半谷範一の「オレは大したことない奴」日記

B級自動車ライターのカオスな日常

資生堂ギャラリーで、『Water & Mountains : エコロジーと社会をめぐるワンダーランド/林田真季』を観ました。

2024-02-18 18:00:00 | 美術館、展覧会
ちょっと銀座まで行く用事があったので、カミさんと二人で資生堂ギャラリーに寄りました。現在は新進アーティストを応援する公募プログラム、"shiseidi art egg 17th" の一人目として、林田真季さんの『Water & Mountains : エコロジーと社会をめぐるワンダーランド』が開催されていたのです。




この展覧会は新人の登竜門的なプログラムということもあり、既に私が名前を知っているような方が登場することはまずありませんが、逆に全く予想外の内容を期待できる数少ない展覧会でもあるので、時間の許す限り観に行くようにしています。地下にあるギャラリーへの階段を下りて行くときには、既に知っているアーティストの展覧会を観に行くときとは異なる "ちょっと不安の入り混じった独特の高揚感" を感じることが出来ますね。






今回はゴミや廃棄物といったことがテーマ。こういう作品はある意味投げっぱなしで、観賞する側が自ら考えて自分なりの答えを探るというという形になっているのが一般的です。ある種のモヤモヤを抱えたまま会場を後にし、そのテーマについて考え続ける・・・恐らく作者の意図もそこにあるのでしょう。しかし・・・









イギリスのごみ埋立地、東京の清掃工場の煙突、ゴミであるはずのガラスの破片・・・本来嫌悪すべきネガティブな存在の象徴であるはずのそれらの姿が、何故か私にはむしろ美しく、魅力的な物のように感じられました。恐らくそれは作者の意図するメッセージには反するでしょうし、"世の中から期待される反応" とは真逆なのかもしれませんけど・・・幼い頃、雨の日に道路に広がるオイル漏れの虹を美しいと感じていた私の美的感覚は、今でもそこに留まったままなのでしょう。

醜美を隔てる境界は社会的規範の中に存在するのではなく、私達自身の心の中にある。(by 長山和典)

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