ダプール・バリ 神々の島の台所

インドネシア・バリ島から愛をこめて。

銀のナツメグ

2015-09-05 23:35:51 | バリごはん&食材・スパイス・ハーブ
イギリスの童歌「マザーグース(伝承童謡)」の中に、『 I Had a Little Nut Tree 』という歌があります。



歌詞を抜粋して載せますね。(訳はテキトー)

I had a little nut tree,
Nothing would it bear
But a silver nutmeg
And a golden pear;

The King of Spain's daughter
Came to visit me,
And all for the sake
Of my little nut tree.

Her dress was made of crimson,
Jet black was her hair
She asked me for my nutmeg
And my golden pear.

僕は小さな木の実が実る木を持っていたんだ
銀のナツメグと金の梨が実る木だよ

スペイン国王のお姫様が僕を訪ねてきて
僕の木を見たいと言ったよ

お姫様の服は深い赤色
黒い髪がよく映えてキレイだった
お姫様はナツメグと金の梨を欲しがった


通説によると、この童謡は1500年くらいに作られたのではないかと言われています。
あれ?歌詞の中に「silver nutmeg(銀のナツメグ)」というのが出てきますね。
さあ、今日はその「ナツメグ」の話です。



ナツメグは、今では肉料理やお菓子になくてはならないスパイスとして世界中で愛用されています。
インドネシア名は「Pala」、バリ名は「Begarum」、和名は「ニクズク」。
特に日本のみなさんもハンバーグを作る時は入れる方が多いのではないでしょうか。
Wikipediaによると、
「種子は肉荳蔲という生薬名で、収斂、止瀉、健胃作用がある。
東洋医学では、気管支炎、リウマチ、胃腸炎などの薬として処方される。」とあります。


(この画像はWikipediaより)

ナツメグの果実の中に、真っ赤なレース状の種衣に覆われた黒い種があります。
この赤い種衣が「メース」と呼ばれ、種と同じような香り・味のスパイスとなります。
一方、その黒い、硬い種の殻を割って中から出てきた仁の部分が「ナツメグ」と呼ばれます。



実はこのナツメグ、インドネシアのモルッカ諸島(インドネシア語では Maluku)が原産地なんです。
その頃はモルッカ諸島の中でもほんの小さな島々(バンダ諸島)にしか生育していなかったナツメグの木ですが、
ヨーロッパの人々がその種が持つ数々の薬効を発見して以来、非常に高価な値段がつき、
イギリスなどでは金や銀と同じ価格で取引されていたそうです。
冒頭の童謡に「銀のナツメグ」というフレーズがあるのも、この歴史があるからなんですね。
16~17世紀にはポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスが激しくその利権を巡って争い、
特にオランダが支配を始める頃には、ナツメグの木がある島々に住んでいた多くの住民を虐殺して
この「銀のナツメグ」を独り占めしたという悲しい記録が残っています。

ちなみに、このナツメグ、ちょっと危険なスパイスでもあります。
少量ですがミリスチシンという成分を含んでおり、多量に摂取すると記憶の混濁、興奮状態や混乱状態を招き
視覚の歪みや妄想観念などの幻覚誘発の作用もあることが報告されていて、
特に妊娠・授乳中の女性や子供には注意が必要とのこと。
でも普通にスパイスとして常識の範囲で使うには問題ない、と複数のサイトに書かれておりましたので
それほどビビらなくてもいいみたいですよん。







愛菜食堂・がじゅま〜る

2015-09-04 00:37:47 | ダプール・バリ料理教室
今日もお料理教室でした!
「なるべくベジタリアンのお料理を、でもバリの食事情も知りたい」というリクエストにお応えして
ウラッブ、ティパット・サントッ(ピーナツソースのお料理)、サンバル・マター、サンバルトマトにはテンペ、
そして一品だけ、バリ料理の基本の味を知っていただくためにチキンとバナナの茎のスパイス煮込みを作りました。



ヤシの若葉で編んだティパットにお米を詰めているところ。



ご参加下さったのは、東京で「愛菜食堂がじゅま〜る」というオーガニックのお弁当のデリバリーを営んでいらっしゃるKさんご夫婦。
初バリでご滞在二日目、ということで、私も責任重大!
ちょっとドキドキしながら調理を進めていきましたが、
味見の段階からYさんが目をクリクリさせて「美味しい!」と反応してくれたので一安心。
石臼ゴリゴリもココナツミルクを絞る作業も本当に楽しそうに熱心にやっていただいて
こんなお二人が作るお弁当はさぞ美味しいだろうな、と心から思いました。
「がじゅま〜る」のお弁当のコンセプトは
『無農薬・無肥料の旬な野菜を、なるべく野菜本来の味を味わって頂ける様に素材を活かした調理法で』とのこと。
東京都にお住まいの方、デリバリーのご案内はこちらです。
ぜひみなさんも応援してあげてください。(私も食べたーい!)
Mさん、Yさん、ご参加いただいてありがとうございました。

ごはんと地球と私たち、全部繋がっているんですね。
改めて背筋が伸びる思いです。

久々の大雨の夜でした

2015-09-03 00:50:33 | ダプール・バリ料理教室
今日はお料理教室でした。
初回の基本コースから数品と、ウラッブ、ナシ・クニンなどを作りました。



シンガポール在住のOさんご夫妻、兵庫からお越しのMさん、そして男性お一人でお申し込み下さったYさん。
今日も男性陣の手際の良さと熱心さに感心しながらも、女性お二人も負けじと頑張って下さって
和気あいあいと楽しく調理が進みました。
いつものミックススパイスの配合もバーーーッチリ!
お約束のサテも完璧に仕上がり、ビールタイムでますます盛り上がり。
バリ料理ってほんとにビールのツマミにピッタリなんですよね。
そしてご試食(ランチ)だけご参加下さったMさんのご主人さまはココナツが苦手、と仰りながら
バリバリにココナツを使ったお料理の数々を完食して下さいました。
やっぱりフレッシュなココナツは美味しい!
日本のみなさんにはぜひ、バリで思う存分味わっていただきたいです。
Yさん、Kさん、Mさん、そしてYさん、どうもありがとうございました!
いつか二回目のご参加もお待ちしております。

今日は影武者@夜の部も友人やリピーターさんがたくさん来て下さって楽しかったです。

ネコたちも客席にお邪魔するようになり



お客様のサンダルに顔を突っ込んでみたかと思えば



チチャッ(小型のヤモリ)をこんなふうにしちゃったり。



さあ、明日もお料理教室です。
頑張ろう!



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