Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

第54回 『六旗の下に』 鑑賞記(5)/慶應義塾大学應援指導部

2008-05-21 20:14:49 | 東京六大学応援団
第54回『六旗の下に』の観賞記シリーズ。

第5回目の今回は、慶應義塾大学應援指導部の演技内容と、小生の感想を紹介します


【プログラム】
第一塾旗紹介
若き血
突撃のテーマ~コールケイオー~ダッシュケイオウ
指揮→紹介は省略
伝統の勝利の拍手
塾歌


【司会進行】

元気な声で、リーダー幹部を時に立てたり、時に茶化したりと随所に工夫があり、全体的には悪くない印象だが、ゴルフの石川 遼 プロのニックネームである「ハニカミ王子」をもじって、自らを「カミカミフレッシュ」と自虐的に紹介していた通りに、やや「噛んで」いたのか、少し聞き苦しさを感じた。
法政大学の司会が良すぎただけに、その後に登場は、不利もあったか…。


【各論/詳細】

●第一塾旗紹介

9本所有の塾旗の中で、最も大きく、最も美しい塾旗。
司会がその雄大かつ格式の高さを紹介していた。
決して体格が大きくない旗手長が、“団旗礼”をする時に片手(右手)で持ち替え、観客の声援に応えるようにポーズを決めて、再び揚げた。
これは鍛えられていないと、なかなかできない芸当。
旗の大きさもさることながら、体格の小ささも鑑みると、さすがと言わざるを得ない


●若き血

「若き血に燃ゆる者 光輝みてる我等…(中略)…慶應 慶應 陸の王者 慶應」の歌詞であまりにも有名な、慶応義塾の第一応援歌。
今年の春のセンバツ高校野球で、塾高が甲子園に3年ぶりに出場した際にも、何度となく球場に流れた。
メインリーダーを務めたリーダー幹部は、体格が小さいためか、テクそのものも小さく見えた。
昨年のメーンリーダーも体格は小さかったが、テクそのものを大きく見せていた(このときは、技に走っているように見えたが、基本ができていたがゆえになせた業と見るべきだった…)ので、若干インパクトに欠けた気がする。
もう一つ注文をつけるなら、声が枯れていた(かすれていた?)ので、通りが悪い。幹部でステージに立つのだから、声は通った方が断然良い。その点が残念。
尚、蛇足だが、エールの切り方は、小生の母校(埼玉県立春日部高校)がコーチを受けている歴史があるため、母校と全く同じである。
なので、小生も、同じテクを充分マスターしている。


●突撃のテーマ~コールケイオー~ダッシュケイオウ

『若き血』同様、3年前や今年のセンバツで、甲子園球場に所狭しと鳴り響いた、慶應義塾のチャンスパターンメドレー。
野球応援のスタイルを再現するべく、ファンファーレ『INFINITY』から『シリウス』,『アニマル』,『アラビアンコネクション』をセットにして披露された。

昨年のような「学生注目」から始まるのではなく、いきなりファンファーレ『』から『シリウス』,『アニマル』の演奏が始まり、チアリーディングが始まる構成に持っていった。

その『アニマル』でのチアリーディングは、法政と同じ9人という大人数。
この後の『アラビアンコネクション』のチアリーディングでは、5人が「バスケット・トス」をする大技に挑んだが、小生個人的には、これは余計だったように感じる。
何故なら、法政の紹介でも述べたが、応援団のチアリーディング部には、こうした大技を大胆に披露するよりは、「統率」が求められるので、「バスケット・トス」に挑む間も間延びするだけでなく、終わって隊列に戻る時間も間延びするため、チアリーディングとしての統率という意味ではそれが削がれるからである。
昨年が技量,構成とも見事で、“全体のまとまり”や“メリハリ”の点で良かっただけに、少し残念で、法政の逆転を許した瞬間でもあった気がする。

そして、『突撃のテーマ』,「K・E・I・O KEIOケイオー」と続く、『コールケイオー』,そしてリーダー幹部7名総出演の『ダッシュケイオウ』に移る。
観客を飽きさせない、「惹きつけ方」のツボのようなものは、押さえている様ではあるが、細かく見ると、注文がいくつか付く。

『ダッシュケイオウ』の“突き”のテクであるが、センターのメインリーダーを務めた幹部の突きは、いかにも置きに行っている感じで、その迫力に欠け、主将を務めた幹部以外の5名も、下半身の鍛え方が足りないのか、全体的に腰高だったり、上半身がそっくりかえって、正面を突いていなかったり、体格の小ささをカバーできずにコンパクトになりすぎていたなど、7人出演の派手さの割には圧倒感に明らかに欠けた。唯一、主将を務めた幹部が、“突き”の理解度という意味では、7人の中では深かったが、それでももう少し頑張れるような気がする。

とかくこうしたチャンスパターンメドレーは、幹部の人数か多いと、ごまかしが利いてしまうものだが、大人数だからこそ他を圧倒するテクが披露できることもまた事実なのだから、もう少し鍛えてしっかりしたテクを見せて欲しかった気がする。


●伝統の勝利の拍手

舞台一杯広々と使って演じる点が特徴の拍手演技。
歴代リーダー部責任者が振ることを許される拍手演技だが、正直これがリーダー部責任者なのか…という疑念を抱かせるほど、期待はずれであった。
拍手演技独特の迫力が、全く伝わってこなかった。要するに鍛え方が足りないということであろう。残念である。


●塾歌

大学の校歌としては、盛り上がりと気品のあり、名曲といえる。
慶應OBではないが、小生も、1番だけなら諳んじられる。
小生の母校の校歌のテクと、一部が異なるだけで、基本は全く同じである。
エールの切り方も、同様であることもいうまでもない。
小生の母校では、野球の7回の攻撃に入るとき、1番だけ校歌を斉唱するが、この時は副団長がこのテクを振ることを許される。
小生は現役時、副団長の要職を頂いた。したがって、小生も塾歌は振ることができる。
自分で振ってみて思うが、流れるようで、しかも品格がある、素晴しいテクである。
当然、主将が披露するわけだが、昨年以上に迫力があり、体格の小ささを十分カバーし得る内容であった。
リーダー幹部7名にあって、選ばれるべくして選ばれた主将だった気がする。


【評価】

リーダーテクニック:★★★☆☆
チアリーディングテクニック:★★★★☆
司会進行:★★★☆☆


【編集後記】


母校が、昭和32年から数年にわたりコーチを受けたため、テクや、応援の進め方は、この慶應義塾大学應援指導部のものが基本となっている。
したがって、母校の応援団も、皆と共に応援するという意味と、この歴史があるゆえ、「応援指導部」と名乗っている。
いわば、母校の応援団にとっては、“母”のような存在である。

よって、小生にとっても、非常になじみ深い応援団であり、常に紳士的で、「規律」「機敏」「団結」といった点は、母校にも、そして塾應援指導部にも、良い形の伝統として受け継がれているように思う。

リーダー部,チアリーディング部,吹奏楽団が三位一体となっての、こうしたステージ演技で観客を惹きつける力は、早稲田大学と共に、抜きん出ている印象を持った。
やはり、六大学野球リーグ戦の慶早戦(早慶戦)が、NHK教育テレビで現在も中継され、注目を浴びやすい点が、そうさせているのであろう。

応援団リーダー部員減少化に歯止めがかからない状況にあって、リーダー幹部が7名と、六大学の中で最も多かった。
下級生部員も、極端な人数不足の傾向が見られていない点でも、こうした問題に対する対処のノウハウが、内部にあるのかもしれない。
それはある意味「強み」であるので、この長所を存分に活かして欲しいが、益々の発展のためには、もう少しリーダー幹部も、バックでサーブを担当している下級生も心身ともに鍛えて、迫力あるステージ演技を披露して欲しかった気がする。そこに若干の物足りなさを感じた。


【予告】

次回(第6回)は、「東京大学運動会応援部」の演技内容を紹介します。
どうぞお楽しみに

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