梅の香庵~うめのかあん~

梅の香堂別館喫茶スペース*梅の香庵*
とりとめないことをとりとめなく・・・

二百十日の風の盆

2015-12-06 17:53:51 | イラスト
梅の香堂トップイラスト更新しました。


「二百十日の風の盆」


この年末にきて、まったくもって季節感のない絵になりましたが、
一応今年描いた絵ということで最後に載せておきます。

とは言っても、
この絵の季節感が分からないという方もいるでしょう。

これは富山の八尾という町でおこなわれる「おわら風の盆」というお祭りの風景でございます。
おわらは毎年9月1日から3日に行われます。

「二百十日」とは、
立春から数えて210目のこと。それが9月1日にあたるそうで、
この頃はちょうど台風の季節。
収穫前の稲が風の被害に遭わないように、風神の鎮魂を祈るお祭り、「風の盆」なのです。

はい、さっきググりました。


おわらは、三日三晩、八尾の男女が踊りまくるお祭りですが、
踊るといってもアップテンポな踊りじゃありません。
胡弓と三味線のしっとりとした音色で踊る艶っぽい踊りです。
それはそれは情緒あふれるお祭りなのです。

切り絵でおわらって王道なお題だけど、
だからこそ一回描いてみたかった。



しかしこういっちゃあなんですが、
編み笠効果ってすごいっすね。
日本のチラリズムとはこういうものか!と思い知りましたよ。

この絵を描くにあたっていろいろおわらの写真見たけれど、
編み笠かぶってると、だれもかれも美男美女に見えてくる不思議。
ちらりとのぞくのは口元とうなじ。
浴衣からのびる白い手(暗いから白く見えるわな)。
うーん艶っぽい。
おわら踊りは、男は力強く、女はしなやかに。
その動きも相まって、見えそで見えないその姿に美的フィルターがかかります。



いいですよーおわら。一見の価値ありですよ。
昨今は観光客が多すぎて見るのも一苦労のようですが。


そして、おわらの資料写真を求めてネットをさまよっていた時に、
たまたまおわら節の歌詞を見つけました。

なんとなく聞いていたけれど、じっくり読んだのは初めて。

よくよく読んでみると、
あ、おわらって、恋の歌なんだ。

そっかー。だから若い男女しか踊らないのね。
だから『風の盆恋歌』(橋本治 著)か。


恋の歌は数あれど、それに地方色がついているのがいいですよ。
この土地の人が詠んだんなーって親近感が湧く。
情景が浮かんで思わずふふふと笑ってしまう。


もしや来るかと窓押し開けて 見れば立山 雪ばかり

恋の病も治してくれる 粋な富山の薬売り



ね、いいでしょ。

おわら、ここ数年見に行ってないけど、行きたくなっちゃったなあ。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夜目遠目笠の内 (鉛筆ウサギ)
2015-12-06 19:43:59
なんとなくそんな言葉を思い出しました
うなじがエロス、アートコン入選作品ですね

さてさて、いつのまにやら世間は師走
よつばと13巻も発売されておりますが
あいかわらず面白い
ばあちゃんがいい味だしてます
返信する
ねんまつー (ちをり)
2015-12-06 23:32:29
ウサさん<よつばと新刊出たんですか!ついにばーちゃん登場!?
それは要チェック。
年末ということで、昨日本棚を整理していたら、途中一巻抜けてる漫画がつ二つもあった‥‥。
なくしたのではない。買ってないのだそもそも。
なぜ気づかないかない自分(ー ー;)
というわけで書店へGOですな。
返信する
年末だから (Tokiko.M ”・_・」)
2015-12-07 08:42:08
一年の〆だから おわらで良いと思うよ
編み笠のマジックは凄いねぇ
脱がないで~脱いだらハチャメチャだったりして怖いねぇ
しかし素晴らしい腕前 芸術性もバッチリ
返信する
Unknown (ちをり)
2015-12-09 23:05:45
Tokikoさん<ありがとうございます(*^^*)
おわらは前から描いてみたかったので 念願かないました。
でも思った通り、切り絵にぴったりな題材。
今度は男踊りや地方さんも描きたいなあ。
返信する

コメントを投稿