かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 42

2023-05-17 14:41:29 | 短歌の鑑賞
 2023年版渡辺松男研究6(13年6月実施)
     『寒気氾濫』(1997年)橋として
      参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      司会と記録  鹿取未放
                   

42 瞑目のうちに歴史は忘れらるみどりのかげのDAIBUTSUの像

      (当日意見)
★この歴史を個人のものとみるか、もっと大きな歴史のことか迷いました。
  (崎尾)
★簡単そうに見えてとても深いところを歌っている歌。英字で表しているのにも意
 味があるんでしょうね。(曽我)
★鎌倉の大仏を想像した。戦後アメリカが進駐してきて日本の歴史が忘れられたよ
 うな時期があった。そのことを言っているんじゃないか。瞑目は誰のものか分か
 らないけど、半眼の大仏のものかもしれない。(慧子)
★私も鎌倉の露座の大仏を思いました。瞑目は当然DAIBUTSUのものでしょう。そ
 れから個人の歴史では歌にならないし、戦後の歴史でも小さすぎる。もっと大き
 な世界の、長いスパンの人間の歴史のことだとは思う。(鹿取)


コメント
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