De cela

あれからいろいろ、昔のアルバムから新しい発見まで

教育談義1

2006-02-05 12:51:13 | 教育談義
今朝の新聞記事から
採用基準「明確でない」61%、学生の不満を企業知らず
2006年02月05日06時40分

就職活動で、大学生の多くが企業の採用基準が明確でないと感じているのに、企業側は求める人材像が伝わっていると考えている――。経済産業省の調査で、採用を巡る両者の認識に大きな隔たりがあることがわかった。有効求人倍率は13年ぶりに1倍台を回復したが、同省は「従来型の採用は限界に来ている」として、5月にまとめる新経済成長戦略の柱に、産学一体の人材育成策を盛り込む方針だ。

 最近、市のある教育関係職員に雑談で話したことと関係があります。
 ニートやフリーターを多出している背景は企業に責任があるという意見もありますが、産業界企業と学校とは人材の需要と供給の関係にあります。とっくの昔から両者のミスマッチは大きなものでした。高度成長時代、企業は育成の余裕がありましたから学校成績が悪くとも素質があるかどうかで採用し、社内で鍛えなおして立派な企業人に仕上げました。その後、国内のコスト高騰で人材を海外に求めるようになりました。バブル崩壊後は企業内で再教育する余裕はなくなり、すぐ使えない人材は採用しなくなりました。ミスマッチの度合いはますます進み、景気が回復しつつある今、学校から出荷される人材という製品のスペックは企業が期待するものとの間に差があり、少なくなった本物の奪い合いが激しくなっていくでしょう。ここも格差拡大の典型的な場です。学校や親が、もう少し産業社会の求めるものを真剣に研究し、社会ニーズにあった教育をしていかなければ市場原理の中でこの問題はますます大きなものになります。人材商品は実は世界中にあるのです。求める人材像が分からないなどというのはとんだ甘えです。分からなければ調べたらどうでしょう。私学にはマーケッティングリサーチに相当する活動をしているところがあります。そもそも親が社会人です。日常必要としている人材像のことを知っている人がすぐそばにいるのです。
 私の教育観は言葉足らずに話すとたちまちPTAの餌食にされてしまいますが、日本の教育はすでに百年の計を誤り、すぐに改善されたとしても回復までには何十年もかかると思っています。人を商品にたとえただけでもはや聞く耳はなくなっていきます。