蕁麻疹とか花粉症に使うオロパタジン、セチリジン 、 ロラタジン、喘息予防に使うプランルカスト 、モンテルカスト、解熱剤のアセトアミノフェン(カロナール)がもうすぐ手に入らなくなります。
これは全国的な状況で、正常化には2~3年かかると言われています。
これらの薬を製造していた後発品メーカーが、国が承認していない工程で製造していたなどとして業務停止命令を受け、出荷調整に追い込まれたためです。
その結果、先発品であるアレロック、オノンまで足りなくなりました。
医療費を削減するために、安全な先発品から安価な後発医薬品に誘導して来た医薬行政の誤りです。
医師は処方箋は出しますが、「在庫のある薬局を患者さんが自分で探して下さい」という事態が来月にも起こって来ます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後発医薬品、出荷調整相次ぐ
薬剤費削減方針の結果、供給力低下へ
ジェネリック医薬品(以下、後発品)は先発医薬品と同じ有効成分を含み価格が安いことから、国民への広報や診療報酬へのインセンティブなどを通じて、国は普及を促進してきた。
平成29年6月の閣議決定において「令和2年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と定めた。
2年9月時点の後発品数量シェアは約78.3%となっている。
しかし、昨年から本年にかけて、国が承認していない工程で製造していたなどとして、後発品メーカー2社が立ち入り調査や業務停止命令を受けた。
その余波は、後発品他社メーカーの供給力を低下させた。
また、業界団体が呼びかけた自主点検でも複数のメーカーで問題が見つかるなどし、供給停止や出荷調整はこのような形で我々医療現場に影響を及ぼしている。
国は後発品促進を勧める中で、安全安心への配慮として、先発品同様の品質の担保、そして、安定供給への配慮を怠らないようにしていたはずだ。
個別のメーカーの責任はもちろん問われるべきではあるが、その背景として、「無駄を省け」「医療費を減らせ」などという緊縮政策の影響がある。