2017.3.4(土)秩父のあずま屋山へ

前回 山へ行ったあとの一ヶ月間はほんとうに辛かった
母の大腿骨頭置換手術は成功したのだけど、その後のリハビリが進まない
足先に触れるだけで「痛い」と言う母
そんなに痛くはないはず どうやら意識の問題らしい
早くリハビリに取り掛からないと どんどん歩ける日は遠ざかる
焦っているのはまわりだけ
一生懸命励ましたりおだてたりしてみても
本人が”立とう”とやる気を起こしてくれない限りは何もできない

入院時は病院側も「認知症があっても大丈夫ですよ」と言って優しく対処してくれていたけど、
「意思の疎通がとれません」
術後のリハビリが進まなくなった辺りから、困ってる風な対応に変わった
だから最初にことわったじゃないですか
もちろんこちらも任せきりしかできないから文句も言えない
毎日、リハビリの時間に付き添うなんて仕事辞めなきゃ無理なんだから
追い打ちをかけるように
「術後4週間目からは個室ベットに移ってもらいますので一日につき¥21,600になります」
「?」
「入院時に説明しましたよね?」
・・・聞いてないと思うけど・・・聞き漏らしたのか
どちらにしても月のベット代に70万って何?
もともとよちよち歩きしかできなかった高齢者が、
手術して1ヶ月で歩けるようになるなんて夢みたいな話だったんだね
結局出て行けってことなんだね
知識のないこちらがいけないんだよね

その頃ベット上で動けず寝たきりの母にも異変が起き始めていた
手術前は「リハビリ頑張る」って言ってたけど、
手術後は食欲もなくなり、顔つきが変わってきた
どうしてここにいるの?いつかえれるの?早く家に帰りたいよ
そればかり
ごめん
抱きかかえて動かせるなら連れて帰ってあげられるのに
私ひとりでは10センチ動かすことすら出来ない

転院先を探して右往左往する毎日
我が家の担当ケママネさんはテキパキと頼れる女性で本当にありがたい
色んな選択肢を与えてくれる
でも直接動かなければならないのは私、それはルール
ひとつのことを決めるのにも家族の同意なしでは進められない
転院先だってどこでもいい訳じゃないし 面接もある
一度の電話じゃ何も進まない
仕事の合間をぬって日に何度も電話やメール、LINEでの会話
会社も人手不足でギリギリやってるからそうそう休めないし忙しいし
疲れた体にムチ打って会社帰りに病院に行けば、母の様子も日々変化して
辛そうなその姿を見ては一喜一憂してしまう

あぁ、今日も疲れた、なんだかもう息苦しい 身体が痛い
毎日あーでもないこーでもないって
もう誰とも話したくない
どこか一人になれるところでゆっくり眠りたい
でも 逃げ出すことはできない
生きる気力を失いかけている母を励ましたい
以前と同じように 優しい母の笑顔が見たい
ただその気持ちだけが私を動かしている
張りつめていなかったら
全部崩れてしまう気がした

何か少しでも良い方向に進めたい
必死過ぎたのか 私も精神的にちょっと鬱気味になってきて
ただ目の前の事をこなすだけで心にも余裕がなくなっていった
目途のついた転院先の返事を待つ間、急激に母の様子が悪化した
家に帰りたい、と泣くようになり
視線も泳ぐようになっていた
廃用症候群という症状のようだった
これはまずい、このままだと母が壊れちゃう、そんな不安が覆いかぶさった
転院先の返事は一週間先? それまでこの状況で耐えられる?
いや、1週間先まで待てない
一刻も早くここを出なければ
切羽詰まった私の訴えを、ケアマネさんが敏感に感じ取りすぐに動いて
就業時間が終わっていたにもかかわらず、1時間も経たないうちに折り返し電話をくれ
「ショートの受け入れ先決まりました、その先はまた考えましょう」
涙が出た

ベットの空きが1週間なので期限付きで母を病院からショートステイ先へ移動
ショートステイは通いなれたデイサービスと同系列のところなので
母の事を知ってくれている人もいて安心できる
ずっと寝たきりだった母は介護タクシーで30分の移動だけでも辛そうだったが
老人介護に特化した施設は病院と違って対応が適格
やっぱり無理言ってでも病院から出てよかったと思った

ショートステイ中に次の転院先から入所OKの返事をもらい、
ちょっと家から遠くなったけど3か月間の居場所が決まった
介護老人保健施設はリハビリもやってくれるし、理容から歯の治療まで
スタッフの方は皆明るくて親切で頼りになる
こんなに大変な仕事なのに、いつも一生懸命で頭が下がる
国はもっと介護士の待遇を上げるべきだと心から思う

術後3ヶ月 いまだに立ち上がることすら出来ないけど
施設のケアのおかげで精神的にも安定し、寝返りも打てるようになり、
眉間にしわを寄せることもなくなってきた母
面会に行けば笑顔も出るようになり、私の心もだいぶ落ち着いてきた
といってもここも3ヶ月で転院しなければいけない
同時に次の居場所探しが始まった

ここ数年、母のお世話をしながら暮らせる日々をとても幸せに感じていた日常が
一瞬で変わってしまった、戸惑いだらけの3ヶ月だった
ようやく一息ついて我に返ってみたら
これはいつか必ず訪れる
サヨウナラの準備なんだ、と気づいた
節分草と蝋梅と福寿草
貴重な花を見にきたはずなのに 花はちっとも目に留まらなくて
母と一緒に散歩していた頃に見た 道端のタンポポばかりに目がいった

近くまで来ているのに、そうなってみないとわからないのが介護ですね。
cyu2さんにも、お母さまにも穏やかな毎日
が続きますように。
サヨウナラの準備なんだ、
まさに、その通りですよね。
子供のころは夢がいっぱいだった。
人生は悲しいものなんだと
つくづく感じたのはいつ頃からだったか。
覚悟して、だからなおさら今を大事にしていかなくてはと思います。
気持ちがツライと、体も辛くなる。
体調崩さないようにね。
そうなんですよね~頭では分かっていてもその時が来るまで実感として湧かないものですよね。
今回ずいぶん勉強になりました、そして私が兄と姉に教えるんです、なんでやねん(^_^;)
高齢者が寝たきりになると、階段を転げおちるように目に見えて悪くなりますね。
動ける機能もどんどん動かなくなる。
転院を促されて頭に来て良かったです、あのまま変化に気づかなければ完全に寝たきりになるところでした。
わらさんのご両親はご健在ですか?
緩やかに老いて行って欲しいですね。
おっしゃる通りです、頭では分かっていても無我夢中でやって、
ふと我に帰れば、そうか、諦めなきゃいけないってことなんだな、と思い出しました。
父の時は病気発覚から3ヶ月と言う短い時間であっという間に逝ってしまったので、
その時よりはまだ時間があります。
共に過ごすせる時間を大切にしたいと思います、
ありがとうございます。
じつはウチの母も2月に転んで手首を骨折、
腰も圧迫骨折したんです。
手首はすぐ手術して腰はコルセットで自然に
治るのを待っています。
入院中は記憶力がおかしくなったみたいで
同じことばかり言ったり、覚えてなかったり
ボケ始めたかとすごく不安になりました。
会社を早退してお見舞いに行って、帰って家事をして。
さらに私も流産したりなんかして。
毎日が叫びだしたくなるくらいしんどかったです。
cyu2さんの追い詰められて行く苦しさが、ウチの母の
病状はずっと軽いけど、それでも辛さとか不安とか
自分のことのようで涙がでました。
わたしは友達がケアマネの仕事をしてて、
一人暮らしの母の将来を心配したときに
どんどんプロに頼るべきだよ!なんとかなるよ!と
言ってもらえて安心しました。
cyu2さんにも頼りになる人がいてよかったと思います。
吐き出して手を差し伸べてくれる人がいれば少し救われますよね。
早くcyu2家に明るさが戻りますように。
生意気な文章&私事ばっか書き散らしてすみません。
お母様も大変でしたね、入院すると変化してしまうことありますよね。
やっぱり日常と違うのとか、筋力が衰えるとか色々あるけど、我が家では手術後も脱臼しないように固定され寝たきりだったので、排泄もトイレに行かせてもらえなかったのでそれがかなりまずかったように思います。
くっきーさんも残念なことで辛かったですね、叫びたくなるほどつらいの、良くわかります。
今は少し落ち着きましたか?
きっとまたチャンスがきますよ、元気出してね。
ホント、プロの方はやっぱり頼れますね、全然違う。
対応見てて勉強になりました。
甘やかしてばかりも良くないな、って(笑)
我が家はだいぶ元気になりましたよ、ありがとう~
毎日を大切に生きていきたいですね(*´∀`*)
ちょっとほっとしています。
介護のことは他人ごとではないです。
書いてくださってありがとう。
ほんとに、毎日を大切に生きてゆきたいですね。
覚悟はしていたものの
「忙」に追われまくりでした
心を亡くす「忙」
よくないね・・・
そんなときのぞむさんから
こちらの記事?の連絡を受けました。
みんな同じ気持ち
みんな理解しているんだな
と思い、俺も心強くなりました
がんばれ親父!
と自分の父にもエールを送ってます
心を亡くすと書いて「忘」もそうですね
でも
cyu2さんが山歩きを忘れてないように
どんなに忙しくても
お母様のことを忘れてないように
がんばります
それにしても
ホント写真もだけど
文章も美しいな・・・
あ、他にも美しいところはいっぱいですよね
今回の件は書く気は全くなかったのに、なぜかふと、このままblog放置はいけない!内に篭ってはいけない!
と思った翌日から一気に書きまくりました(笑)
どうでもいい話を長々すいません。
施設に移る直前に、持ち物のすべてに名前を、しかも縫い付けで所定の位置に(靴下まで)と指定された時が辛かった(笑)間に合わせないと!と必死で何枚縫い付けた事か。
かあさんは夜なべをして~~という歌が浮かんできました。
保育園と同じ感じですかね(*´∀`*)
のぞむさん、ご無沙汰してます(笑)
良い友人ですね(笑)
忙しいとホント、心なくしますね。冷静になれたらいいな、と思うのですが、
性格は早々治るものではありませんよね、喘いで喘いで・・・自分が納得できるまではどちらにしても苦しいというか。
食うかいさんのリップサービスを
「またぁーー、もう!」
と言えるような平和な日々が明日からも続きますように。