「クリフエッジ」とは、崖の先端という意味ですが、ここから一歩でも踏み出せば、断崖から転落してしまうギリギリの地点を指します。
原発では安全の限界の意味で使用され、巨大地震による揺れや津波にどこまで耐えられるのかを地震加速度で示します。
この値を超えれば施設や計器類の機能が停止し、全機能を喪失します。
まず原発の位置関係はこれです。
熊本地震で川内原発が注目されておりましたが、実際は川内原発よりも玄海原発の揺れの方が大きかった事実が明らかになりました。
川内原発は「震度4」が襲ったと言われておりましたが、原発施設自身を言えば「震度3」ほどだったようです。
川内原発は地震加速度「620ガル」まで耐えられる想定で設計されています。
補助建屋1階においては「260ガル」が自動停止される基準ですが、補助建屋最下階では「160ガル」で自動停止します。
では今回の地震で川内原発と玄海原発は、どれほどの地震加速度が襲ったのでしょう。
これがソースで公表されていますが、玄海原発の方が大きい揺れに襲われていたことが分かります。
本震である4月16日の最大震度が「6強」から「7」に変更され、前震と本震のどちらも最大震度「7」を記録していたことになります。
この本震であるM7.3の大地震の時、川内原発の補助建屋最下階は「8.6ガル」であり、補助建屋1階は「12.6ガル」でした。
玄海原発の場合、補助建屋最下階では「20.3ガル」、補助建屋地下1階は「30.1ガル」が襲い、川内原発よりも、大きい揺れが襲っていたことが分かります。
距離が離れていたことも幸いしているのでしょうが、ではこの熊本地震は最大何ガルを記録していたのでしょうか。
ここで公表されていますが、14日の前震は「1580ガル」であり、16日の本震は「1362ガル」でした。
この加速度がそのまま原発を襲えば、もちろん原発は崩壊します。
14日夜の熊本地震の本震の揺れは、震度7を観測した熊本県益城ましき町で最大加速度1580ガル、最大速度92カインをそれぞれ記録
加速度と速度はともに、地震の揺れの大きさを示す指標で、両方がそろって大きいほど地震の破壊力が強いとされる。
阪神大震災の揺れは891ガルと112カイン、2004年の新潟県中越地震は1722ガルと148カインだった。
今回の熊本地震の最大加速度は、阪神大震災の約2倍で、新潟県中越地震より少し小さかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/81/bb4fb66e30293ff386ab8428c1ebfa2c.jpg)
川内原発1号機の「クリフエッジ」は、「1004ガル」であり、2号機は「1020ガル」です。
これだけの揺れが襲えば、メルトダウンでしょう。
M6クラスの地震でも直撃すれば、軽くこのガルまでいくそうです。
ちなみにマグニチュード7以上を「大地震」、マグニチュード8以上を「巨大地震」、マグニチュード9以上を「超巨大地震」とよびますが、「大地震」までいかずとも地震クラスでメルトダウンの可能性があるということになります。
気象庁では、最近「熊本県天草・芦北地方」と「大分県中部」という表現がたまに出てきます。
熊本県芦北町(あしきたまち)というのはここら辺です。
また熊本県天草市はここら辺です。
どう見ても北部ではありません。
南西に地震活動が広がっています。
恐らく日奈久断層の「日奈久区間」か「八代海区間」が震源でしょう。
この区間だけでも「M7.5」と「M7.3」が想定されています。
3つの区間が同時に動き、日奈久断層全体が動けば、「M7.7~8.0」となり、本震が前震化します。
同時に北東の大分県にも広がっている。
前例のない地震活動らしいので注意が必要です。