半谷範一の「オレは大したことない奴」日記

B級自動車ライターのカオスな日常

資生堂ギャラリーで、『ブタデスの娘/岩崎宏俊』を観ました。

2024-05-22 18:50:03 | 美術館、展覧会
話は前後してしまうのですが、先日、パナソニック汐留美術館に『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』を観に行ったとき、資生堂ギャラリーにも寄ることにしました。現在、『ブタデスの娘/岩崎宏俊』というちょっと面白そうな展覧会が開催されていたのです。




この展覧会は例の現在は新進アーティストを応援する公募プログラム、"shiseidi art egg 17th" の一環として企画されている展覧会です。一人目である林田真季さんの『Water & Mountains : エコロジーと社会をめぐるワンダーランド』がとても興味深い内容だったこともあり、本当は3人共観たかったのですが、スケジュールが合わなくて野村在さんの作品は観ることができませんでした。残念!。






岩崎さんの作品は、ロトスコープという写真をトレースしてアニメーションを制作するという手法が用いられています。タイトルの『ブタデスの娘』というのは、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスが『博物誌』に記した絵画の起源に関する逸話・・・ギリシャの陶工であるブタテスの娘が、戦地に赴く恋人の影をトレースしてその姿を写し取った・・・に由来しています。




もちろん、ラスコーの壁画の例を挙げるまでもなく絵画の起源はそれより遥か以前であり、現存する最古の絵画はギリシャ時代より遥か以前、4万数千年前に描かれた物であるけれど、絵=像を写し取ろうとする行為の源となる衝動は、その頃からずっと変わっていないのかもしれませんね。







人の記憶は時の経過と共に薄れ、思い出す度に上書きされ、やがてオリジナルとは似て非なる姿へと "改竄" されます。絵画や写真、映像などはそれに抗うための手段の一つに成り得るがと思っていたけれど・・・この展覧会を見ていたら、もしかしたら少し意味合いが違っていたのかな?と思うようになりました。

この展覧会、会期は次の日曜日、5月26日までとなっております。

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