昨年の今日、退院したのだった
食道がん術後、17日。
当初、4週間位といわれていたので、すごく早い退院である。
管が取れて9日後。
主食が全粥になって6日目。
お粥と実のないみそ汁、崩し豆腐の卵とじくらいの食事だった。
量はままごとサイズ。
ナースに「ベッドがいっぱいだから、早く出て」という言い方をされてひじょうに驚いた。
自信は全くなかった。
けっこうみんなそんな風に言われていた。
「家に帰っても一人ですから」などとそれから長く居座る人が多かったのも見ていた。
が、わたしは居心地が悪くなってしまい、あわてて迎えを頼み、退院した。
より重症で、ベッドの空きを待っている人がいるんだから、家に帰ろうと素直に思った。
平日だったがヨット仲間がクルマで迎えに来てくれた。
この後連休があり、当時研修医だった娘も飛んで来て、家を夏休みで守っていてくれた息子。
皆で過ごすことが出来たのがお祝いだった。
連休明けて保育園に生きて帰った挨拶に行く
本人は生きて帰ったことをまず伝えようと、嬉しい知らせである。
息子の運転で、息子に手を引かれてこけこけ歩く。
職場の皆が迎えてくれた。
嬉しいというより、月にいったようなフワフワ感であった。
やさしい皆は、痩せたとか、だいじょうぶとかは一切誰も言わなかった。
大変だったね、待っているよ、と、貴重な時間をさいていてくれた。
すごいギャップだった。
戻れるのか自信はからっきしなかった。
みんな元気という体臭をムンムン放っていた。
10日後から一人暮らしのリハスタート
何も考えず、その日を暮らしたので当時の記憶は薄い。
食べようと努力し、にんじんジュースしか野菜は摂れず、それでもクルマで出歩く用事も済ませていた。
もう、面倒腸ろうをすごく早く抜いてもらう
26日、退院後13日で腸ろうを抜いてもらった。
かなり無理はあったかもしれないが、いやでいやで仕方なかったのだ。
当時を振り返ると
ばかだから、ゆっくりした時間に癒されていた。
本も読めてよろこんでいたし、夜遅くまでドラマ見たり、映画見たり。
日頃出来なかったことがやっと出来て意外によろこんでいた。
自分のからだが変わったことも理解し始めて、ま、そっか、と思った。
働くまでは好きにしておれば良い訳なのでこのからだに対するストレスは、家におればあまりなかった気がする。
じきなおるんだろうという安易な予想もあったし。
思い出せないくらい遠い、長い一年、人生濃縮
長い一年だった気がする。
よく、こうしてなんとか働けているよな。
ひじょうに重いハンデをもってしまったので、これを抱えてこれからも生活することは楽ではない。
でも、大したことないかもしれない。
まだまだ新しい風が吹いてわたしを替えてくれると思う。
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食道がん術後、17日。
当初、4週間位といわれていたので、すごく早い退院である。
管が取れて9日後。
主食が全粥になって6日目。
お粥と実のないみそ汁、崩し豆腐の卵とじくらいの食事だった。
量はままごとサイズ。
ナースに「ベッドがいっぱいだから、早く出て」という言い方をされてひじょうに驚いた。
自信は全くなかった。
けっこうみんなそんな風に言われていた。
「家に帰っても一人ですから」などとそれから長く居座る人が多かったのも見ていた。
が、わたしは居心地が悪くなってしまい、あわてて迎えを頼み、退院した。
より重症で、ベッドの空きを待っている人がいるんだから、家に帰ろうと素直に思った。
平日だったがヨット仲間がクルマで迎えに来てくれた。
この後連休があり、当時研修医だった娘も飛んで来て、家を夏休みで守っていてくれた息子。
皆で過ごすことが出来たのがお祝いだった。
連休明けて保育園に生きて帰った挨拶に行く
本人は生きて帰ったことをまず伝えようと、嬉しい知らせである。
息子の運転で、息子に手を引かれてこけこけ歩く。
職場の皆が迎えてくれた。
嬉しいというより、月にいったようなフワフワ感であった。
やさしい皆は、痩せたとか、だいじょうぶとかは一切誰も言わなかった。
大変だったね、待っているよ、と、貴重な時間をさいていてくれた。
すごいギャップだった。
戻れるのか自信はからっきしなかった。
みんな元気という体臭をムンムン放っていた。
10日後から一人暮らしのリハスタート
何も考えず、その日を暮らしたので当時の記憶は薄い。
食べようと努力し、にんじんジュースしか野菜は摂れず、それでもクルマで出歩く用事も済ませていた。
もう、面倒腸ろうをすごく早く抜いてもらう
26日、退院後13日で腸ろうを抜いてもらった。
かなり無理はあったかもしれないが、いやでいやで仕方なかったのだ。
当時を振り返ると
ばかだから、ゆっくりした時間に癒されていた。
本も読めてよろこんでいたし、夜遅くまでドラマ見たり、映画見たり。
日頃出来なかったことがやっと出来て意外によろこんでいた。
自分のからだが変わったことも理解し始めて、ま、そっか、と思った。
働くまでは好きにしておれば良い訳なのでこのからだに対するストレスは、家におればあまりなかった気がする。
じきなおるんだろうという安易な予想もあったし。
思い出せないくらい遠い、長い一年、人生濃縮
長い一年だった気がする。
よく、こうしてなんとか働けているよな。
ひじょうに重いハンデをもってしまったので、これを抱えてこれからも生活することは楽ではない。
でも、大したことないかもしれない。
まだまだ新しい風が吹いてわたしを替えてくれると思う。


