元日銀副総裁・岩田一政氏が、2017年半ばにも国債の買い入れは限界を迎えると言っていますが、去年の見解と変化はないようです。
ただマイナス金利付き量的・質的金融緩和は、次のステップとして金利のマイナス幅を拡大していくと言っています。
岩田元日銀副総裁:国債買い入れ17年央に限界-次はマイナス金利拡大 ブルームバーグ
2017年半ばまでに長期国債の買い入れは限界を迎えるとした上で、日銀の次のステップはマイナス金利の拡大になるとの見方を示した。
物価見通しについて「全体としてインフレ期待が弱まっている」と述べた上で、黒田東彦総裁の任期である2018年4月までに2%物価目標を達成することは「今の景気局面や世界経済情勢を踏まえると、厳しさが増している」と指摘、任期中の達成は困難との見方を示した。
誰が見てもそうでしょう。
日銀は「2017年の前半ごろ」には、コアCPI・2%を達成すると言っているわけですが、岩田氏は2017年前半どころか、黒田日銀総裁の任期終了時の2018年4月になってもコアCPI・2%達成は難しいと予測しています。
内外景気の悪化により期待インフレが一段と低下すれば追加緩和すべきだと主張した。
手段としては、長期国債の買い入れ拡大には「限界がある」ため、現在0.1%のマイナス金利を「将来的にはさらに引き下げることになるだろう」と述べた。
ちなみに最新のブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、下記です。
ソース:財務省
ちなみにこのグラフの日付けを財務省が間違えてますね。
右上では、2015年2月末現在となっていますが、グラフの下の日付けで確認して下さい。
最新ですから2016年2月末現在の間違いです。
財務省もこういった間違いを犯すのですね。
BEIは2月末で「0.202%」です。
予想物価インフレ率(BEI)は、どんどん低下しています。
こんなので物価が上がるわけない。
コアCPI・2%を目標にしているのではなく、国債の暴落阻止が目標でしょう。
物価連動債で測った指標(BEI)やインフレーション・スワップレートで測った指標などを見ると、インフレ期待は「0.2-0.3%と0%近傍をふらふらしている」と指摘。
岩田氏は、インフレを加速も減速もさせない自然利子率を0.7%と試算しており、インフレ期待が仮に0%になれば、マイナス金利を1%程度まで下げないとデフレに戻るリスクが内在していると述べた。
その場合、一気にマイナス1%まで下げるのがめどになるか、との質問に岩田氏は「そのように個人的には考えている」と述べた。
岩田氏は5日、1%の下げ幅が「最終的に」一つのめどになると補足説明した。
BEIが「0%」になれば、一気に金利を「マイナス1%」まで下げろと言っています。
そしてこれが最終的なマイナス金利の限界であり、これ以上は下げられないと見ています。
これ以上下げられない「マイナス1%」は、一気に下げると見ているようですから、一気に日本経済の限界が来ると言っているように聞こえます。
一気に財政破綻していくのでしょうか。
ちなみにJPモルガンのエコノミストは、日本は「マイナス3.45%」まで金利を引き下げることができると言っています。
各国中銀がマイナス金利を導入する可能性=JPモルガン ロイター
JPモルガンは世界的にマイナス金利政策(NIRP)が導入される可能性があると述べ、次のように分析しています。
JPモルガンのマルコム・バー、ブルース・カスマン、デービッド・マッキー各氏のリポートによると、FRBは基本的にマイナス1.3%まで、英国はマイナス2.5%、ユーロ圏はマイナス4.5%、日本はマイナス3.45%まで引き下げることができるという。
マイナス金利政策は銀行収益を圧迫するため、マイナス幅を拡大していきますと、将来的には、収益を向上させようとして銀行自身が貸出金利を大幅に上げる可能性があり、そうなりますと緩和ではなく、引き締め効果となり、日銀の緩和策は破綻します。
何という薄氷政策でしょう。
岩田氏は記事でこう言っています。
われわれの計算では、量的・質的緩和導入後の3年間ですでに8兆円のロスが出ている。
岩田氏は「日銀保有国債の平均残存期間は8年程度なので、毎年1兆円くらいの償却負担が発生している」と指摘、長期国債からの収入が14年度で1兆円しかなく、マイナス金利の下で年120兆円買い増していく中で、「国債のオペで生じる償却負担があまりに大きくなれば、赤字になる可能性が高まる」と語った。
消費税についても、消費税増税は必要と述べ、しかして経済状況次第では消費増税は延期してもおかしくないと言っています。
ただ単に延期しただけでは「財政のクレディビリティー(信頼性)が失われるリスクがある」と指摘しています。
つまり国債は暴落していく、と言っている。
結局は超円安とハイパーインフレですか。
神理が善、利益は悪ですから、やはり利益という悪を負えば、自己崩壊していく。
これを「自爆」と言う。
あるいは「オウンゴール」とも言いますね。
味方のゴールに一生懸命ボールを蹴り込もうとしている変な人ですね。
もう一生懸命に。
何回も。
何度も蹴り込んで、こりずに、何度でも味方のゴールに蹴り込もうとしているちょっと変な人ですね。
もう味方のゴールも敵のゴールも区別できなくなっている人ですね。
利益を目的とすれば、善も悪も、天国も地獄も区別できなくなるのです。
これを仏教では「盲目の衆生」と言ってきました。
キリスト教では、盲人が盲人の手を引けば、二人とも穴に落ちてしまうと言ってきました。
まさにこの「盲人」ですね。
利益は神の目から見て「下」を意味しており、下に向かっている。
盲人だからですね。
下に向かうぐらいならいいけれども、崩壊となりますと大衆軍団が大変迷惑しますね。
どうしようもないでしょうけどね。