「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

「沈底魚」

2007-11-19 | 
今年の江戸川乱歩賞作品「沈底魚」(曽根圭介さん著)。公安警察と中国のスパイをめぐる物語です。与党の大物政治家が中国のスパイであるという情報の真偽をめぐる両国の駆け引きに翻弄される一線の公安刑事。二重スパイ、三重スパイの網の中でだれを信じて良いのか、なにが真実なのか。公安刑事の暗い雰囲気がうまく漂っています。

なかなかに読ませはするのですが、ただ、ありがちな話と展開だな、という気もします。意外性があまりないというか…たぶんこういう展開なのだろうな、という方向に向かっていく。組織の非情さが徹底されていないような印象もあります。でも、文書も読みやすいので、お時間がある人、公安モノが好きな人にはお奨めという気がします。