湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

空の上から

2018-03-28 00:53:04 | ポエム
まだすこし
太陽の光が地球に届いているころ

はるか彼方には
漆黒の闇がせまっても
空の上では
山の稜線みたいな
ブルーとオレンジが織りなす層が残っていた

あらためて
地球は丸いんだって

あの小さな星を持つ
星の王子様が
椅子を何度も引けば
何度も夕陽がみれたように
その訳が
夕暮れ遅くにのる飛行機なら
とてもわかりやすいね


ここから
街の灯が
眼下にみえる
人の営みは
明るい灯のなかにある


あの人の街
この人の街


飛行機から見下ろす街々は
数えきれない人々の暮らしが
人生という道を描いてる


沢山の人と
絡み合いながら


私が関われる人なんて
ほんの一握りの人々達だけれど


大切にしたいと
街の灯りを見ていたら
愛おしく思えてくる


夕暮れの遅い時間
空に浮かんだとき
羽を広げ
高い場所から見ている
宝石箱のような
一つ一つが大切な命のきらめきなんだもの


私も
地上に降りたとき
きらめき出そう
上から
見えるように









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嬉野温泉にて、その名のとおり。

2018-03-23 23:01:13 | ポエム
山里の
湯けむりの宿


すこし古びた温泉宿
浴衣の裾をはだけながら


日本酒の利き酒だからと
一口一口が悪かったの


よろよろと足をふらつきながら


ねーねーと
甘えん坊になってみたり


気だるいのろさ加減がなんとも
自分でも気持ちいい


温泉に浸かりながら
庭木の間からみた三日月の
美しかったこと


私は
こんなに遠くにいる

私は
こんなに豊かなきもちでいる


数ヶ月前には
到底考えられなかったこと


桜が三分咲きの
温泉街の川沿いの宿


良い知らせを受けて
胸を撫で下ろせば


嗚呼と
命の輝きは
どこでだって煌めいてゆくものなのです。

空を見上げて
ありがとうてつぶやいていた













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旅先の三日月

2018-03-23 06:29:47 | ポエム
指折り数える
うつむいて

その指を祈るように見つめる
その横顔は健気で美しい


喜びの日を待つとき

何度もなんども指折りながら確かめる
一つ朝を迎えるたびに
喜びに近づいていく日をかみしめて。


悲しみを背負うとき

幸せまでのカウントダウンを
指折り数えてみましょうか。


おりしも
星の世界は新しく始まったばかり
気持ちを新たに
指折り数えてみましょうか


次から次に訪れる
楽しいことと嬉しいことの始まり

悲しく苦しいことは
空の彼方の星に預けてしまおう


そうして
空に手を合わせて祈る自分
謙虚になれる自分がそこに居るから。


みんなが幸せになりますように。


旅先にて

歩いて
ふざけて振り向いた先
三日月を見つけた夜に思うこと








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旅先にて

2018-03-22 07:23:09 | ポエム
旅先は
不思議な気持ちになる

どこかで見たような景色
初めて見たような景色

混ざり合いながら

こんなに遠くに
来てしまったんだって言う気持ちと
やっとここまで
来て初めてのワクワクに出会える気持ちと

混ざり合いながら

それでも
繋がっている人とのやりとりは
いつもと同じように続いていく
文明のリキは
距離を無関係にしてしまうのね


それなのに
一番繋がっていなきゃいけない人が
一番遠くにいる
ここにも年老いた
母に似た人がいる


顔をみた途端に
私は泣いていた


思わず
もう、私の母は
『あなた1人だけになりました、元気で長生きしてね』って
声にならない声を絞り出していた

お彼岸の中

色んなことが起きる


揺さぶられていく気持ち

ずっと
自分の母のように
手をにぎり
さすりながら
うんうんと話を聞いていた


お土産に持っていった藍染のスカーフを気に入ってくれたの


こんなに
愛おしくなるなんて


もう1人の母
昔は私を嫌っていたでしょ。
知ってるよ

今は
目の奥に見えるよ、優しさが。

だから
私がいるときは
安心して
その身を託していいからね





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ナットの指輪

2018-03-21 09:21:48 | 日記
むかし
かなり年の離れた彼氏さんがいた
社会人になって
2人目の彼氏さんだった

優しくて
背が高くて
歌の趣味も似ていて

それでとても
手先が器用でね
工具でナットを削って
ピンキーリングを作ってくれたり

しかし
優しすぎるのも
優柔不断なところがあったりね

女は贅沢なものですね

蠍座のO型の長男


どこかしら頑固でね
時々年上風を吹かす

いいんだけれど
何かしらちがっていたの

彼が悪いわけでもない


私は彼との2年半に渡る糸を
私から切った


しっかりと話をして
わかってくれていると思っていた


私が人や友達に
迷惑かけたくない人だという事も
わかっていたはずなのに


こともあろうことか
私の同僚の
一人暮らしの女友達のところへ

とあるCDを私に渡して欲しいと
いきなりやってきたという

彼女は
憤慨し非常識だと私に罵った


とても申し訳ない気持ちと
彼が私のことが分かっていなかったのだと。

たとえ
自分の思いに
切羽詰まってしまって
思いの丈を伝えたかったとしても

そのCDの意味する歌は
もはや
私には色あせて聞こえた


あみん
『まつわ』

まつわー
まつわー
いつまでも まつわー


大好きだったこの曲は
もう、歌えなくなってしまった



いつだったか話してた
その彼氏さんの元カノさんは、
名古屋の人で
数年付き合ったうちに
何十回と名古屋に出向き
やはりナットを削った指輪を渡したのだと言っていた。

数年経ってから
再会した元カノさんは、結婚していたけれど
しっかりと、自分の作ったナットの指輪があったことが嬉しかったのだと話した。


私が同じように
ナットの指輪をいつまでもしてると思う?

元カノと同じ位置にいる私なんて

女は贅沢なものよね

別れても
別な位置にいたい

思い出の女にはちがいないけれど
それだけ
尽くした分だけ特別な場所にいたい


あとから思い出したとき
がキラキラ輝きだすような
その時は
精一杯、心から愛したのだから


そののち
なかなか捨てきれずにいた指輪を
私は伊良湖岬から投げようと
そこに向かう途中でアクシデント


伊良湖岬にはたどり着けず
仕方なく
対岸にある鳥羽の海に指輪を捨てた


しばらく
名古屋は
仇でもみるかのようで


愛を知る県のはずなのに



ふと
飛行機の中で
魔除けに頂いた指輪を見ていたとき
思い出したこと


そうこうしてるうちに
無事に
着陸した日本の小さな大陸








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