カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

涼を求めて乗鞍岳

2012-07-30 | ヤマのこと

2012.7.29(日)初めての乗鞍岳へ行ってきました。

28日の土曜日は私だけ出勤。私が仕事の週末はのサイクルで悔しさ爆発寸前。
本当は家事する予定だったけど、気温35度の都内にいても暑いだけだもん、行ってしまえ!
と仕事を終え、夜行バスに乗り「平湯」へ。

新宿からのバスは3:15に平湯に到着、ほっ。
3:30発の畳平行きのバスの接続に間に合った。これに間に合わないと5:30までバスがないんだもの。
3時間しか寝てない?のでぼーっとしたままバスに乗り替えました。
(今日はシャトルバスに乗れるのか・・・むふふ、一歩進んだぞ)


真っ暗闇のなか、次の朴ノ木平バス停からごっそり乗ってきてバスは2台?
補助席も使ってパンパンで畳平バスターミナルへ。
ほとんどの人は手前の「ご来光ポイント」とやらで下車。
私たちは灼熱の新宿から素足にサンダルで乗ってきて、
眠った頭のままバスに乗り換えて来たので何の準備も出来ていなかった為、そのままバスターミナルへ。
やる気満々の皆さんにすっかり乗り遅れてしまいました(笑)


 
4:30、バスは終点到着。ゆるゆるな我らは顔を洗ったり、朝食を取ったり。
なんと、ここの気温は10度!寒いわけだ!つい5時間ほど前の気温と20度以上違う。
寒いなんてシアワセですね。5:30、寝ぼけ眼のままゆるっとスタートです。



  
お花畑はまだ日が当らないので帰りにしよう、と先へ進むとすぐに「コロナ観測所」
おーっ、これがよく写真で見た・・・なんか昭和のJAPAN映画に出てきそうな。
そして車道を道なりに進むと、前方に見えてきたのが山頂かなぁ?


 
「肩の小屋」到着。ここは涼しくて最高でしょうね!ここに泊まれば星が凄そう。
小屋の先に目指す「剣ヶ峰」登山口がありました。



傾斜はゆるーーいんですけど、寝ぼけたカラダには辛い登り
でもキーン、と冷たい朝の空気がとても気持ちよい。山頂はすぐそこなのでゆっくり登っていきました。



だって上を見上げれば青空ですよ急いで歩いたらもったいない!
真っ青な空を山で見るのは5月以来なんですもの、もうそれだけで嬉しくてニヤニヤ



こうして見るとホントに富士山みたいなんですけど~(ラクチンな)
人気のお山なんですね、ぞろぞろ山頂を目指すのも富士山みたいです。


 
蚕玉岳に着くと人が一杯立ち止まって手を振ってる・・・あ!ブロッケンもどき?
本当に刻々と変るので上手く写真が撮れなかったのですが、
こんな風になるんだー、と体験だけは出来たので、いつかまたチャンスがあればいいなぁ。


 
山頂直下、混雑時は一方通行だそうです。
団体さんの列に入り、頂上小屋の脇を通ると”ここでしか売っていない山バッチ”の誘惑に声をかけられる。
なんと¥1000もするのですが、ここに2度はないだろうと思って大奮発購入手拭も千円也。
(結局この後、乗鞍本宮奥宮でもバッチ買ったんですが・・・)


 
山頂見えたよ~~~
山頂着いたよ~~~


 
ご覧の通り剣ヶ峰・3025mに着いたとたんにガスにまかれましたとさ・・・


という訳で今回も爽やかな写真はとれず


しばらく待ってみたのですが、じっとしていると寒いし、ガスが晴れそうもないので諦めて下山します。



・・・・山頂を後に蚕玉岳まで来るとガスが晴れた やっぱり私はガス女か・・・


 
山頂まで戻っても15分くらいなのですが、どうせ私が戻ったらまたガスでしょう・・・行かない。
今日は見渡す限り雲ばかりで見たかった北アルプスの遠景は見えないので諦め、
岩に腰掛け、しばらくぼーっと山の空気を楽しんでから降りていきました。



帰り道、ロープの向こうになんと雷鳥サンの番いがやったー
会えるなんて思わなかったから、嬉しくて姿が見えなくなるまで眺めてました。


 
そうそう、ここでもたくさんの高山植物に会うことが出来ました。コケモモ、ハクサンイチゲ・・・


  
イワツメグサ・ウサギギク・ヨツバシオガマ


  
コイワカガミ・ミヤマキンポウゲ・アオノツガザクラ・・・紫のは?


 
シノノオトギリ・ミヤマダイコンソウ


 
ミヤマダイコンソウのお花畑・チングルマ、ほかにもイワギキョウやショウジョウバカマなど・・・



コマクサの株が大きくてりっぱなのがたくさんありました。
やっぱりコマクサは女王様だわ~会えるとすごく嬉しい。一番好きな高山植物かも知れない



 
肩の小屋まで降りてきたらぐんぐん上がってきていたガスが更にひどくなり、
振り返ると剣ヶ峰方面は見えなくなっていました。雪渓をスキーで滑っている人も多かったです。

「富士見岳」経由で畳平へ戻ります。



もう一度お花畑に戻った頃には、あたり一面ガスだらけに・・・


 
咲き残っていたチングルマの花、黒百合サンも開きかけてはくれたのですが・・・残念、時間切れです。



9:50、またシャトルバスに乗り、平湯バスターミナルへと戻りました。


 
平湯ではバスの待ち合わせ時間に念願のターミナル4F「スカイガーデン」の温泉へ。
露天風呂もあり、褐色の良いお湯で大大満足♪しかもキャンペーン中300円。
露天風呂に入っても暑くないなんて、平湯に住んでる方が下界に降りてきたら暮らせないだろうな・・・
なんて考えながら、湯上りに飛騨牛コロッケ&饅頭&ビールの昼食で、松本行きのバスに乗りました。


移動時間:往復約11時間  滞在時間:約6時間 交通費:2人で¥29,560
大忙しな「乗鞍岳リベンジワンディハイク」でしたが、涼んで山の美味しい空気感じて気分爽快
無理やりでも行って良かった



☆ちなみに過去の贅沢高原散策はこちら。 


おしまい。


【交通】新宿高速バスターミナル23:00(¥5700)→平湯温泉バスターミナル3:15 3:30→畳平4:30(往復¥2200)
畳平9:50→平湯10:50  平湯12:05→松本13:40(¥2380) 松本14:49→新宿17:30頃(あずさ¥4500)



かげ信小屋

2012-07-25 | ヤマのこと

2012.7.22(日)この週末も雨。夜行バス予約をキャンセルし高尾へ。

 
この日はとても7月とは思えない肌寒い日、気温20度ほどの高尾へ6号路から登り、
奥高尾を進んでいきます。



  
ヤブミョウガ             ヤマホトトギス             ジャノヒゲ
本当はお目当ての花があったのだけれど、まったく見つけることが出来ず。
 


 
タマアジサイ                    ダイコンソウ?  


  
オオバジャノヒゲ            ウツボグサ           ミソハギ?

  
山百合               オオバギボウシ             ?キク 

 
タカトウダイ?                       オカトラノオ


更にガスが濃くなった頃、景信山に着きました。



 
近頃はあちこちの雑誌や本に取り上げられて、すっかり有名になった「かげ信小屋」
だけど本人たちはそんなこと関係なく、
「これはアザミ、これはハコベ、これはウチで育てている青紫蘇、これはこの時期の山菜の王様だよ」
と以前と変らず一言添えながら、手際良く揚げてくれる。

この山はみんなの憩いの山。いつも優しく迎えてくれてありがとう。


  
りーちゃん、ゲンちゃん、又来るね。バイバイ。

17回目の景信山でした。




苦しいときの神頼み

2012-07-21 | オデカケ

雨雨雨・・・梅雨が明けても

私が出かけられる土日に雨、のサイクルが始まって早2ヶ月・・・
このまま続いたら、夏らしい山にはお目にかかれないかもしれない・・・
どこかでこの悪いサイクルを断ち切りたい

と、ふと思い出したのが、会社開催のイベントでどうしても晴れて欲しい時に、
上司が(笑)行ってた「気象神社」というのが近くにあったはず。

私自身がお払い受けたい気分では合ったけど、とにかく神頼みだ!と出かけてきました。




「気象神社」はこちらの「氷川神社」の一角にあります。



ふむふむ。日本ではここだけとか。どんな神様がいらっしゃるのでしょうか。

そして導かれるように鳥居の先へ進んでいくと・・・


  
おおっ!ありました!後光が差しているような
どうか気象の神様、私の雨オンナっぷりをここで断ち切らせてくださいませ お願いします


  
しっかりお願いした後は、やはり何か形になるものが欲しいと社務所へ。
お札、お守り、絵馬とありましたのでとりあえず大人買いで全部購入。



神社に奉納された絵馬には・・・うんうん、そうですよね、気象神社ですもの。正しい願い事です。



はいはい、やはり私のような方もいらっしゃいますね。
ええ、全く同じ思いでございます。毎週とは言いません、せめて「ここぞ」という時に・・・


ということで、日本全国3000万人(?)の山ノボラーの皆さんの思いも一緒にお願いしてきましたよー



そしてまたまた来た道を自転車に乗り家まで帰ると、
なんと家に入ったとたんに雨が降って来たではないですか


さっそくご利益があったのでしょうか 今後に超期待



>>気象神社




初めての北岳は雨

2012-07-16 | ヤマのこと

2012.7.14(土)-15(日) 北岳に行ってきました。

この三連休は普段3日ないと行きづらいところへ行こうと、日本海側、新潟、長野県北部、
と3つの場所を予定していた。

・・・が、天気予報が良くない。

どのエリアも天気じゃないと行きたくないところだったので、ギリギリまで悩んだ結果、
一番天気予報が良さそうな山梨県あたりで行ってないところ・・・「北岳」が急浮上。
ということで突然A~Cまでのパターンを全部白紙にし、土曜日の朝あずさに乗りました。

 
コースを考えたのですが、どう足掻いても私の足でテント装備で稜線まで行くのは無理。
と悩んでいたところ、山友のJちゃんから「白根御池小屋のテン場は最高ですよ」との情報。
そっか、それなら私にも行けそうだ!と初日は白根御池小屋までの約3時間。

こんなのんびり出発はそんなにいないだろう、と思ったらいるはいるはいるは・・・さすが三連休初日。
甲府駅9:00発の広河原行きのバスは30分遅れて9:40頃4台で出発しました。

大混雑の中、12時ちょっと前、ようやくバスは広河原へ。
ああ、懐かしいな。
まだ山歩きひよっこだった頃北沢峠目指して早朝きて、移動だけでヨレヨレになった私の目に映った、
北岳に行くデカザックの山やさんの迫力。「私には遠い世界」と思ってたあの日を思い出しました。


 
多分北岳が見えるであろうスタート地点ではご覧のように雲の中。
この日の予報は曇り&小雨、でも日曜日は曇り&晴れ。
明日の回復を祈りながら写真でしか見たことのなかった、アチラ側、への橋を渡りました。
ついたときは寒かったけど、歩き出して15分でもう汗ビッショリです。


 
今年は山に行ける日に天気が悪くて、GWに1時間背負っただけのほぼ今年初めてのテント泊ザック。
重くて辛くて写真などほとんど撮れず、後から来る人にどんどん抜かれていきました。
ようやく急登が終わったと思ったら、ここから30分で小屋だって、ほっ。
夜叉神から南御室への道に雰囲気が似てるな、と思いました。

 
やった!橋から約2時間10分、ようやく白根御池小屋テント場に着きました!
もう張るスペースがないくらい混んでいまして・・・50くらいは合ったのでしょうか?
それでも小屋の前の小高いところにスペースをみつけ、我が家完了。


 
いやもう、ホントにこのテント場は素晴らしい!
南アルプスの手がしびれるほど冷たいの天然水がジャバジャバでていて、しかも使いたい放題。美味しい!
トイレは(テントの人も)水洗、小屋の人も親切でとにかくキレイ!ビールはヒエヒエ(¥500)ジュース(¥400)
なんでもあり、でまずは生ビール(¥800)でしょ!



小屋のテラスからは鳳凰三山が眺められて、気分は最高ですよ♪

 
  
さて、明日は早いので早速夕飯の支度(ダンナが)
小屋前のお花(ミヤマハナシノブ?)を眺めながら、今日はお豆のアボカドヨーグルトサラダ&カレー焼きそば。

大勢の人がいるはずなのに、テント場は静かで(たまたま?)とても快適。
早々に眠りに入ったのですが、雨の音が・・・
ふったり止んだりを繰り返していました。


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2012.7.15(日)
明け方まで降っていた雨も止んだ、今日は北岳ピストンして戻ってくる予定。
やっぱりモタモタしてしまい、5:30ようやく出発。


 
八本歯目指してまずは二俣まで。
おお、雪渓が見えました。と・こ・ろ・が・・・。



八本歯方面への雪渓通過ポイントが解らない
道標はこの上を指している?たまたまこの時間帯に居た2組は道標の通りあがっていく。
ここを少し上がれば雪渓を渡るポイントでもあるのかな?とよく解らないまま進んで・・



やっぱりどう考えてもこれって右俣コースだよね・・・
(こんな時に限ってGPS不具合で動かず)



でも自分でルートを見出せない程度のレベルなんだから、八本歯はアナタには無理だよ、ってことだったのね。
と変なところで納得して諦め、とにかく山頂を目指そうと進んでいきます。


 
天気よくなるどころか・・・ちょっと嫌な感じになってきてますけど・・・


 
小さい雪田を渡り、ちらほらお花が増えてきたな~と思ったら急に賑やかな声が。
草すべりの分岐に到着しました。


 
タカネヤハズハハコ(?)やイワカガミ
お花も増えてきましたが・・・



風も強くなり、小太郎分岐のあたりまで来るとゴウゴウと音が。
慌ててカッパの上を着て、進んでいきました。


  
すれ違いで待ってると風が痛いよーー!


 
ココハドコ?ナントイウオヤマ?



全くどこを歩いているのか解らないまま、前方にテントが見えた。肩の小屋到着。
ここがウワサのテント場ですか・・・やっぱりすごい
この強風の中でテント張るんだから、軟弱な私には到底無理。やっぱり南アは本気度が違うな、と思いました。



何度も写真だけ見ていた肩の小屋。ここから山頂まで約50分。
さらに雨と風が強そうなので、全身カッパ装備にし、ピークを目指します。


そして、強風に絶え、雨粒に耐え、(写真撮る元気ナシ)アップダウンし、
ただただピークを目指して進むと・・・



見えた・・・北岳山頂。


 
先ほどまでの強風は、不思議と山頂付近だけ穏やか。
日本第二位の3193m、どんなルートであろうとも一応ここがピーク。
こんな天気でもたくさんの人が訪れる北岳山頂、何も見えない悔し紛れに山名盤持ったりして(笑)




一応がんばったもんね、担いできた「suntory オールフリー」で登頂の乾杯~


 
だってオールフリーの元は南アルプス天然水ですから♪
3193mの一本は、雨だって格別です!!



待ってみたところで何も見えそうにもないので、下山です。
こんな高所でしがみ付いて咲く花たちに、また元気をもらいました。



ホントはここ、素晴らしいお花畑なんですよね。


 
強風に揺れながら、一面に咲くハクサンイチゲのなんて愛らしいこと。


 
クモマナズナ?ピンクはコケモモかな?


 
キバナシャクナゲ、アオノツガザクラ?



イワウメ、オヤマノエンドウさん・・・


 
初見のチョウノスケソウさん、いっぱいいっぱい咲いていたハクサンイチゲ


 
肩の小屋に戻ってきて一息。
いつか来たかった、多分父も見ただろうこの風景(亡くなってから若い頃の写真を見て山登りをしていた事をしった)
キタダケソウは見れなかったけど、ここに立てただけ、お花を見れただけでも幸せだったかな。



肩の小屋を後にしたら、お約束通り風も穏やかになり、だんだんガスも取れ、
登りのときは近くしか見えなかったシナノキンバイのお花畑。



ここのお花畑は本当に見事だったーーー。

となんとなくガスの取れてきた景色、山頂に後ろ髪引かれながら下りてきたら・・・





あらら?? なんとビックリ、こんな方や・・・



あんな方にバッタリ。信じられない


天気の回復を待って、1日ずらして入山したという(別々の)お二人。
稜線で迎えた朝はどんなだったのでしょう?景色はお二人に託してさようならです。レポ楽しみです




草すべり方面に下りてきたら、今朝解らなかった八本歯へ向かうルートに人の列。
そうか、そうやって雪渓をずっと歩いて登るんだ。今頃知りました、勉強不足の自分を恥じましたが(汗)
これでよかったのでしょう。

御池が見えてからもなかなかつかない草すべり。
小屋の人がこのルートのピストンを進めていたけど、登りはなかなかしんどそうです。


  
カッパを脱ぐタイミングを失って、汗かきながらテント場へ。
ただいま===3



 
ホントは今日晴れのはずだったけど・・・終わったことは仕方ない。
下山してきたら絶対に食べようと思っていたソフトクリーム(白桃¥500)でオツカレ!
ほてったカラダに最高のご馳走でした



 
最終のバスに乗り遅れたら大変。テントを撤収して急ぎ足で下山です。


 
下ってみて改めて思うけど・・・段差が大きくてしんどかったね、この登り。
ここを一気に稜線まで歩き通せる力を持ってる方、本当にすごいや。


 
ノンストップでぐいぐい下って・・・


 
昨日通った「広河原山荘」到着。
途中で富士山の帰りみたいに足を引きずった人々を何人も見たけど。
ここまで疲れたけどちゃんと降りてこれたことに感謝しなくちゃですね。

バスの時間まで1時間以上あるので、先に調べておいたシャワー室お借りして二日間の汗をサッパリ。
甲州と言えば@鳥モツ 生ビールで乾杯して初めての北岳を終えました。


ガスで全く何も見えなかった北岳。正直どんな山を登ったのか?さっぱり解らないままだったので、
なんだか不完全燃焼・・・やっぱり日本最大の稜線を五感で感じたかったし、この眼で見たかったな。



またいつか、かな。



おしまい。


【行程】1日目:新宿6:30(あずさ)→甲府駅8:00~9:40→広河原ゲート12:15→御池小屋14:20
    2日目:御池小屋5:30→草すべり分岐7:30→肩の小屋8:30→北岳山頂9:20~9:40
       →御池小屋12:30~13:35→広河原山荘15:20→甲府駅行きバス16:40→18:40甲府駅






まさに南アルプス天然水♪

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ふるさとの山歩き・早池峰山

2012-07-10 | ヤマのこと

2012.7.7(土)やっと念願の早池峰山へ。

数年前から計画しては消え、を繰り返していた早池峰山。
ダンナの実家の帰省途中に河原の坊~門馬へ降り、宮古駅へ抜けるプランで予定していたが、
雨じゃヤダー、とか中止にしていたら、昨年の大震災の津波で宮古駅から実家への足、線路流出。
現在は代替バスもあるけれど本数はわずか。実現厳しい企画となってしまった。
あの時、行っておけばよかった・・・と昨年からずっと後悔していた。

今回も天気予報は徐々に悪くなり雨、翌週でも良かったけれど翌週に天気になる保障はない。
今行かなければ・・・次という日が本当に来るのか?機会を逃したらまた後悔するかも。
なんだか今まで後回しにしていたことがとても後ろめたいような気持ちになり、
今年は台風でなければ雨でも行く、と決めていたのでした。

金曜日の夜23:40、盛岡行きの夜行バスに乗りこみ6:30、盛岡駅到着。
天気予報は午前中雨、午後から日曜日は曇に、信じるしかない。


 
盛岡駅7:10発の季節運行「早池峰登山バス」に乗った時はしっかり雨、嫌な予感・・・
今回登山口に着いたとき雨だったら小田越からのピストン(花優先&1本しかないバスの時間までに戻れるか不安)
と決めていたので、河原の坊バス停はパスし、終点の小田越まで乗っていった。
乗客の9人のうち半分が河原の坊で下車した。


 
8:50、登山口に到着したときは横殴りの雨。
河原の坊はビジターセンターがあるらしいけど、こちらは仮設トイレと簡易テーブルと日よけ(雨よけ?)があるのみ。
雨宿りするスペースなどない。
販売中の携帯トイレを購入し、身支度をしていると次々に敗退してきた方々が集まってくる。
「雨と強風で諦めて降りてきた」と言う・・・

でもさすがに東京から今着いたばかりで帰る訳には行かない。
帰るにしても6時間後までバスはないし(笑)
第一目的の”ハヤチネウスユキソウ”だけでもひと目会いたい。
無理だったら戻ればいい、行ける所までは行こう、と9:15、出発。


 
最初は木道、その後は緩やかな登山道。
沢のようになった登山道をやや不安な気持ちで歩いていった。


 
?   エンレイソウ

 
ハハコ系?   オトギリソウ系?

 
登山道脇では”モミジカラマツ(紅葉唐松)?”がたくさん咲いていました。
お花に励まされながら進んでいくと、あっという間に樹林帯は終わり・・・



登山口で土砂降りだった雨が、少し止んできたかも



ここ早池峰山は主に”蛇紋岩(じゃもん)”で構成されている山。”至仏山”等と同じです。
蛇紋岩は植物の生長を妨げるマグネシウムが多く含まれているため、
同地域の他の山とは一風異なった植物景観が発達するらしいです。

一合目、と書いてありますが・・・何も見えないので分かりません。
足元をキョロキョロしながら進んでいくと・・・



 
あった!”ナンブトラノオ(南部虎の尾・タデ科)”早池峰山固有種。
淡いピンクがなんて可愛らしいのでしょう

ちなみに早池峰山は1917m、北上山地の最高峰。
標高1,300メートル以上の全域が、特別天然記念物に指定されている国定公園です。




足元に次々現れるお花たち。
ミヤマアズマギク(深山東菊)とキンロバイ(金露梅) ミヤマオダマキ(深山苧環)


 
チングルマ果穂&岩手くん看板。


 
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)と・・・あった!会えた念願の
”ハヤチネウスユキソウ(早池峰薄雪草)キク科” 早池峰山固有種。



もうこの子に会えたから帰ってもいいや、と内心思ってた


 
この頃は幸い雨は止んだのですが、ガス、そして風が強くなってきて・・・



10:50、ウワサの”五合目・お金蔵”到着。



 
何がウワサかって、すれ違う人々に「五合目から引き返してきた」「五合目から上はもっと強風だよ」
と脅かされながらやってきたからです。
うーん、なるほど風が強い。岩陰で風をよけ、今後について相談しますが・・・



雨が止んだだけましでしょう、当然進む、ということに。
だって、足元にはこんなにお花たちがたくさん咲いているんだもん、上に行ったら何が咲いてるか気になる!


 
でも歩き出せばやっぱりこの風はなかなかしんどい。
時折息が出来ないほどの強い風にあおられ、汗をかいているからカッパの中も外も全身びしょびしょ、
立ち止まると寒い。
視界がほとんどきかない中、唯一の楽しみは足元のお花だけ。



イワベンケイ (岩弁慶)?


 
コメバツガザクラ(栂桜)?  チシマフウロ(千島風露)


 
赤い葉っぱは?   ミヤマキンバイ(深山金梅)

 
ナンブイヌナズナ(南部犬薺・本州では早池峰山だけ)?  ミヤマシオガマ(深山塩釜)

私は強風が辛くて写真も撮らず、もくもくと進んで行きました(この辺り写真はダンナ撮影)




するとガスの中から前方に金属のようなものが見えて・・・


 
これが例の梯子 よし!ここまで来たと言うことは山頂が近い?
がんばれワタシ


 
幸い梯子を登っている間は無風状態でクリア、さらに進むとなにやら道標が見え・・・
”御田植場(おたうえば)”らしきところに到着。


 
木道脇にはコバイケイソウ、イワカガミ


 
ミツバオウレン?   ハクサンチドリ(白山千鳥)


 
だいぶギリギリな感じの咲き残りチングルマ、イワカガミ・・・



以前予定していた”門馬”分岐に到着。
ロープがはってあり、よく読むと橋の崩落?かなにかで通行止めらしいです。
もともとこちらを歩く人は少なそうですもんね・・・でもなんか残念。


 
何の花~?


 
岩にびっしりチングルマ。シラビソの球果。


  
白い花は? きっとこの辺りはお花畑なんでしょうね。近くの花しか見えないのですが。


 
11:50視界が悪い為、ふと気づくと目の前に避難小屋がにょっと現れ、その奥にようやく山頂が

やったー!悪天候の中、ここまで導いてくれてありがとう、早池峰山!
思い続けた頂に立てたシアワセを噛み締め・・・る間もなく写真だけ撮ってそそくさと避難小屋の中へ。
ガスと強風で寒くてじっとしてなどいられなかったのです。寒いはずです、山頂の気温5度。


帰ってから調べたので大事な”開慶水”を見るのを忘れてしまったのですが(汗)
山名の由来は諸説あるようで、山頂の”開慶水”という霊池は、
観音経を唱えればどんな干ばつでもたちまちにして冷水が湧き出て常に枯れることがない、
と伝えられ、早く水が湧く池がある峰だから「早池峰」説ほか、
早池(ハヤチ)の語源のハヤチとは、疾風の意で、「風の吹き出す峰」ということ。(だから風が強い?)
『遠野物語』では、山頂付近で大きな風袋を持った男たちを見かけたという伝承があるそうです。


 
避難小屋に入ると満員御礼。カメラのレンズのくもりが取れないほどの湿気&熱気。
狭いスペース、譲り合って座りますが外に比べたら天国で、避難小屋のありがたさを感じました。
オールフリーを持ってきてたけど、とても外でザックから出せる状況ではなかったのと、
小屋の中でオーバーアクションなど出来ないので静かに登頂の乾杯。

こんな天気でも次から次から入ってくる方たちの為に、
体が乾く間もなくささっと昼食を済ませて場所を開けました。

滞在時間 約20分・・・ ホントは山頂から岩手山が見たかったなぁ・・・




展望もなく寒いので降りるしかありません、ピストンなので来た道を戻るだけです。
(河原の坊への悪天候時下山はなるべくなら控える様に、とのこと)
さっきの強風を考えるとこれ以上ひどくならないうちに五合目をクリアしたい。



写真も撮らずもくもく進み、梯子場を過ぎると・・・



写真で見るとまだ真っ白ですが、これでもずいぶん明るくなってきました。
風もだいぶおさまり、ガスも切れてきてほんのり温かさを感じるようになりました。



ようやくカメラをまともに出せるようになりました


 
ナンブイヌナズナ(南部犬薺)  なんの花?


 
ホソバツメクサ(細葉爪草)と ミヤマオダマキとミヤマヤマブキショウマ(深山山吹升麻)?



ガスが薄くなり、花たちも鮮明に見えるようになりました。


 
何度見てもカワイイんです、ナンブトラノオとハヤチネウスユキソウ
この日はナンブトラノオのほうが少なく、ウスユキソウはたくさん咲いていました。



でも、雨の日は雨の日なりの・・・



色んな表情の植物達と出会えるから、やっぱり山は素敵です!



 
(マイヅルソウ  ミヤマツボスミレ?)
そんな素敵な山ともそろそろお別れ。


 
(右:タケシマラン)樹林帯に戻った時には風も雨も止み、すっかり静かな山に戻っていました。


 
ジャンボギンリョウソウに見送られ、14:30、ゴール。お疲れ様でした


 
結果的にはゆっくり花を愛でながら降りてきても、バスの時間に十分間に合いました。
河原の坊コースも今考えれば行けたと思うけど・・・朝の状態ではどうなるか解らなかったのでま、いっか。


山バッチが欲しくて”小田越山荘(係員がいらっしゃるだけ)で聞いてみると、
「峰南荘」にしか置いていないとの事、さすが岩手県、商売っ気ゼロだ

バスの時間までに歩ける距離ではないので、岳駐車場行きのシャトルバスに乗り「峰南荘前」途中下車。


 
(左:河原の坊  右:峰南荘)
ここでバッチを買っているうちに陽が差してきて
下山したら晴れるのはまずいパターン・・・やっぱり雨女かな?今年の私。

峰南荘は宿泊施設らしく食堂があってビールを売っていたのでついつい購入。
盛岡行きのバスが来るまで30分、岩手の大自然の空気を目一杯吸い込み、
いつまでもあの美しい花たちが伸び伸び咲いていられる山であって欲しい、と願いながらバスに乗りました。


雨とガスで全貌を見ることが出来なかったのは残念でしたが、
晴れに日に登ったら絶対感動するだろうなーーー



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この後、新幹線でその日のうちに東京へ戻る事も可能でしたが、ダンナの実家まで帰るのは不可能。
(なぜか盛岡から東京に帰るほうが近い・笑)
復興支援兼ねてやっぱり温泉に入りたいと、盛岡の繋温泉で一泊して行きました。
お湯はじゃばじゃばの源泉掛け流し、湯ノ花たっぷり、つるつるで素晴らしかったです。

散々飲んで食べて翌朝日曜日、部屋のカーテンを開けるとそこには・・・

 
目の前に快晴の空と岩手山・・・八幡平の山々・・
晴れるなんて・・・言ってなかったよね・・・



御所湖の公園から眺める岩手山からの稜線は、2009年に歩いた裏岩手縦走路かな。
わたしにとってあの縦走は一生忘れることのない素晴らしい山歩きだった。
あの日の事を思い出しながら、やっぱり岩手の山って優しくてふるさとを感じさせてくれると再認識。

どうしても一度歩きたかった、歩かなければ気がすまなかった早池峰山。これで少し心が落ち着きました。
まだ見ていないお花もある、景色も。少し時期を変えてまた来よう。
下界の車窓からは拝むことの出来ない早池峰山、もう一度全貌を見てみたいから。
来年以降今度は天気の良い日を狙うぞー、と再訪を誓ったのでした。


おしまい。


【行程】JRバスドリーム盛岡号:池袋23:40→盛岡駅6:30
    早池峰登山バス盛岡駅7:10→小田越バス停8:55
    小田越9:15~早池峰山頂~小田越14:30(お花の写真を撮りながらです)
    峰南荘前バス停15:33(小田越15:12)→盛岡駅16:55


※携帯トイレは河原の坊・小田越登山口で¥300で販売しています。
回収も登山口でしていますので必ず持参しましょう。

早池峰登山バスは6月10日~8月5日の土日祝のみ運行。
それ以外の時期はタクシー会社に予約すれば花巻駅=小田越間 片道約1万円で行ってくれるようです。
(メーターで乗ったら2万円以上かかる距離です)
★盛岡駅と花巻駅から路線バスがそれぞれ1日一往復のみ。
大迫(おおはざま)バスターミナルで石鳥谷駅へのバスはありますが本数はかなり少ない。
大迫~花巻駅間はタクシーで20分くらいの距離。
大迫~登山口まではバスで1時間20分くらいの距離。

※登山口にはなにもないと思ったほうが良いです、全て調達してからバスに乗りましょう。



オールフリーがボケボケ写真だけど、雨でも頑張ったと言うことで一応参加

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