
大切な人を失った悲しみ――誰にでも必ず訪れるそのことに、人はあまりにも無防備だ。
覚悟した別れでも受け入れがたいのに、
ましてそれが突然で理不尽な別離だとしたら――。
オスカーと父は、親子であると同時に親友だった。
父は少しばかり繊細で生きることに不器用なオスカーを、
その個性を壊さずに導いてくれる頼もしい師でもあった。
そんな二人を優しく見守る母親。ところが――9.11が最愛の父を奪ってしまう。
オスカーは父が遺した一本の鍵に、
最後のメッセージが込められていると信じ、鍵穴を探す旅に出る。
鍵の入っていた封筒に書かれた文字に従い、
ニューヨーク中の“ブラック氏"を訪ね歩くオスカー。
やがて謎の老人が同行者となり、いつしかオスカーの辿った軌跡は、
人と人とをつなぐ大きく温かい輪になっていく。
ついにオスカーは、鍵の真実とめぐり会うのだか――。
大きな山場はないが感動が押し寄せてきます。
結構泣けます。
お薦め度★★★★☆