梅の香庵~うめのかあん~

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とりとめないことをとりとめなく・・・

龍を探す旅 その4

2011-10-02 20:05:09 | 日記
忘れた頃にシリーズ再開。
まだやってますよドラゴンクエスト。

というわけで、
前回までは、観念的なドラゴン像を考えてみましたので、
今回からはそのビジュアルについて検証してみたいと思います。
まずは東の龍から。

スタートにゃ


と、
椿にふってもらったのはいいのですが、
正直これ、非常に難しいです。

いきなり結論から言うと、

「諸説あります」

という一言が一番近いんじゃないかと思うほど。

その諸説の中からつまみ食いしてみるしかないなー
というのが素人の限界なので、
とっちらかった文章になると思いますがご容赦ください。


では。
東の龍。
長い龍ですね。

そう聞いてまず私の脳裏に浮かぶのは、アニメ「にっぽん昔話」のオープニングです。
♪ぼうや~よいこだねんねしな
のあの歌にのせて流れていた映像。
あの龍は長かった。

その長い龍の起源。


そりゃもう今まで何べんも言ってますが、
蛇がルーツ。

かつて。
お隣中国のある部族に、大蛇をトーテムとする人々がいたんだそうです。
トーテムとは?

えーとこれは民俗学とかそういう類の言葉なんだと思いますが、
私も最近初めて聞いた言葉なので正しくお伝え出来るか自信ありませんが。

ある特定の生き物が、自分たちにとって特別な存在だとする考え方を「トーテニズム」と言い、
その「特定の生き物」を「トーテム」と言うんだそうです。

例えばですね、
「うちの部族は代々猫神様が護ってくれているんじゃ!」とか、
「我が一族のご先祖様は犬神様の生まれ変わりなんじゃ!」とかね。
そうやって、ある生き物を自分達のシンボルにするという感じですかね。
でもたぶん、猫神様はお願いしてもあんまり言うこときいてくれないと思いますが。

なんとなくイメージなんですけど、
トラとか鯉とか燕とか。
色んな動物を旗印に掲げている球団って、
このトーテニズムに似てますね。

んで、
大蛇をトーテムにしていた集団が、かつて中国にあった。
彼らはなかなかに強力で、他部族を吸収して勢力を拡大。
その際に、
他部族のトーテムと大蛇が融合。
こうして、大蛇に他の様々な動物の要素が加わって、いつしかそれが「龍」となった。

この、龍をトーテムにしていた部族というのが夏王朝だとか。
夏王朝は、
中国最古の王朝だと言われていますが、
私が高校生の頃の世界史の教科書では、まだその存在は確定されておらず、
「だったんだと思われる」的な扱いでした。
でもその後、確定事項となって教科書に載ってると聞いた気がするけど・・・今の教科書ではどうなんだろ。

んでその夏を倒したのが「商」王朝。
こちらのトーテムは鳥ベースで、これが鳳凰になったんだとか。

ここで龍の王朝はやっつけられたかに思われますが、
「優秀なる皇帝は龍の血族である」という思想は生き残り、ついには最後の王朝「清」まで受け継がれたんだそうな。
まさに中華帝国の歴史は龍の歴史ですな。

というわけで、
大蛇+色んな動物=龍
という図式が浮かび上がってきました。


しかし一方で、こんな説も見つけちゃいました。
龍とは、ワニだった説。

その昔、今とは気候が違っていた頃、揚子江にはワニがいたんだそうです。
そのワニが龍のモデルとなったと。
確かに、あれはワニですよね。
顔の感じも足の付き具合も、胴体をぐいーっと伸ばしたらまさしく龍ですわ。

そもそも私思うんですけど、
蛇が龍へって、自分で何度も言っておいてなんですが、
蛇と龍の決定的な違い。
それは、足の有無。
蛇の最大の特徴って、足が無いことじゃないだろうか。
そこに足をつけちゃったら蛇のアイデンティティはどこへ?
蛇に足をつけちゃって、「これは元々蛇だから」っていうのは無理があるような気がする。

だから、龍の起源はワニっていうのは、なんだか納得です。

実際、古代の文書で、
「龍を飼っていた」とか「龍を食べた」とか、
そういう妙にリアリティのある記述があるんだそうです。
んで、龍の背に人が乗っている絵が残っていたり。
その絵の龍のサイズが、揚子江にいたワニと一致しているんだとか。

そして気候変動とともにワニは減少し、それは「幻の存在」になった。
幻の存在には尾ヒレがつくもので、
文字通りワニに色々くっついて龍になった。

う~ん説得力あるなぁ。


しかしですよ。
これで終わらないのです龍伝説。

あの頭部は、ワニじゃなくって獣だ。という説もあるんだなこれが。

中国の北方で出土した龍をかたどった装飾品。
その龍は、頭部がイノシシや鹿で、体が魚だった、とな。
ええ~ワニは?蛇は?

でも確かに、龍の角とか耳とかは獣っぽい。
鼻なんかモロ豚っ鼻に見える。

一方で、中国南方では蛇信仰があった。
南方では古くから稲作がおこなわれていた。
お米を作るには水田が必要。
川から水を引きたいし、雨も降ってほしい。
水を尊ぶ所には蛇信仰が興る。
また、南のあったかい所にはワニもいたかもしれない。爬虫類は神様だ。

この、
北の獣っぽい龍と
南の蛇っぽい龍

これが合わさって、あの龍になった。


おっ。
これなんか、すごく説得力がありませんか。
それならば、蛇の胴体に足が生えるのも納得がいく。


と、長々色々語りましたが、
中華風の龍の姿は、「龍に九似あり」と言われています。
九似とは、
頭はラクダ、角は鹿、耳は牛、眼は鬼(または兎)、掌は虎、爪は鷹、胴体は蛇、腹は蜃(蜃=想像上の動物で、蜃気楼を起こすと言われている)、鱗は鯉。
これで九つ。
いくつか「そ、そう?」っていうのもありますが、
これが公式の龍なんだそうです。

九似の龍の姿がほぼ確定したのは漢代だそうで、
要は、中国ほぼ全土が統一された時に、各地それぞれの龍も統一されたんじゃないでしょうか。
ちなみの漢の始祖・劉邦は「龍の生まれ変わり」とか言われているそうです。
今でも中国本土のことを「漢」と言いますからね、「漢民族」とか「漢字」とかね、
中国っぽい、というイメージを作り上げたのはやっぱり漢だったんでしょうね。

一応ここで軽く世界史講座をはさみますと、
漢民族とは万里の長城以南の中国本土の人たちであり、
モンゴルが攻めてきて出来た「元」とか、
満洲が攻めてきて出来た「清」とかは、漢民族の王朝ではありませぬ。
だから清は漢民族を制圧するための一環として、あの辮髪を強要したわけです。
辮髪。ラーメンマンのヘアスタイルですね。
中国本土の人たちは、好きであの髪形していたわけじゃないんですよ。誤解しないであげてください。

でもそうやって異民族に制圧されても、漢の文化は消えなかった。
色々融合して「中国」の文化になっていった。


色々まざって出来あがったもの。
すなわち、龍。

陸続きの、取った取られたの世界で出来あがっていった文化が、
龍とうい形にも表れているということですかね。


かーちゃん話長いよ。椿もうねむい。

ごめんごめん。
では東の龍はここまで。



















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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初期の龍の絵は短かったとか (鉛筆ウサギ)
2011-10-02 22:15:08
自分がいちばんはじめに聞いたのが
その揚子江ワニ説で
へーっと思って、それ以上追求してなかったのですが
いやはや諸説あるものですな
ちなみに関係ありませんが初期のアンパンマンは8等身だったとかww

ところで年賀状の龍は
10/14発売予定のようです
関係者の方々
書店へダッシュ!!
返信する
8頭信だとアンパンが小さそうだ (ちをり)
2011-10-03 00:41:43
こんなことやってる場合ではない。
と思っちゃいるのですが・・・・・。
私のばか。

「龍は鶏肉のような味がした」
とか記されているそうですよ。
てゆーか食うなよ聖獣を。さすが何でも食べるお国柄。

あ。えーと、
10/14は私もネット情報で入手しておりましたが、
同じ日に何種類か出るようなのでその中のどれなのやら(^^;)
コミイラが終わった頃にゆっくり見てみるとしましょう。
返信する
コミイラ進んでる? (ユウコ@コミイラ線入れ完了)
2011-10-03 17:29:31
ワニは、鶏肉味。
というのを昔TVかなにかで聞きました。やっぱワニだ!
「足のあるものはテーブルと椅子以外なんでも食べます」
というチャイニーズジョーク?があるよね。
好奇心旺盛な民族だな~。
返信する
足があったばっかりに (ちをり)
2011-10-03 19:38:28
蛇は食べるんでしょうかね?
足無いけど。

あ、えーとコミイラは、
昨日から始めたところです(^▽^;)
金曜日までに下書き完成が目標です。
完全に舐めてます。
はははははは。

そしてご心配おかけしましたが、ようやく先方から連絡が来ました(^^;)
返信する
心配事はなくなりましたね(^^) (ユウコ@色を塗りつつネーム考)
2011-10-03 21:25:50
来ましたかー!
良かったねー!ほんとにお仕事お疲れさまでした~!
発売日には書店に行って来るねー♪
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ありがとう(^^) (ちをり)
2011-10-03 23:21:49
お騒がせしました。
また詳細が分ったら(ひとまずギャランティーの話だった・・・・)、
発表しますね。
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