその内容は変わったとしても「情熱」を持ち続けられるだろう。それは生きていく上でとても大切なことだと考える。
以下の文章は「私は、現状の業務と賃金に満足している。とても快適な毎日と人生を過ごしている。」という方は読む必要はありません。利用者多幸・社会貢献・事業所忠誠・人生充実をお祈りしています。
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仕事とは、それ自体に苦悩やストレスなどがある。これはどの職業にも付きまとうものであり、不可避であろう。
よって、介護業界のストレスや苦悩自体は特殊なものではあるが、職業として選択した自己責任はあると考えられる。
継続するためには、自分が目指すところへ導く・またはその過程であると認知していることが重要であり、それにより日々の苦悩やストレスに耐えられると考える。
認知や動機付けが情熱であった場合、仕事に対し、燃え尽きる速度は早く、その確立は高い。情熱や信念や哲学のみで、人生乗り切れるほど、人間は成熟していない。何よりも食べなければならない。生涯を共に出来るパートナーも必要であるし、子・孫も欲しいと考える。それにはお金が必要なのだ。
現状は単純である。情熱に見合うだけの賃金が支給されていないことが問題なのだ。
ならば、情熱に見合うだけの賃金給付を実現すればいい。
このご時勢、事業所を維持・継続するだけでも有能な経営陣だろう。そのために努力もしていると思う。
だが、ほとんどの経営陣は無能なのだ。会議で口にすることは「赤字」とか「収益減少」であり(そんなことは職員も知っている)職員のやる気を削いでいく。これで利用者にとって適切・快適なサービスを提供できるはずはない。ぎすぎすしたムードは口外せずとも誰にでも察知される。ならば「赤字」や「収益減少」を公にしてはいけない。それは経営陣自らが「私たちは無能である」との証にしかならない。
打開策は簡単である。
今回介護報酬改定などにより収益を上げた分を、単純に職員へ振り分ければいいのだ。全額でなくてもいい。しっかりしたヴィジョンを描けば、不可能なことではない。それを職員に説明することが必要なのだ。これまでの赤字補填に充てようとすることが、職員間のぎすぎすしたムードを作り出し、質の高いサービスを提供ができず、赤字は続く。
そして、経営陣は、福祉単独事業を諦めるべきだ。収益を上げられるように別な事業を行うべきだ。
上限が決まっているのならば、上限が定まらない・可能性の広がりがあるサービスの実施・提供を行う必要がある。介護保険法・障害者自立支援法施行以降、福祉はきれいごとでは済まなくなったのだ。情熱や理念だけで仕事は出来ない。
NPO法人は収益事業はできないが、その他の事業体はできる。今は新しい転換期と考え、収益を上げ、プールしたお金を割り振る大英断をする時期に来た。
介護業界の職員のみなさま。
これらが実現することを望みつつ、毎日暮らしていこう。いつか必ず、賃金は上がるだろう。その日を待ち望みつつ。
同時に、この過渡期に、この職業に就いたことを嘆こう。
「うつかな」と思ったら精神科に行こう。いつも利用者さんに言っていますよね。「医療で出来ることは、まず医療から」と。
そして「何か」を持って、続けよう。その「何か」はアイデンティティを確立し、日々の生活を維持する。例えその内容は変わったとしても「情熱」を持ち続けられるだろう。それは生きていく上でとても大切なことだと考える。