仙台管区気象台は13日、宮城、山形両県にまたがる蔵王山(蔵王連峰、1841メートル)で、小規模な噴火が発生する可能性があるとして、警戒レベルを噴火予報(平常)から「火口周辺警報(火口周辺危険)」に引き上げた。
水蒸気噴火が想定される火口域の周囲1.2キロ以内での警戒を呼び掛けている。
蔵王山で警報が出るのは初めて。
警報対象自治体は、宮城県が蔵王、七ケ宿、川崎の3町、山形県が山形、上山の両市。宮城県は22日に予定していた「蔵王山火山防災訓練」の中止を決めた。
小規模な水蒸気噴火が起きた場合、想定火口域(馬の背カルデラ)の1.2キロ以内で、直径50センチ程度の噴石が飛散する可能性があるという。
管区気象台によると、蔵王山では7日以降、山頂近くにある火口湖「お釜」付近が震源とみられる火山性地震が急激に増加。
12日は38回、13日は午後5時現在で30回発生した。
4月の地震回数は184回と2010年9月の観測開始以降、月別で既に最多となった。
山体の傾きや地殻変動は観測されていない。
記者会見した管区気象台の永岡利彦火山防災情報調整官は「昨年8月7日にも44回の火山性地震を観測したがすぐに収束した。
今回は30回程度の地震が連日観測されたため、警報に引き上げた」と説明した。
蔵王山には、気象庁が自治体の同意などを得て運用し、5段階で示す噴火警戒レベルが導入されていない。
気象庁が出した火口周辺警報(火口周辺危険)は警戒レベル2(火口周辺規制)に相当する。