(地域デビュー、はじめの一歩)
緑区絆づくり交流会体験談講話趣旨
地域デビューのはじめの一歩はどこにおいたらよいでしょうか。気軽な第一歩はすでに公民館などで行われているサークルや趣味のグループに参加することかと思います。
しかし、前にお話しされた森川先生もおっしゃっておられたように社会には「人のために何かをしたい」という第二のステップ、地域活動ないし市民活動と言われる活動団体に参加する大きな期待があります。
趣味のグループやサークル、生涯学習の企画に参加されるということは自分の生きがいや友達を通じて絆つくり、話し相手や健康増進に役立ちます。ですから気軽な趣味の活動に第一歩を置いたうえで、地域活動などに参加するというのはいかがでしょうか。地域活動は自分の持っている能力や経験を社会のために役立てたいという奉仕の精神の上に成り立つものです。
私は、やや敷居は高いかもしれませんが、これから地域に進んで参加しようという方にぜひ後者の地域活動、すなわち市民活動であり奉仕活動に皆さんの力を提供されることお勧めする次第です。この後、私の話す体験談も地域にあるニーズを発掘し、そこに市民の持てる能力を分担して提供し、結果として行政にも地域の住民にも貢献し、事業に参加して働く仲間たちも生きがいを見出すことができたと自負する事例であります。
繰り返して述べておきますが、公民館活動などの古くからあったサークル活動や生涯学習など行政から提供された活動は内部完結型の活動と言われます。そのサークルの中の人たちの満足と生きがいを自ら作っていきます。地域活動は内部に組織を作るまでは類似しますが、目的はそのグループの外の人たちに利益を与える活動をすることになります。そこには不特定の受益者すなわちお客様が存在します。
では、私の事例について体験談をお話しします。私の事例は、荒廃し密林化し、行政も手の施しようもなくなった河川敷の再生事業に取り組んだ話です。場所は愛川町の中津川、仙台下川原と呼ばれる地域です。なぜ相模原でなく愛川なのかと思われるでしょうが、その時点では津久井4町と相模原市が合併するという話はまだ生まれていませんでした。里山の再生という課題を取ってみると、相模原中央地区からほど近いところに愛川里山地域が広がっていました。
ニーズはもちろん地域住民の中にありました。昔は自然豊かでアユ釣りに多くの人が集まった川原もダム建設で大きな増水など無くなり草が生え、外来種の樹木が茂り、廃棄物の不法投棄や害虫・害獣のねぐらとなりました。
もう一つのニーズは河川を管理する行政部門にありました。特定外来種の樹木は行政によって取り払わなければなりません。しかしそのコストは膨大で数年の間隔を空けての作業では結果的に成果は得られません。さらに神奈川県では水源環境保全の目的で特別県民税を徴収しています。水源環境改善に役立つ市民活動に対して補助金を出して奨励をしています。
その環境の中で私はまず、横浜に拠点のある竹林整備団体NPO法人日本の竹ファンクラブに参加し、河川に接した段丘崖の民有地の竹林の整備を開始しました。竹林も放置されると外に向かって根を張り、たちまち密林化します。竹林整備のあとは川原の片隅を切り開いてBBQの場を作り、メンバーの懇親が行われました。愛川の竹林や川原の整備に着手したのは横浜や相模原の市街地からのメンバーでした。地元にしてみればよそ者がやってきて断りなく何をやっているのかという対立「感情」が生まれます。
そこで地域の人たちの参加を促し、できたばかりの「愛川町民活動サポートセンター」に団体登録し、行政のニーズも聞きながら中津川を再生する地元の人の活動に替えていきました。川原は県の管理下にあり県の意向や指導に従う必要があります。県担当部局との話し合いも重ね、川原5haの整備を委託され、それをもとに水源環境改善事業としての補助金も獲得して今日に至りました。現在の内容についてはお配りした団体活動のパンフレットをご参照願います。
当初は思い及ばなかった成果を生んでおります。それは、行政の承認も得て行政も町民も期待する市民事業となると事業参加者は一転して目標に向かってあらゆる能力をつぎ込んでくれるということです。月に1度の集合整備活動ということでスタートしたものの、ほぼ毎日のように川原のどこかでチェーンソーや刈払機の唸りが聞こえます。作業に参加しているメンバーは、作業そのものが生きがいでもあるでしょうが昔のきれいな川原を再現したいという一心と、それによって特に町外から多くの人が来て、憩い楽しんで帰って行ってくれるということに喜びを感じるからです。
緑区にも多くの資源が眠っているに違いありません。昔からの固有の産物が継承されずに消えていってはいないでしょうか。手つかずになった果樹園や竹林が荒廃を進めていないでしょうか。そして何より緑区の市街地に住む人たちの中に眠っているブレーンがあるのではないでしょうか。緑区内の資源とブレーンのコラボによって地域活動の輪はどこよりも大きく広がっていくのではないでしょうか。
ご清聴ありがとうございました。
緑区絆づくり交流会体験談講話趣旨
和田達夫 中央区中央5丁目在住
平成28年2月19日
平成28年2月19日
地域デビューのはじめの一歩はどこにおいたらよいでしょうか。気軽な第一歩はすでに公民館などで行われているサークルや趣味のグループに参加することかと思います。
しかし、前にお話しされた森川先生もおっしゃっておられたように社会には「人のために何かをしたい」という第二のステップ、地域活動ないし市民活動と言われる活動団体に参加する大きな期待があります。
趣味のグループやサークル、生涯学習の企画に参加されるということは自分の生きがいや友達を通じて絆つくり、話し相手や健康増進に役立ちます。ですから気軽な趣味の活動に第一歩を置いたうえで、地域活動などに参加するというのはいかがでしょうか。地域活動は自分の持っている能力や経験を社会のために役立てたいという奉仕の精神の上に成り立つものです。
私は、やや敷居は高いかもしれませんが、これから地域に進んで参加しようという方にぜひ後者の地域活動、すなわち市民活動であり奉仕活動に皆さんの力を提供されることお勧めする次第です。この後、私の話す体験談も地域にあるニーズを発掘し、そこに市民の持てる能力を分担して提供し、結果として行政にも地域の住民にも貢献し、事業に参加して働く仲間たちも生きがいを見出すことができたと自負する事例であります。
繰り返して述べておきますが、公民館活動などの古くからあったサークル活動や生涯学習など行政から提供された活動は内部完結型の活動と言われます。そのサークルの中の人たちの満足と生きがいを自ら作っていきます。地域活動は内部に組織を作るまでは類似しますが、目的はそのグループの外の人たちに利益を与える活動をすることになります。そこには不特定の受益者すなわちお客様が存在します。
では、私の事例について体験談をお話しします。私の事例は、荒廃し密林化し、行政も手の施しようもなくなった河川敷の再生事業に取り組んだ話です。場所は愛川町の中津川、仙台下川原と呼ばれる地域です。なぜ相模原でなく愛川なのかと思われるでしょうが、その時点では津久井4町と相模原市が合併するという話はまだ生まれていませんでした。里山の再生という課題を取ってみると、相模原中央地区からほど近いところに愛川里山地域が広がっていました。
ニーズはもちろん地域住民の中にありました。昔は自然豊かでアユ釣りに多くの人が集まった川原もダム建設で大きな増水など無くなり草が生え、外来種の樹木が茂り、廃棄物の不法投棄や害虫・害獣のねぐらとなりました。
もう一つのニーズは河川を管理する行政部門にありました。特定外来種の樹木は行政によって取り払わなければなりません。しかしそのコストは膨大で数年の間隔を空けての作業では結果的に成果は得られません。さらに神奈川県では水源環境保全の目的で特別県民税を徴収しています。水源環境改善に役立つ市民活動に対して補助金を出して奨励をしています。
その環境の中で私はまず、横浜に拠点のある竹林整備団体NPO法人日本の竹ファンクラブに参加し、河川に接した段丘崖の民有地の竹林の整備を開始しました。竹林も放置されると外に向かって根を張り、たちまち密林化します。竹林整備のあとは川原の片隅を切り開いてBBQの場を作り、メンバーの懇親が行われました。愛川の竹林や川原の整備に着手したのは横浜や相模原の市街地からのメンバーでした。地元にしてみればよそ者がやってきて断りなく何をやっているのかという対立「感情」が生まれます。
そこで地域の人たちの参加を促し、できたばかりの「愛川町民活動サポートセンター」に団体登録し、行政のニーズも聞きながら中津川を再生する地元の人の活動に替えていきました。川原は県の管理下にあり県の意向や指導に従う必要があります。県担当部局との話し合いも重ね、川原5haの整備を委託され、それをもとに水源環境改善事業としての補助金も獲得して今日に至りました。現在の内容についてはお配りした団体活動のパンフレットをご参照願います。
当初は思い及ばなかった成果を生んでおります。それは、行政の承認も得て行政も町民も期待する市民事業となると事業参加者は一転して目標に向かってあらゆる能力をつぎ込んでくれるということです。月に1度の集合整備活動ということでスタートしたものの、ほぼ毎日のように川原のどこかでチェーンソーや刈払機の唸りが聞こえます。作業に参加しているメンバーは、作業そのものが生きがいでもあるでしょうが昔のきれいな川原を再現したいという一心と、それによって特に町外から多くの人が来て、憩い楽しんで帰って行ってくれるということに喜びを感じるからです。
緑区にも多くの資源が眠っているに違いありません。昔からの固有の産物が継承されずに消えていってはいないでしょうか。手つかずになった果樹園や竹林が荒廃を進めていないでしょうか。そして何より緑区の市街地に住む人たちの中に眠っているブレーンがあるのではないでしょうか。緑区内の資源とブレーンのコラボによって地域活動の輪はどこよりも大きく広がっていくのではないでしょうか。
ご清聴ありがとうございました。