先週の金曜日は、月に一度の足助千年ゼミの日だった。もうまる3年もやっている。広報なし、申し込みもなし、参加費もなし、たまたまそこに集った人たちで里山の暮らしについて、自由に語り合う会である。
前日から大寒波襲来で、名古屋も大雪だった。日が暮れた国道153号線は気温はもうマイナスで、路面は凍結している。今日は誰も来ないかもと思いながら、車を走らせた。
会場のすげの里には、それでも三々五々参加者が集まってくる。今回は、地元のおじさんたち3人に、最近Iターンでこの近くに入ってきた4人のワカモノたち、それにIターンの大先輩である山本シゲさんと私。多分、これまででもっともこじんまりとした会である。いろりを囲んで、近況報告からはじまって、話題はあっちにいったり、こっちにいったり、いつもながらの展開である。
新米IターンのM君は、足助屋敷で竹細工を習っていて、これをなんとかなりわいにしたいという。そのための作業小屋をつくりたいとのこと。地元のおじさんたちは、あれこれと実践的なアドバイス。この地で有機農業をはじめたY君は、春から鶏を飼うために鶏舎をこつこつと自分で作っている。話題は小屋づくりから鶏をはじめ動物談義へ。地元のおじさんたちは何でもできる。ワカモノたちは、こういうおしゃべりの中から、技術的なことだけでなく、この地で暮らしをたててきた心を学ぶのである。
とても楽しい時間だった。この会をはじめた頃は、こんなに早くIターンのワカモノたちがやってきて、こうやって地元のおじさんたちと語り合うようになるとは思っていなかった。会場であるすげの里はまだ影も形もなくて、別会場でやっていた。すげの里を作ったねらいも、まさにこのような交流の場としたかったというこだ。こういうことをめざしていたんだよな、と改めて確認するとともに、それが実現できていることに感慨深いものがあった。
会が終わってもワカモノたちは名残おしげに、薪ストーブの前でおしゃべりしている。私もしばらくその輪に入った。ほんわかとあたたかい薪ストーブの熱を受けて、身も心もとても気持ちがよい。
帰ろうと外に出ると、つきさすような寒気。半月の月の明かりが雪に映えて、とても明るい。静かな夜である。こうやって、静かな、おちついた、でもいきいきとした里山の暮らしがずっと続いていきますように。私は月とそれに照らされた森に感謝し、祈った。
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足助千年ゼミは、どなたでも参加できます。
日時は毎月第一金曜日18:30~21:00頃まで。
会場は豊田市足助地区の新盛町にあるすげの里。希望者はそのまま宿泊(1800円)できます。
次回は3月2日(金)です。ぜひどうぞ。
土曜は大変興味深いお話をありがとうございました。自分の生まれ育った実家の近所で、先進的(!?)な取り組みが行われていることをとてもうれしく思います。
木の駅プロジェクト、画期的な試みですね。大変関心がありますが、素人が切った後の山管理方針は気にかかるところです。
ちなみに僕、実家の裏山を「苔の山」に変えるというプロジェクトをたくらんでいます。
うまくいったら近所にも広めたい!と思ってます。
個人的に考えているちいさな計画ですが、気が向かれましたらブログをご一読くださいませ。