☆GREEN HEART☆

漫画と本と国府津があれば生きていけるかもしれない「ことは」のブログ。
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三浦しをん『秘密の花園』を読んだ

2009-02-04 | 三浦しをん
経験したことって経験してないことより難しい

三浦しをん『秘密の花園』

カトリック系女子高。
そこへ通う3人の少女。那由多、翠、淑子。
女だけで構成される世界。どうしても避けられない男の存在。
あるものは、男との狭間でいきることへの回答を模索し。
あるものは、先生との逢瀬に盲目的になり。
あるものは、幻の兄との会話を続ける。



【私を構成している小さな粒。その粒の微細な波動をなぞるようにして、母の乾いた声は私の膚の下にもぐりこんだ。】(【】内P10L4~6より引用)


さめた目線で語る少女は、しかし彼女が認める唯一の存在と兄の存在を抱え、
周りとは違うといいつつ、結局同じで、絶対的な存在への興味と憧憬を抱え、
男への嫌悪と男との間で生きる少女は、男と女、そして自己の存在への疑問を投げかける。


まるで学生のときに戻ったかのような「あ~あったあった!」っていうのが次々とでてきて、懐かしくなりました。女子高っていうよりもミッション系っていう点において、だと思います。

幼稚舎、中等部からのもちあがり組と、高等部組との違和感。
図書室の先生との関係。
点在するマリア像。
宗教の時間にできるかぎられたこと。
理解できない行為へ求められる回答。
教師と生徒の逢瀬。


恩田陸がすっごい読みたくなりました。最近離れてたけど、恩田陸読みたい。リセとか麦海あたりを。似てないかもしれないけれど、女の子が女の子に抱く憧憬、そんな空気が。そんでもってあの恩田陸のノスタルジック-!な世界にひたりたい。

【「さあ、できた。これを紅花の中に沈めれば、かわいい熊の柄が染め上がるというわけ」】(【】内P220L14.15より引用)

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