ケルビム&KHSでゆくフォトマップブログ/自転車で巡る阪神間の道と街

テーマは「No bike no life」ということで、自転車を巡って過ぎゆく日常を書き綴っていくブログです。

国道176号線 JR宝塚駅~三田市:八景中学校前交差点

2012-03-31 18:18:24 | 国道
国道176号線(JR宝塚駅前~生瀬~名塩~山口~名来~道場~三田市・八景中学校前交差点 17.6㎞)




JR宝塚駅(右側)と阪急宝塚駅(左側)の中間地点です。この下はちょうどトンネルになっていて国道176号線が通っている。今回のレポートはここから始まる。





宝塚駅を過ぎると、すぐに西宮市生瀬町に入る。この正面にある新生瀬大橋までの区間は片側2車線の余裕のある道路となっている。正面に見える山並みは長尾山系。

右手は住宅に遮られて見えないが、すぐ武庫川の流れがあり、その向こうに六甲山系の連なりが望める。北は長尾山系、西は六甲山系に平野は阻まれ、この地をもって、大阪平野北西部の辺縁となる。

国道176号線は長尾山系と六甲山系の裾野を、武庫川支流の有馬川に沿いがら、北西へと進み、山間部の町名塩を経由し、有馬、三田の盆地を目指して進んで行く。







生瀬橋東詰交差点。正面を行くと新生瀬大橋を通る国道176号線。左折すると、生瀬橋を通過する旧176号線。右折すると県道33号線に入り、十万辻峠を目指す登り坂となる。





新生瀬大橋。この橋は自転車通行禁止ではないので、車道を走る事ができる。標識の通り斜度6%なのでゆるやかな登り坂といった感じ。

この橋の開通は平成13年(2001年)4月とまだ新しい。この橋が開通するまでは、先ほどの交差点を左折して生瀬大橋を渡り、渡りきると直ぐに交差点があり、今度はそこを右折していた。このため、激しい渋滞を引き起こす原因となり、その状況の解消のために新生瀬大橋が作られた。

新しい道ができてしまうと、その道がなかった頃の事を思い返すのが難しくなる。この新生瀬大橋がずっと前からあったような気がする。






新生瀬大橋を渡りきると、片側2車線の道が、片側1車線の道になっている。道路自体が武庫川の河原と切り立った山肌の間に作られたものなので、狭隘な道路になるのもやむを得なかったのであろう。しかし、それにしても酷い状況だ。道路は狭い上に交通量も多い。

このような道を走る場合、自転車はどうしたら良いのだろう。自転車は車道を走るのが基本だ・・しかし・・この車道の左側ってどこ?ガードレールしかないやん!やむを得ない状況だから歩道を走っちゃうよ!といっても、とって付けたような歩道で、人一人が足元を気を付けて通るのがやっとの歩道を自転車で行くのは難しい。もし対向自転車が来てしまったらどうしたらいいのか。






武庫川と斜面の壁に挟まれた狭隘部を越えると、大多田橋交差点に出る。この道を左折すると、登坂に名入り、蓬莱峡、屏風岩を越え有馬温泉に至る。





武庫川と山の壁に挟まれた狭隘部を反対車線から撮影した。奥側が宝塚方面である。川沿いの細い道に車が連なっているのが見える。





大多田橋の交差点を越えると、道路は武庫川の流れ近くの標高から高度を上げて名塩のニュータウンまで緩やかな勾配の坂道を上がっていく。山並みの紅葉がダイナミックで迫力がある。





木之本バス停前交差点。この交差点右の道を階段で降りていくと、阪神間のハイキング(ウォーキング)コースのメッカである武田尾廃線跡のコースに出る。休日にはこの交差点を目指してポツポツと道を歩いていく人たちの姿をよく見る。





左側の道を降りると、正面右手に広がる名塩ニュータウンへと続く。正面に見える薄茶色の建物は、名塩センター。市役所の分室や図書館の分室が入っている。JR福知山線の名塩駅もこの近辺にある。





JR名塩駅前のロータリー。

この辺りで写真を撮っていると、道行く老婆に「ちょっと兄ちゃん」と呼び止められた。

何事かと思い、話を聞いていると、

「あそこに時計があるやろ。あの時計な7時の10分前から止まったんや。そしたら、その辺でいつもうろうろしているネズミの姿が全く見えんようになってもうた。いつもはその辺でチョロチョロしとんのにな。おかしいで。ハツカネズミも何もおらんようなってもうた。これは絶対に何か起こる前ぶれやで」

<はぁ・・>

「兄ちゃんなぁ。写真撮ってるんやったら、あの時計も写真撮っとき。もし何か起こった時にはその事が証拠になるさかいにな・・」

<ほんまですか・・・>

「ほな、行くさかいに。ちゃんと写真撮っときや」

と言い残して歩いて行ってしまった老婆。

まさかとは思いながらも、この老婆の言う通り、時計の写真を残しておいた。確かに7時の10分前で時計が止まってしまっています。今のところ、この近辺で大きな異変は何も起こっていないようだが・・。






名塩ニュータウンへの分岐を越え、坂を登っていくと、「名塩東口」の交差点がある。ここから始まる区間が、新興住宅地ではない、昔からの名塩の町並。正面はクリーニング屋さんとたばこ屋さん(はただ商店さん)。この商店の右側が国道176号線。左側を行く道が「蘭学通り」と名付けられた名塩の町並みの中を行く小道である。





名塩、蘭学通りの様子。“蘭学通り”とはいっても、何てことはない住宅地の中の路地なんですけどね。けど、トラックが重なるように通り抜ける国道176号線の様子から比べると、気楽にのんびりと走れる道である事は間違いない。





少し戻って、「はただ商店」さんから国道沿いの道路。名塩の交差点があるが、写真のように住宅に挟まれた道路を頻繁にトラックが行き来する危険な道路になっている。





名塩の町並みを抜けてしばらく行くと、登り坂のS字カーブある。坂は急という程でもないが、トラックが前からも後ろからもやって来るので注意を払いながら坂を登らないといけない。





国道176号線、西宮市の山口町~名塩~生瀬区間にある2つの急坂のうちの一つ。有馬川の流れが左手に見えるが、そこからググッと高度を上げていく。





クルクルとクランクを回してゆっくりと坂道を登っていきます。この辺りは、夜間に走ると街頭がなく真っ暗になるので車のヘッドライト頼りになってしまわないように、十分に明るいヘッドライトを自転車に搭載して走りたい。





このサンクスが見えれば、名塩の登り区間もあと少し。ラストのS字カーブを目指して頑張るのみ





名塩の西地域にあるS字カーブ。S字というより、ヘアピンカーブを2つくっつけたような形をしている。このS字カーブの急な曲がりの所で大型車同士がすれ違うと容易に通行できない。一方が停車して譲り合って進まないといけなくなる。

自転車で行くには、勾配はたいした事はないので淡々と上がっていける。対向車線を車体を揺らしながら曲がってくるトラックにはビビする、。この坂道を登りきればピークの「赤坂峠」に出る。登り坂はあと少し。






標高279㍍の地点にある赤坂峠の交差点。生瀬の大多田橋交差点付近から続いていた登り坂の終点になっている。

ここまで来ると、後はペダルが勝手に回ってくれるような下り坂が続くので、気分的には全長17.6㌔の区間の8割を走り終えた気になる(実際は半分残っているのだが)。

ちなみにこの交差点を右折して更に坂を登るとと「生野高原」という名の住宅地に到着する。「高原」って書いてあるから本当に高原があって公園のような広場があるのかと急坂を登って苦労していってみたら、標高380㍍付近という高台の上に広がる住宅地があるだけだった。






赤坂峠を越えると、長い長い下り坂に入って行く。また、道路も整備され、道幅も広くなるのでとても気楽に自転車に乗っていられる。左の看板は「我夢」というカフェ&レストランだがが、未だ入った事はない。どんなところか気になるので、近いうちに入ってみようと思う。右側には中国自動車道が走っている。





下り坂をさーっと降りてくると、阪神高速西宮山口のインターチェンジ前交差点を通過する。正面の陸橋は中国自動車道。





中国道の高架をくぐり、快適に坂を下りる。この道の左手には六甲山系の山裾があり、右手の山並みに挟まれた谷間を行く道になっている。この地域をもって、ちょうど六甲山系の裏側に出るといった感じになる。そうした事が関係しているのかどうか分からないが、中国道の高架を過ぎた辺りから気温が2度ほど下がるような気がする。




軽快に坂道を下っていくと、西宮市山口の町に出る。この辺りの坂道は信号も少なく、車も速度を出して自転車を追い越して行く。片側2車線なので、自転車は車道を余裕をもって走れるが、のんびりと坂を下りたい時には市松模様が施された広い歩道を行けばいい。





山口町の目抜き通り。スーパーやレストラン、マクドナルド、等様々な店が軒を並べています。この176号線を挟むように、右手は北六甲台、左手は上山口の新興住宅地が開けている。





中国自動車道の高架を過ぎると、店舗もまばらになり、郊外の道といった雰囲気になる。赤坂の峠を下ってからは、ずっと下り坂が続いているが、この辺りは2%前後の下り坂がずっと続き、信号で止められる事も少なく、自転車は40㎞/h巡航が可能になる。脚力のある人はそれ以上も可能かも。






この辺りは街灯も少なく、車が途絶えると本当に真っ暗になってしまう。車は70㎞/h以上のスピードで飛ばしていくので、自転車は夜間この道を走る時はしっかりとしたテールライトを装備して後方から来る車に自転車の存在をアピールしないと怖いよ。





快走路がずっと続いている。ここまで来ると、三田市までは残り僅か。





三田市八景中学校前交差点に到着。ここから先が三田市の市街地と言ってもいいでしょう。

Y字型の交差点になっているが、右に行くと176号線が続き、左に行くとフラワータウンやウッディタウンといった三田市の新興住宅街に向かう幹線道路と繋がる。今回のレポートはこの交差点を終着とする。

ちなみにこの八景中学校は去年の探偵ナイトスクープにも登場していました。校舎からグランドまでが遠すぎて、着替えたり、トイレに行ったりしていると体育の授業の開始に間に合わないというネタだったと思う。




コース概要

コース名 国道176号線(JR宝塚駅前~三田市:八景中学校前交差点)

距離    17.6km
上昇量  269m
下降量  145m



大阪市北区から、京都市北部の日本海まで達する国道176号線のうち、阪神間平野部の北端、宝塚市から西宮市生瀬、名塩、神戸市北区を抜けて三田市へと達する区間を紹介した。JR宝塚駅から名塩の街並みを抜けるまでは、山沿いの狭い道を行く、ゆるやかな登り区間、神戸市北区山口町の赤坂峠から三田市までは、整備された両側4車線のなだらかな下り坂の道路を行く。西宮市生瀬町から赤坂峠に至るまでの区間は、片側1車線の狭い道路であり、大型車交通量の多さも相まって酷い渋滞が頻発する問題の道路である。しかし、現在、問題解決のために区間の各所で新道路建設の工事が行われている。


交通量 [D]

国道176号線は、阪神間平野部から北摂、三田市、丹波、篠山市を経由し、その先に兵庫県中部地域、但馬地方、丹後地 方、あるいは山陰道へと繋がっていく根幹道路のため、乗用車もトラックも交通量が非常に多い道路である。朝の通勤時間帯、休日夕方の上り(都市部へと向かう方向)は名塩、生瀬地域では渋滞は必至。宝塚方面に向かう中国自動車道で事故やその他の原因により通行止め(滅多にないが)、いつもに増して激しい渋滞が発生すれば、それを避けるために176号線に車が下りてくるので、地獄のような渋滞が引き起こされるのは間違いない。

路面状況 [C]

JR宝塚駅前~新生瀬大橋までの区間、赤坂峠から三田市八景中学校前交差点の区間までは、道路が整備され道路幅も広く、路側帯にも余裕があるので自転車通行は(傍を高速の自動車が次々に走り抜けて行く事以外は)快適。特に西宮市山口町から三田市に至る区間は緩やかな下りが長く続きますので、かなりの高速巡航が可能となる。

この区間だけであれば、路面状況の評価は[A]だが、西宮市生瀬、名塩の区間は、片側1車線の道で、道幅も狭く、路側帯もないような区間が一部あり、とても自動車が渋滞するような時間帯には自転車では走ることを勧めない。

一方、路面の質は国道というだけあって酷くはない。道路の割れ目や凸凹は少なく、丁寧に整備されている様子が窺える。また現在、176号線の生瀬~名塩区間の整備工事が進んでおり、安全かつ快適に走れる区間が増えているので、この先この道路がどう変わっていくのか楽しみでもある
 


安全性 [D]

間違っても、ロードバイク初心者や、自転車に不慣れな彼女や奥さんを伴って一緒に走ってはいけない道。

道路幅が狭いうえに、路側帯も未整備な区間が多く、トラックが後ろから迫ってきても逃げる場所がない。自転車のすぐ横をトラックが轟音と共に走り去っていくために、恐怖で体が縮こまり走行不能になってしまう可能性もある。しかし、この道路を走り慣れている人にとっては、それほど怖さを感じる道ではない。登りで、道幅も狭く、交通量も多いとなれば、車自体の速度も上がらないので、車が傍を通っても、びゅんびゅんと抜かれていく状況にはなりにくく(西宮市山口町~三田市にかけての区間は、片側2車線の大きな整備道路となるので、車はびゅんびゅんと走れるが、自転車を大きく避けて通ってくれるので大丈夫)、車と一緒に道を登っていくような感覚になるので、後方からの車に対する怖さは薄れる。むしろ、対向車線の下り坂をやってくるトラックがカーブでしっかりと曲がってくれるかどうかの方が不安。曲がりきれず、しかも横転なんかしちゃったりしたら・・・とふと思ってしまうので、良い感じはしない。区間によって安全性は違うが、生瀬~名塩あたりの道路状況を考えると安全性は最低レベルの[D] にせざるを得ない状況だ。


信号機 [C]

都市部を走る道路ではないために大きな道路と交差する交差点はないが、一部区間は住宅地を走るので、細かい交差点、信号機が以外とある。この信号機が渋滞の一因にもなっている。しかし、夜間であれば、黄色点滅になったり、国道が優先道路となり、信号機も青色の場合が多い。

エイド [B]

区間内に全国チェーン展開のコンビニが5件ある。特に登り区間の名塩ニュータウンへの入り口を通り過ぎた所にある「セブンイレブン」と、名塩の町並みを過ぎてヘアピンカーブを曲がり、坂を登りつめた所にある「サンクス」の看板を見るとほっと安心する。

景観 [C]

とても景観を楽しめるような道路ではないが、道路自体が六甲山系の東端を沿うように出来ているので、山並みの木々の色合いや有馬川、武庫川の流れが自然と目に映る。秋の空の下で眺める紅葉の様子はなかなか見応えがあるようにも感じる。

用途 [通勤・通行]

fumitaroの場合、職場が宝塚市なので、帰宅時に自転車でこの道路を通ることがある。また、休日に阪神間あるいは大阪へと自転車で出かける時にこの道路を通る。それ以外の用途は一切ない。

ポタリングをするにも、トレーニングをするにしても、もっと適した道路が他にあるので、あえてそうした用途にこの道路を使用することはない。ただ、この狭く、危険な道路を必要に迫られて仕方なく自転車で何度となく走っていると、不思議と妙な愛着が湧いてきている自分に気づいてしまった。

道は狭いし、まさかのヘアピンカーブにS字カーブで自転車も車も困らせ、交通量は多くすぐに渋滞するし、古い町並みを踏みにじるように道が走り、まるで高度経済成長期の名残とでも言わんばかりの時代錯誤の作りとはっきり言って問題児のような道路だが、区間によっては必死に現代的な道路に作り変えようとしている姿が健気に映るのかもしれない。出来の悪い子ほど可愛く思える親心みたいな気持ちが芽生えてきているのかも。この道路がこれから、どんな風に姿を変えていくのか楽しみでもあるが、優等生然としてしゃっきりと整備された道路になってしまっても、あまり可愛くは思えないかもしれないんだよなぁ・・・これがおかしなもので。



コースMAP


コース高低図





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