父と落語を聴きに行った。ほぼ独占に近い会場で、目の前で橘家圓太郎師匠が珍しい噺を演っている。と、父が大声で、この部分はああだこうだと注釈を話し出した。堪り兼ねて「いい加減にしろ。俺は師匠の噺を聴きに来たんだ、あなたの注釈を聞きにきたんじゃない」と怒鳴ってしまった。
集中力が途切れ、いったん高座を降りる圓太郎師匠。ああ、申し訳ないことをしてしまった。父もぷいと会場からいなくなった。師匠もさすがに、この後は短い噺でも演ってお仕舞いか、と案じていたら、気を落ち着けた師匠が高座に戻り、先ほどの噺の続きを演り出した。
ああ、ありがたい….。とはいえ、バツが悪いので、同じ席で聴くのははばかられ、離れたところから聴くことにした……。そこで目が覚めた。「怒鳴るんじゃなかった…」。「夢の酒」ならぬ「夢の噺」だった。へい、ご退屈さま。
@momochito 失礼いたしました。夢から覚めて、あ、これは夢の酒だな、と思ったものですから…。