■メイン写真
牛首の難所を過ぎると、ご褒美のブロッケン現象に遭遇した
■今回のコース
8/19 白馬ホテルパイプのけむり[泊]
8/20 ホテル→ゴンドラアダム八方駅⇒(ゴンドラ、リフト)⇒八方池山荘→第2ケルン→
八方ケルン→第3ケルン→扇雪渓→丸山ケルン→唐松岳頂上山荘→唐松岳→
唐松岳頂上山荘[泊]
8/21 唐松岳頂上山荘→牛首→大黒岳直下→遠見尾根分岐→五竜山荘→五竜岳→
五竜山荘[泊]
8/22 五竜山荘→遠見尾根分岐→白岳→西遠見山→西遠見の池→大遠見山直下→
中遠見山→(小遠見は巻く)→二の背髪→一の背髪→地蔵ケルン→リフト地蔵の頭駅
⇒(リフト、ゴンドラ)⇒エスカルプラザ(白馬姫川温泉 竜神の湯)
お盆明けの山行は、この夏3度目の北アルプス。今回はお客様のリクエストにより
唐松岳から五竜岳へ、一日の行動時間を短くとって、山小屋ごとに泊る「各駅停車」山行だ。
天気は決して良くはなかったのだが、ブロッケン現象や雲海などによる神秘的な
シーンに遭遇でき、却って印象深いものとなった。
ゴンドラアダム、リフト2本を乗り継ぎ、一気に標高1800mへ。
リフトを下りると八方池山荘がある。
ガスの中、八方尾根を行く。
高山植物がたんさん咲いていて飽きることはない。
花は別途、まとめて掲載する。
第2ケルン、八方ケルンを経て、濃いガスの中、八方池を見下ろす。
残念ながら白馬三山の絶景はおあずけとなった。
ダケカンバの樹林帯になる。
一度、雨がパラつきはじめ雨具を着たが、15分ほどで止んだ。
扇雪渓に到着。長めの休憩をとった。
雪渓は残りわずか。来月には消えてしまうのではないか。
雪渓から上の尾根にサルの群れがいた。
群れが動くたびに落石が発生していた。下に登山道があるような場所なら危ない。
それにしても、サルが標高2300m超えしている現状を憂う。
中央アルプスだったか、サルの分布域がどんどん高所に移り、ライチョウの卵が
食われてしまったという話があったと思う。同じようなことが起きているのだろうか。
先ほどのダケカンバとは、樹形がまったく異なる。このあたりは積雪が多いのだろう。
丸山ケルン。これも遭難者の慰霊塔である。
こちらは先日の笠ヶ岳で高所順応ができているが、そうでない人は、このあたりから
若干、息苦しさを感じはじめるかもしれない。
森林限界を超えると、少しガスが切れて、不帰から天狗ノ頭への稜線が姿を現した。
予想していた以上に皆さんの脚は強く、12:30頃、唐松頂上山荘に到着。
山荘に荷物を置き、身体を軽くして唐松岳山頂へ向かう。
唐松岳へはすぐ。ガスで展望が得られなかったのは残念。
山荘に戻る途中、至近距離でホシガラスに会う。
山荘に戻ったが、夕食まではまだまだ時間がある。
2階のカフェでコーヒーを頼んで、ゆったりした時間を過ごす。
こういう時間もいいなあ。
17:30頃、太陽の角度が下がり、ブロッケン現象が起きた。
山荘から宿泊客がゾロゾロ出てきて、それぞれ太陽を背に手を振る奇妙な
時間となった。もちろん、自分もその一人。
その10分後、ともちゃんは「真澄」を手に。
茜に染まる剱岳。この時間になって雲が下がり、初めて見えた。
日の入りを観に行って、山荘を振り返る。
日の入り直後の唐松岳。
翌朝、五竜岳に向けて出発する。見送ってくれたのはイワヒバリ。
1m以内でも逃げない。
いきなり、牛首の難所が始まる。慎重に、慎重に。
目指す五竜岳。白馬村側にはガスが出ている。
しだいに慣れてきて、岩場の通過もスムーズになってきた。
牛首の岩場群を無事に通り抜けたあたりで、昨日とは逆の方向に、
朝のブロッケンが出た。2日連続で見る、方角が異なるブロッケンだ。
これはこれで、貴重な体験となった。
大黒岳は直下を巻く。
岩場がなくなり、ハイマツ群落が広がるたおやかな地形に変わると、
サルの群れに出合った。
気持ちのいい稜線散歩。
五竜山荘が見えてきた。
山荘に着いたのは9:40頃。かなり余裕のペース。
普通なら、この日のうちに遠見尾根を下って麓まで帰れそうだが、
今回は各駅停車の旅だ。不要な荷物を置かせてもらい、身軽になって
五竜岳に向かう。
登り始めてすぐのところで、ライチョウを発見。
五竜岳への道は、後半は険しい鎖場が続く。
アルプスを登っているという実感が湧き出てくる楽しい時間だ。
五竜岳に到着。昨日の唐松岳同様、ガスで周囲が見えなかったが、
皆さん、充実の表情。山頂で昼食を楽しんだ。
五竜山荘は深刻な水不足で、500mlペットボトルも700円で、在庫約20本限りと
いう事態だった。コーラなど他の清涼飲料も、すべて売り切れていて、
買って飲めるものはビールとチューハイだけだった(ポットの湯は有料で別にあった)。
昨日以上にゆったりした時間を山荘で過ごし、夕日を楽しむ。
最終日、遠見尾根をひたすら下る。
今年になって遠見尾根で3人も死亡事故が起きている。
この鎖場をはじめ、白岳付近の岩場からの転落なら分からなくもないが、
唐松岳頂上山荘で出会った遭対協の方も、遠見尾根での深刻な事故は
ずっとなかったのにと不思議がっていた。
西遠見を過ぎると、岩場はなくなり、快適なハイキング道になる。
大遠見直下の池。
我々パーティが通りがかると、ドボンと池に落ちる水音が聞こえた。
何だろうと思って池の方を見たら、サルの群れが樹木をユサユサ揺すっていた。
中遠見のケルン。
少し雲が晴れて、白馬鑓ヶ岳が顔を覗かせたが、白馬岳までは見えなかった
のは残念。
小遠見は巻き、見返り坂をへて地蔵ケルンへ。
ここまで来たら、あとはもう少しだ。
リフト、ゴンドラを乗り継いで、エスカルプラザへ下った。
お客様にお土産を見定めていただく間に、タクシーで八方へ戻り、置いてあった
クルマを回収。エスカルプラザ内の「白馬姫川温泉 竜神の湯」で3日分の汗を
落としてスッキリ。
帰りの高速道路で2か所の事故渋滞があり、解散予定の京都駅に着くのがずいぶん
遅れそうだと分かる。遠路からのお客様が終電に間に合うよう、確実に電車に
乗れる草津駅で解散し、事なきを得た。