日本脳炎とは?
日本脳炎ウイルスを持つコガタアカイエカに刺されて感染し、脳が炎症を起こす病気です。
コガタアカイエカは日本脳炎ウイルスに感染している豚を刺すことでウイルスを体内に取り込みます。
感染した人のうち発症するのは100人から1000人に1人の確率ですが、発症すると死亡率は20~40%と高率です。
潜伏期間は6~16日間、高熱や頭痛、嘔吐、下痢などの症状があります。
意識がなくなったり麻痺が起きると重症化のサインです。
日本脳炎ワクチン不足の原因
化血研が製造停止
熊本市のワクチン製造メーカー「化学及血清療法研究所」(化血研)は、2016年1月に国から業務停止命令を受けました。
国の承認とは違う方法でワクチンを製造していたためです。
悪いことは重なるもので、2016年4月の熊本地震で、化血研の建物が被災。ワクチンの生産が出来なくなりました。
化血研ではそれまで日本脳炎ワクチン、4種混合ワクチン、B型肝炎ワクチン、A型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチンなどを生産していましたが、今でも製造・出荷ができていません。
日本脳炎ワクチンのシェアは4割近くあったため影響は重大です。
需要の拡大
2009年、2011年に1歳児が、2015年に0歳児が日本脳炎を発症しました。
このため標準3歳からだったワクチンの接種時期を、生後6ヶ月からに早める自治体や医療機関が増えました。
また北海道では、2015年度末までは日本脳炎ワクチン接種を行わなくてもよい地域とされていましたが、住民が道外へ行き来することが増えたことなどから、定期予防接種になりました。
以上のように、化血研の製造停止と需要の拡大が不足の原因です。
化血研の製造再開の見通しは立っていない一方、需要は拡大したままです。
場合によっては再入荷まで1~2年かかるのではないかという懸念も出ています。