ロックプレート(サイドプレート)の磨きが終わったので、今回はロックの組み立て方について書くことにしましょう。
まず最初に、銃専用のガンスミスドライバーを使用して、ロックにプランジャー、シアー、シアースプリングなどを組み込みます。
次に、前回、ハンマースプリングコンプレッサーを使用して取り外したハンマースプリングを元の位置に戻します。
ロックプレートを裏返し、プランジャーにハンマーを取り付けます。
しかし、この部分にガタがない程度の良い銃の場合、手で押し込んだだけでは完全に奥まで入りません。
こんなとき、ハンマースクリューを取り付けて無理やり締めこんでしまったり、プラスティックハンマーで叩いてしまうような方もいますが、銃の破損や傷が付く原因となるので、あまり推奨できる方法ではありません。それではどうやってハンマーを最後まで押し込むかというと……
……この画像の下側のツール、ハンマープレスを使用します。
プランジャーの裏側には凸部があるので、それをハンマープレスの凹部に合わせるようにしてロックプレートを挟みます。
ハンマーに傷が付かないように、紙などを挟んでおいてから、プレスのハンドルを回します。
はい、出来上がり。当然ですが、ピッタリですね。
こうやって最後まで押し込んでからハンマースクリューを取り付ければ、無理な負担が掛かってネジ山が変形し、緩みやすくなるといったトラブルを減らすことができます。
最後にロックプレートを銃に取り付けたら完成です。
次回は延び延びになっていたドライバーの話か、アリ溝で装着されているリアサイトを取り外すSST(特殊工具)について書こうと思っています。
※注意
古式銃は文化財であり、その修理、修復の範囲に関しては、1989年に文化庁(文化財保護委員会)との間で取り決められた厳格なガイドラインがございます。古式銃のレストア等を行う場合には、決してその範囲を逸脱しないように、くれぐれもご注意下さい。