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WindowsCE FAN/Windows Phone FANのウェブマスター日記 2007年~2011年版です
Windows Phone FAN日記









要はデジタル教科書教材って儲かるの?
27日(火) 、下記のような発表が行われた。
結構そうそうたるメンバーが発表会には登場して、熱く語っていたようだ。
彼らが熱くなる理由は、日本の教育レベルの低下を嘆いたり、最新のITの力で教育を刷新したい、という額面通りの意味なのか、それとも、ここが儲かるのか。ちょっと調べてみた。

「デジタル教科書教材協議会」MSやソフトバンクなど70社で設立
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100727_383677.html

あんまり深く調べているわけではないが、教科書市場に関する数字をみるのに使ったのは、下記の公正取引委員会の資料だ。平成19年度の資料だが、それなりに裏付けがありそうだし、マクロな傾向も見える。

教科書の流通実態に関する調査報告書
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.august/07080301-hontai.pdf

下記を単純に掛け算して足すと、650億円
内・無償供与分だけで、約 400億円 (395億円)

教科書1点あたりの平均定価
----
小学校用  337円  7214万冊
中学校用  484円  3585万冊
高等学校用 745円  3162万冊

とみてみると、意外と市場規模としては小さい気がする。
冒頭のニュースの孫社長に関する記述を見ると、子供手当の一部を回せ、と言ったりしているようで、さすが、ソフトバンクとしては参入したいが、市場規模ももっと増やせ、と言っているように見えて面白い。確かに、この程度の単価のビジネス参入しても儲からないと孫社長の本能が告げているのだろう。

ちなみに、こちらの資料は、教科書の流通において取次店というものがいるとか、そこの独占状況が…といった観点から調査したもののようなのだが、読んでみて気になるのは、年度当初の大量導入で、上記の単価の 11% が取次業者の懐に入る反面、期中で転校してきた生徒に対して、教科書を届ける時も同じ 11% で、3,000円分の教科書を届けるために 300円程度の手数料しかもらえていない実態も明らかになっている。

しかも、学生数は年々目に見えて減っており、この15年間で 30% 程度少なくなっているようだ。確かに人口減少とか、リアルに感じてしまう数字だ。

結局、教科書の電子化とか、儲かるとか儲からないとか、大義名分云々以前に、寡占化するか、電子化するか、どちらかの形で流通コストなどを適正化していかないと、すでに市場として維持できないところまで来ているのだろうと言うことを感じた。

最後に、米国は? と思ってみると。

【Amazon Kindleが教科書市場をターゲットにしている理由】
http://at2ed-kokoroweblog.jp/archives/841971.html

大学生の1年間の平均が 750ドル
合計で、86億ドル (約 8,000億円市場)

日本でも大学生市場を入れると様相が変わってくるのかもしれないが、さすが先進国各国から留学生も集める国ならでは、か。日本の小中高の市場規模をあわせたより10倍の市場規模があるってすごいな。素直に驚きました。Kindle がここを狙いたいというのは純粋にビジネスのため、だと思えるような市場規模ですね。

[ 取材日記 ] / 2010-07-27 13:45:53 コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




ゲームキューブが 100円ショップに並ぶ!?
表題はもちろん冗談だが、ゲームキューブが 100台出品されてる件 をみると、あながち冗談でもないのではないか、と思えてくる。

何が起きたのかの詳細は、上記のエントリを見ていただければよいのだが、こちらの内容によれば、100台のゲームキューブ (基本的にはジャンク扱い) が 合計 10,500円で落札されたという。つまるところ、1台 100円で落札されたわけで、これなら、中古のゲームキューブが、100円ショップに並べられるじゃーん、というわけだ。

もちろん、コントローラや、ACケーブルは別かもしれないし…、深く考えても仕方がないのだが、ゲームキューブって、2001年9月14日発売。およそ 10年でここまで下がるという例。

ちなみに、Google で 「ゲームキューブ 発売」と検索してみると、当時の徹夜組の様子なども含めて、熱狂を思い出すことができるぞ。その後の Wii も、ゲームキューブとそれほど大きくプロセッサ性能が変わるわけではないわけで、この手の製品の水物っぷりは大変ですね。
[ 取材日記 ] / 2010-07-18 23:14:57 コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




Windows CE / Android / Linux トリプルブート対応タブレット端末
すごいやつがやってきた。
7インチタブレット端末ながら、3つの OS を搭載し、起動時に選択することができるという。
3つのOSは、

1) Windows CE 6.0
2) Android 2.1
3) Linux (詳細不明)

ハードウェアスペックは、ARM11 (667MHz)、128MB RAM、1GB Flash Memory、無線LAN、HDMI出力端子など。
しかも、価格は、2.5万円と衝動買い価格だぞ。

■ 参考リンク
SmartQ V7
[ 取材日記 ] / 2010-07-18 21:27:28 コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




RAID1 の HDD故障…orz
なんか、何度も何度も書いているネタで、もうブログに書く気も起きないのですが、実は読み返してみると、故障履歴としてまとまっていて便利なもんで、今回も書くことにしてみました。
今回も故障したのは Windows Server 2008 の RAID1 の片側。

ディスクマネージャーをみてみると、Seagate ST3500418AS 君 が生き残っているみたいなので、死んだ方はどんな型番だったのかよく分かりません。同じ型番だった気もしますが、まあ、いいや。

ここんところの故障履歴をみてみると、こんな感じ。
やはり、温度が高すぎなんでしょうか。

自宅 Windows Server 2008 の故障履歴
2009年12月31日 故障
2010年2月2日  HD103SI故障
2010年2月11日 ST3500418ASに変更
2010年3月18日 ST3500418ASを復旧
2010年7月18日 不明ディスクが破損 (ドライブとしては何かあるように見えるが、アクセス不能)

ちなみに、SSD にしようかなあとか思っていたのですが、価格をみてみると、ST3500418AS が、ソフマップで、\4,480 (送料、税込み) だったので、消耗品だと思って買うことにしました。やれやれ、です。

そういえば、500GB の 2.5inch HDD があったので、それに取り替える手もあるなあ。
[ 取材日記 ] / 2010-07-18 14:09:34 コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




電子書籍になんか負けないぞ! リアル本の逆襲
このブログでもたびたび紹介している、Apple iPad などの登場で、日本でも、電子雑誌、電子書籍が身近になってきた気がする。少なくとも、iPad を買ってみて、雑誌をオンラインで買うようになったし、App Store で販売されている電子書籍も 40% 程度は購入して読んでいるような気がする。これまで、毎週マンガ雑誌、経済ものの週刊誌などを駅のキオスクで購入して、電車の暇つぶしにしていたが、今では、iPad でダウンロードした電子雑誌を読んだり、Twitter の TL を眺めているだけであっという間に乗車時間が過ぎてしまう。すでに、リアルな書店にいく機会は減っているし、本屋さんで買わないと行けない書籍が読まれる機会はどんどん減っていると、自分の体験として感じてしまう。

と、そんなときに見つけたのが、JR池袋駅ホームの自動販売機。
見慣れない形に、何売ってるんだろう?
と近づいてみると、文庫本ですよ。
ph_14

本屋に行く人が減ったのであれば、書籍の方から近づいてくればイイじゃんというわけだ。
本を読みたくなったら本屋へ行く、という時代から、
Amazon で買うという時代があり、
電子書籍化が進むと思いきや、その反面、文庫本が自動販売機になって、身近な駅にまでやってくる。この販売実績次第では、山手線の他の駅は元より、新幹線のホームなど、様々なところに展開されていくんだろうなあと思ったり。思わぬところで、競争が出てきて、面白いなあと思う。
[ 取材日記 ] / 2010-07-10 23:14:52 コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




ダイソン(Dyson) 羽のない扇風機 ~ エアマルチプライヤー
突然だが、ダイソン(Dyson) 社が、発売している羽のない扇風機「エアマルチプライヤー」という商品をご存じだろうか? 見た目は下記のような形状の白物家電だ。普通の扇風機のように羽根がないのに、これで何で、風が来るの? と思うかもしれない。もちろん、同社のホームページをみていただければ、この羽のない扇風機から風が来る理由も、これが扇風機ではなくエアマルチプライヤーと呼ばれている理由も説明されている。

このダイソンのエアマルチプライヤーだが、最近、家電量販店の店頭で、実物を使ったデモが行われているので体験した人も少しずつ増えているのではないか、と思うが、私も実際に体験してしまったので、その感想を紹介したい。

■ ダイソンのエアマルチプライヤー

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これがダイソンのエアマルチプライヤー。
ちなみに風が来る仕組みは、ダイソンのエアマルチプライヤー というページの下の方にある「風が出る仕組み」というビデオを見て欲しい。

で、実際に理屈は分かったところで、ほんとに風は来るの? と思うわけだが、来る。
実際に、風は来るし、扇風機よりも遠くまで風が伝わってくるような気がする。
大きさも、容積ベースで見ると、普通の扇風機よりはコンパクトだ。
一回り小さくて、風力は互角以上。
扇風機としての出来は標準以上だ。

風力が強いせいか、モータ動作音や風切り音は、扇風機に比べて小さい印象だが、実際には風力が強い分、やはり、それなりの音がする。いわゆるサーキュレーターと呼ばれる製品の風力に近い、風の音がするのだ。

■ 普通の扇風機の機能は網羅されている

形状からはぱっとわかりにくいが、普通の扇風機のように、首を振る機能もある。
ちゃんと左右に振れる。
風の強さの制御ももちろん可能だ。
弱にすれば、普通の扇風機よりもゆっくりとした風が、強にすれば普通の扇風機の強よりは、大きな音がして、遠くまで風が届く。

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ネックは価格が3万円後半と、扇風機 5台分の価格がするところだろう。
コンパクトで持ち運びしやすい点を考慮しても、まだ高い。
でも、せめて、2倍くらいの価格、すなわち 1万円前後になれば、購入者ももっと増える気がするので、その点は残念な気がする。

■ ピタゴラスイッチのようなデモビデオが面白い

先に紹介したダイソンのエアマルチプライヤー というページでは「風船を使った実験」というビデオが用意されている。実際のビデオをみてもらいたいのだが、百台を超える、エアマルチプライヤーを利用して、複雑に入り組んだジェットコースターのようなコースをつくり、そこを風船が次々通っていく様子が分かるだろう。しかも、風船のようなふわっとしたものが、スゴイ勢いで運ばれていく様子から、この製品の風量や、その直進性も理解できるに違いない。
[ 取材日記 ] / 2010-07-08 23:39:35 コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




DMM.com 利用の「借り放題」プランの使い勝手とコストパフォーマンス
月額 DVD&CDレンタルの DMM.com を利用中だ。 前回、1ヶ月の無料期間分で利用してみた結果を照会した。前回分をざっとみてみていただくと分かるとおり、CDが届いたら、一晩でリッピンぐして朝返却という原則で回していくと、およそ 5~6日サイクルで 1回転できることがわかった。ということで、割とのんびり屋さんでも、2枚ずつを4回、合計 8枚の CD/DVDレンタルができる「ベーシック8」というプランはまあまあリーズナブルなプランだと言える。レンタル枚数の繰り越し、日曜日にも商品発送される、必ず借りれるキャンペーンなどがすべて適用されていて、1枚あたりのレンタルコストは、240円/枚 といったところだ。近所の TSUTAYA で半額レンタルした方が安いのは事実なのだが、今やネットでちょこっと登録しておいて借りられる、その簡単なインターフェースが優れている気がする。

ということで、試してみようと思ったのは「借り放題」だ。
こちらは、2,068円で、無制限に借りることができる。もっとも、無制限といっても、一度に送られてくるのは、2枚ずつなので、ほんとに無制限に借りることができるわけではない。ということで、実際に何枚借りることができるか試してみよう、というわけだ。

結論としては、「12枚」 だった。
ただし、月曜日 (28日) には、新たに 2枚発送されてくるので、来月分は「14枚」借りることができるかもしれない。12枚だと1枚当たりのコストは 172円/枚だが、14枚借りることができれば、1枚 148円 と半額レンタルよりも安価になっている気がする。

ということで、“新作CD/DVDを借りなくてよい” という条件さえ満たせば、結構お得なプランだと言えるのではないだろうか。

いくつか試してみて判ったことをご紹介しておこう。

1.DMM.com (石川県) から、横浜市への配送は、翌日に到着。
 こっちは宅配配送業者だから到着?

2.横浜市から、DMM.com への配送は、中一日置く。
 これは郵便局の問題なのか、
 倉庫内の処理に時間がかかっているのかは不明。

3.ほんとに借りやすさが MAX の 5 の作品からしか配送されない。
 自分の場合は、60種類くらい登録しているが、そのくらいストックがないと、発送が止まってもおかしくない。発売から1年くらい J-POP 作品はよほど人気がないものを除くと、借りれないかと。マイナーな作品はマイナーな作品なりに枚数が少ないようで、むしろ借りにくい印象すらありました。

ということで、サービスを選ぼうとしているときの参考にしていただければと思います。
1枚148円にできるかどうかは、次月の報告をお楽しみに。

(参考) ■ DMM.com 月額会員のレンタル実績

次回発送は、28日午前中くらいのはず。
※ ベーシックプランであれば、遅くとも 27日に次が発送。

2010年06月23日 2010年06月26日 第6回目
 23日朝  発送
 24日夜  到着 夜リッピング
 25日朝  返送
 26日夕方 回収

2010年06月19日 2010年06月23日 第5回目
 19日朝  発送
 20日夜  到着 夜リッピング
 21日朝  返送
 23日夕方 回収

2010年06月14日 2010年06月19日 第4回目
 14日夜  発送
       ※ 本来は13日に発送されるはずだが、
        日曜日なので発送されなかった
 16日夜  到着 夜リッピング
 17日朝  返送
 19日朝  回収

2010年06月09日 2010年06月13日 第3回目
 09日夜  発送
 10日夜  到着 夜リッピング
 11日朝  返送
 13日朝  回収

2010年06月04日 2010年06月09日 第2回目
 04日朝  発送
 05日夜  到着 夜リッピング
 06日夜  返送
 (07日朝) 実質、ここで返送と同じ
 09日夜  回収

2010年05月31日 2010年06月04日 第1回目
 31日夜  発送
 01日夜  到着 夜リッピング
 02日朝  返送
 04日朝  回収
[ 取材日記 ] / 2010-06-30 23:18:05 コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )




月額 DVD&CDレンタル DMM.com の配送サイクル
月額 DVD&CDレンタルの DMM.com というのを試してみた。
実際のラインナップなどは、個人の好みもあるだろうが、TSUTAYA DISCASよりも劣るかなあと思いつつ、何となく、ウィッシュリストのインターフェースが直感的でわかりやすかったので、まずは、ここを無料でお試ししてみた。

どの程度のタイムラインなのか、というのをざっと紹介しておこう。
神奈川県横浜市在住の場合、DVD&CDの発送は 1日目の夕方送ると、2日目の夕方~夜、到着。
返送は郵便で行うためなのか、翌朝返却しても、中一日おいて、5日目に返却扱いになるようだ。郵送の場合には、日曜日配送されていないため、曜日にも左右されることになると思われる。このあたりは、引き続き検証してみる予定です。

まずは、1日で終わるレンタル品であれば、最短の5日間サイクルで、どんどん借りていける予感がします。もっとも、デフォルトの「ベーシック8シングル」になっている場合、2枚の組を、合計4回借りたら、その月は終わりになっちゃうので、そんなに焦る必要もなさそうですが…。

2010年03月13日 2010年04月02日 第4回目
 13日夕方 発送
 14日夜着 夜 CDリッピング
 31日夜  返送
 2日夕方 回収受付
 > ここでしばらく休止

2010年03月08日 2010年03月13日 第3回目
 8日夕方 発送
 9日夜着 夜 CDリッピング
 10日夜  返送
 11日   返送開始
 13日夕方 回収受付

2010年03月04日 2010年03月08日 第2回目
 4日夕方 発送
 5日夜着 夜 CDリッピング
 6日朝  返送
 8日夕方 回収受付

2010年02月28日 2010年03月04日 第1回目
 28日夕方 発送
 1日着   夜 CDリッピング
 2日朝   返送
 4日夕方 回収受付

2010年02月27日 23:00頃 DVD&CDレンタル お試し入会
[ 取材日記 ] / 2010-06-09 00:09:38 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




シャープのモバイルPC「NetWalker」が、2万円!
シャープのモバイルPCこと「NetWalker」が2万円だそうな。
ただし、中古品ではある。
Ubuntsu マシンに興味があるのだ。でも、4万円は高いよね、と思っている場合には、意外とお薦めなのではないだろうか。

■ 関連記事
Android搭載タブレット端末が1万5000円割れ、超小型Core 2パソコンも激安!
[ 取材日記 ] / 2010-06-05 01:03:28 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




NHK技研公開『スーパーハイビジョン(SHV)』はすごいぞ。これまでの15年と次の10年、今ここにいる
2010年5月29日(土)、毎年、砧のNHK技研で行われている研究成果発表会 兼 ビジョン発表会でもある「NHK技研公開」に行ってきた。
NHK技研の展示によると、NHK全体では、今から 10年後の2020年に、スーパーハイビジョン (SHV)の実用化を目指しているという。今から 10年後と言うと、とても遠い未来のように感じる。今のように技術の革新速度が速い今、10年後と言うと、一体どういう悠長な話をしているのだ、という風に感じてしまうのだが、NHKは大真面目だ。

■ ハイビジョンの普及には 40年間

今急速に普及が進んでいるハイビジョンテレビの時は、家庭に普及するまで 40年かかったという。NHK技研の年表によれば、ハイビジョンの研究を開始したのは 1964年のこと。東京オリンピックかよ、みたいな年の話である。もはや歴史の一コマであるような昔話だ。しかし、実際に一家に一台ハイビジョンテレビが入ってきて、番組制作の大半がハイビジョンになったのは、2006-2008年のこと。そういわれると、確かに 40年かかったのだなあという気がする。もちろん、途中には衛星を使ったテレビ放送技術、デジタル化、ブラウン管からプラズマや、液晶ディスプレイと言った技術の進化もあった。そんな様々な技術の進化も待ちながら、1964年という昔からハイビジョンというコンセプトを一貫して掲げ、年間総額 7,000億円超の巨額の受信料の一部をつぎ込みながら邁進してきたのが、NHK なのだ。

■ スーパーハイビジョンは 25年間で試験放送へ

そんな NHKが推進するスーパーハイビジョンは 1995年から研究を開始している。すでに現時点で 15年が経過。これから 10年後の 2020年に試験放送を開始しようというのだから、開始から 25年で衛星による試験放送を行う、というのが「スーパーハイビジョン」という大プロジェクトだ。そして、+5年後などには地上波でのテレビ受信がスーパーハイビジョンに切り替わっていく(正確には知らない)。今のアナログ放送が終わるのと同じように、地上デジタル放送が終了し、地上スーパーハイビジョン放送が始まるのだ。

■ スーパーハイビジョンは人間の知覚の限界

多くの人にとって今のハイビジョン (1920 x 1080i) だって、普通に楽しむには十分だ。十分リアルに感じられる。頭で考えたり、自分の経験を駆使して、想像してみても、今のハイビジョン以上の品質が必要だとは思わない。しかし、実際に 8K x 4K のスーパーハイビジョン映像を見てみると、そのリアルさはまるで今のハイビジョンテレビと、ワンセグの差ほどある。だから、ここでいくら言葉を尽くして解説してもあまり意味はないと思うのだが、少しは興味を持ってくれる人もいるかもしれないので、自分なりの説明をお知らせしておこう。

従来のハイビジョン映像がカメラで撮った写真だとすると、スーパーハイビジョンは虫眼鏡や顕微鏡の域に達する。(顕微鏡と言ってもせいぜい光学10倍レベルの話だが)。再現できる色範囲も従来の色を遙かに越えて Adobe RGB の全領域を再現できるという。実際に、映像を見ると、グラビア印刷よりも綺麗と感じるほど。例えば金の時計に光をあてながら、映像を撮影すると、それが金であることもわかるし、輝いている様もわかるが、ディスプレイを通して見ている限り、決してそこに本物があるようには見えない。やはり映像であることはわかってしまう。一つには一つにはピクセルサイズの問題。24型ではみえないピクセルも、37型、40型、50型と大きくなるに連れて、それがくっきり見えるようになる。もう一つは色再現能力の問題。やはり映像側はリアルな視覚に対して、少し色あせて見える。

このスーパーハイビジョンカメラで撮影した映像は、100型の画面に表示しても、いわゆる表示のピクセルを感じることはすでになく、仮に金の時計であれば、その時計にあてた光からは艶さえ感じてしまう。本当にそこにあるかのように見えるのだ。物体の表面がザラザラしているのか、艶があるのか、それともねっとりした感じなのか、またはガラス越しの映像なのか、肉眼で見ているのかの違いがわかるというか、そういう空気を感じることができるほどのリアルさがあった。

ゼロからの発明だったアナログ 4:3 テレビに対して、16:9 のハイビジョンテレビは、3m 離れた位置から、もっとも映像をリアルに感じられる縦横比を元に決められたという。人間の視覚領域を表示領域で覆うことにより、没入感が得られるようにしたのが、初期のハイビジョンの要求仕様の優れたところだ。一方、純粋な情報量はアナログテレビの 6倍ほど。これは当時のアナログテレビの縦解像度 2倍から決められた数字のようで、本質的な意味はない。

では、今度の 8K x 4K は何なのか、というと、それは人間の知覚の限界なのだという。自宅の壁一面がディスプレイになったとして、そこに、8K x 4K 以上の表示を行っても、人間の目ではすでに何も違いを感じられないのだという。最初のテレビだって、見た人は十分驚いたはずだが、3世代経って、でも、100年経たずして、ついに映像は人間の知覚を超えるのだという。すごい。

■ スーパーハイビジョン撮影カメラ

今日の展示を見る限り、技術としてのスーパーハイビジョンはかなりの部分ができあがっているようにも見えた。例えば撮影に使うカメラが展示されていた。従来は複数台のカメラを使って撮影し、合成することで 4K x 2K を実現していた時代もあったが、今は 70kg の 1台のカメラで 8K x 4K の撮影が可能だという。そして、撮影した映像をそのまま伝送して、4K x 2K のディスプレイパネル 4枚に映し出すデモも行われていた。

■ 10年後のディスプレイパネル

スーパーハイビジョンの表示部分にしても、今回試作機が展示されていた。8K x 4K の 1/4となる 4K x 2K 相当の表示を Panasonic が 58型のプラズマディスプレイ上で実現。(もちろん市販品ではなく、4K x 2K の表示ができるプラズマディスプレイパネルを試作している。) 一つの画素ピッチは 0.33mm だという。これは、8K x 4K を約100型のテレビで実現にしたときに、必要になるのが 0.33mm の画素ピッチだから。つまり、人間が近くできる限界の素子サイズというやつだ。これ以上の微細化は可能だろうが、肉眼では見えないので、ビジネス的に意味がないのだという。

つまり、今回お目見えした 4K x 2K の 58型プラズマテレビは、将来作られる 100型超のテレビのちょうど 1/4部分を開発できました、という展示なのだ。10年後のテレビの 1/4模型が今すでにリアルなものとして動いている。これが、NHK、Panasonic の力の一端だ。

ちなみに約100型超のテレビというのは、自宅に導入することができるほぼ限界の大きさなのだという。

■ 撮影できて表示できても『テレビ』にはならない

ここまでに紹介した二つの技術。撮影できて、表示できる。
これでスーパーハイビジョンを構成する基本技術はすべてか、というとそうではない。

例えば、伝送技術。先に紹介した 8K x 4K カメラでは、60P での撮影が可能だ。その非圧縮映像の伝送帯域は 72Gbps。えーと自宅で使えるBフレッツなどのサービスが、100Mbps とか 200Mbps のベストエフォート。通常のパソコンで使えるLAN端子が普通は 1Gbps対応。通信キャリアが使っている高帯域の伝送路が 40Gbps という今の時代に、72Gbps って何だっけ? と言うほどの速度で、90Gbps の伝送能力がある光ファイバーを使って編集機器に入力される。DWDMという技術で、光ファイバーの中に何本も光を波長多重で重ねることで実現している速度だ。

当然だが、この映像を加工するためには、90Gbps という通信速度でやってくる映像を処理できる映像編集システムが必要だ。編集した素材は、それを記録しておく媒体も必要となる。安く、20年-50年と記録メディアとしての性質を保ち続けることができる媒体が必要だ。さらに、それを伝送するための装置も必要になる。こうした素材伝送可能な速度としては、210Mbps まで圧縮して伝送するのだという。

そこまで圧縮しても、まだ地上デジタル放送相当の普及技術にはならない。最終的に 60Mbps まで圧縮する必要がある。そして、今の地上デジタル放送と同じ 6MHz という帯域で 60Mbps 流すためには、今 64QAM で行っている変調の多値化を 1024QAM まで広げる必要があるという。このように変調方式の精度を上げることで、情報単位を 6bit から 10bit に拡張し、縦偏波と横偏波を組み合わせることで 2倍に。そうすると、20Mbps ある地上デジタル放送の伝送を 10 ÷ 6 x 2 = で、約3.3倍に拡張して利用することができて、そこでは 約60Mbps の映像伝送帯域が確保できるという。72Gbps で撮影した映像は最終的に 60Mbps に圧縮されて、各家庭に届けられることになる。

もちろん、1024QAM を使った技術も展示中。しかし、1024QAM で伝送できるのは、NHK技研敷地内の直線約100mほどの距離で、まだ雨にも弱いという。実際には、東京スカイツリーから 100km 程度、様々な電波干渉が発生する状態の中で、いつでも美しい映像が楽しめなくてはならない。距離だけ見ても後 1,000倍の進歩が必要。

電波干渉も、実際の電波が発射されたあと、フィールドで検証することで解決していく必要がある。その意味では地上デジタル放送の放送開始後、この 5-7年間で、やはり進歩があった模様だ。(よく聞いていない) 中継装置の改善や設置も必要だ。また、テレビ機器に搭載するノイズフィルターやゴーストフィルターの開発も必要だ。

スーパーハイビジョンで撮影して、中継して、表示するテレビが一般に普及してこそ、初めてテレビのインフラが整うことになる。10万円~20万円という価格で 100型テレビを製造できるようになって、3-5年という短期間で 1,000万世帯規模でこのテレビの普及が進むという革命が起こせるようになって、初めて民放局も番組制作に乗り出すことができる。そして、『テレビ』として成立することができるのだ。

基本となる撮影と表示、だけでは成立せず、多くの企業、そこで働く人の努力がまだまだ必要な世界。だからこそ、NHK技研公開などの場で、その価値を展示する必要があるのだという。その他でも名古屋万博でスーパーハイビジョンを展示したように、ビジョンを積極的に公開していって、はじめて、テレビという世界が 10年かけて一つ進むのだという。その意味では、スーパーハイビジョンの試験放送まで後10年というのは長いようで、短い目標なのだという。

折しもハイビジョンの時と違い、日本国内だけをみるとテレビ業界規模は徐々に縮小を続けているし、ひかりTV、J:COM などの有料多チャンネルサービスは、まだ映像業界を支えるほど成長できてはいない。(その他のアクトビラや、TSUTAYA TVなどは自身のビジネスも支えられていない) こうした中でのスーパーハイビジョン普及というのは、ハイビジョンの時とはまた違った難しさがあり、それだけに NHKやテレビメーカーが一丸となっても中々難しいのだ。

■ 音も重要 22.2ch サラウンド

ここまで、映像の絵の部分にフォーカスをあてて紹介してきたが、映像としての臨場感には「音」が大きく影響する。音なしの映像はいくらみても、臨場感も迫力も感じない。映画館の上映は、自宅のハイビジョンと大差がない映像品質なのに、迫力が全然違う。一つには目の前を覆い尽くすスクリーンサイズもあるが、実は劇場全体でサラウンド効果をバリバリ出している音の影響も大きいのだ。

この観点から、私が初めて NHK技研公開に行った 2004年(6年前だ)には、22.2ch スピーカーシステムを使った臨場感のある音が聞ける展示が行われていた。22.2ch というのは、従来の 5.1ch のような自分の前後左右にスピーカーがあるだけでなく、上下、にもスピーカーがおかれるというのが大きな違いだ。人間の耳は左右にしか付いていないのだが、ちゃんと上下のスピーカーから来る音の場所や、その音の距離なども聞き取ることができる。この人間の知覚できる音の最高スペックが 22.2ch ということだ。

実際に「スーパーハイビジョンを使ったパブリックビューイングの可能性」という展示では、すでにワールドカップの中継や、コンサートの中継などが行われているが、それのスーパーハイビジョン版。映像のリアリティはぐんとあがる。それにも増して自分の周囲で、様々な音が鳴る。今のステレオスピーカーでは、雑踏の中や、電車の騒音の中などで収録された音はなかなか聞き取ることができない。しかし、この 22.2ch システムでは、ホール全体で音が鳴り響いている他に、小さなノイズや音も聞き取れる。どうやら、人間の耳の特性なのか、体全体で会場の雰囲気としての音を感じ、耳では相対的に小さな音を聞き分けようとしている自分に気がつく。人間の目でスーパーハイビジョン映像をみると、その空気やにおい、質感が感じられるという風に紹介したが、音は全身で感じ、かつ聞き分けられるのが 22.2ch のスーパーハイビジョンの音声トラックなのだ。

■ 22.2ch の音を自宅・自室にパッケージング

先に書いたとおり、22.2ch の音声デモは 6年前から同じようなデモが実演されている。もちろん、使っている音声ソースは、毎年収録し直しているし、収録に使う機材も進化しているので、徐々にクリアに、デモとしての完成度も上がっているが、新しい展示はこのコンセプトではない。

今回は、この 22.2ch で収録して伝送した音声を、自宅の中でどんな風に再生するかという技術も展示されていた。展示されていたのは、2種類あり、一つは 3.1ch スピーカー、もう一つは、8.1ch という構成だ。3.1ch は自室をイメージ、8.1ch はリビングをイメージしているらしい。

実際に、3.1ch の場合、展示の時に指示された赤線のスイートスポットに立ってみると、それなりに迫力のある音を聞くことができる。しかし、スーパーハイビジョンだから聞ける音とは中々思えない。

もう一つの 8.1ch は 3.1ch に比べると上下位置にもスピーカーが配置されるのが特長だ。これによって、臨場感がグット増す。包み込まれるような音響は、まるでホールにいるかのような効果を感じることができる。この臨場感が自宅に必要かどうかはおいておいて、技術としては大変素晴らしい。

■ スーパーハイビジョンで番組、映像体験は楽しくなるか?

スーパーハイビジョン関連では、様々な映像が登場したが、印象的だったのは、今回の展示で使われた 2つの映像シーンだ。

一つは、見下ろすカメラに向かって、子供たちが近寄ってきて、カメラをみながらしゃべるという内容。実際の公園で、目の前に子供たちがいるかのようなリアリティを感じることができた。現在のテレビ番組のズームやカットを利用した映像では、いかにもテレビっぽさを感じるが、スーパーハイビジョンカメラを固定して、そこに次から次に人が入ってくると、まるで立っている自分の前に、次々人が飛び込んでくるような映像効果を感じることができる。通常のアナログテレビだと陳腐かもしれないが、スーパーハイビジョンなら、それがリアルで新鮮に感じられるという例だ。

もう一つ、「これはこれまでにない体験だ」と感じたのが、フィギュアスケートの中継映像。昨年の長野で開催されたフィギュアスケート NHK杯の映像だった。単にリアルなだけでなく、会場でもホール全体で鳴り響いていたであろうスケートの伴奏音楽が、映像をみる自分たちの周りでも鳴り響いている。そして、ズームしたカメラは、実物大の中野選手を映し出した。手前には肉眼で見ていると見まがう、氷のリアルなスケートリンクが映し出されていた。まるで、観客席から見るのではなく、スケートリンクの中に座って、ダイナミックなフィギュアスケートの演技を楽しんでいるかのような感覚を感じたのだ。

この新鮮な感動に感謝。

■ まとめ

これまでに15年、これから10年かかるというスーパーハイビジョン。わずか 5日間程度の話であるが、東京世田谷区砧のNHK技研に行くと、その10年後に当たり前になるかもしれない映像を、今目にすることができる。この技術を使ったら何が起こるのか、どんな変化が世の中にあるのか、そして、自分にエンジニアとして求められている挑戦は何か、そうしたことをぶわーっと、巨大なうねりのようなインパクトを持った展示で見せてくれる。それが、NHK技研公開だ、と感じた。

この原稿は、会場を出て用賀駅の側のパン屋のイートインコーナー(単にガラガラで空いていた)で、ポメラに向かって打ち込んだものだ。なんか、感動は書き留めておかないと、一晩ネタだけでも、誰かと話をしただけでも風化しそうだったので、とにかく1時間半、打ち込みまくった。わかりにくいところ、伝わらないところも多いと思うが、だからこそ、興味のある方は、NHK技研公開に行って、同じモノをみて感じて語って欲しい。ちなみに来年も同じ頃にやっていると思うので、ぜひ、自分の Windows Phone の「予定表」や、Google カレンダー、職場のグループウェアなどに登録しちゃっておいてもらいたい。必ず土日が挟まれているので、比較的行きやすいイベントである点もありがたい。

ということで、楽しかったぞ-。

p.s.
あ、ちなみにこれがちょうどポメラの文字数限界 8,000字になります。(^^; 7,665文字っす。
[ 取材日記 ] / 2010-05-30 12:37:52 コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




ネットブックは3万円割れ
今日のIOデータのメルマガ。
ネットブックって、3万円切っているんですね。
企業だったら消耗品ですか…。(^^;

[3]決算特価!とにかく安い!ネットブック「EeePC 900HA」実質¥27,360!
[ 取材日記 ] / 2010-05-20 16:33:01 コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




IT Access おもてなTV@ESEC 第13回 組込みシステム開発技術展
テレビをお茶の間ポータルに、というコンセプトは新しいようで、陳腐だ。
1990年代には、日本の家電メーカーから「インターネットテレビ」というブラウザ内蔵のテレビが発売されたり、マイクロソフトは、アップルを退職した技術者が作った「WebTV」というセットトップボックスを商品化した。その後も、Panasonic が「Tナビ」というブラウザ機能をテレビに内蔵したり、シャープ「AQUOS」には「AQUOS.jp」というリンク集がある。2007年には、日本の大手家電メーカー5社が始めた「アクトビラ」というポータルサイトもある。

しかし、それらの名前と “スマートフォン” という言葉のどちらがメジャーかと言われれば、圧倒的に “スマートフォン” の方だろう。(携帯電話だと比較にならないので、あえてスマートフォンと比較してみました)

ということで、この手の展示会を覗くと、毎回、似たようなコンセプトの展示を見かけることになるが、これも、それと同じようなもの。データ放送のような画面だけど、異なるのは、そこに表示されている情報がパーソナライズされていますよ、というもの。見た目には目新しい気もするけど、テレビを使う必然性もないし、あまりテレビが楽しくなった気もしなかったのが残念だ。

なかなか正解と思えるモノを見たことがないけど、それだけに正解に行き着けば得られるものも大きい気がする。

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[ 取材日記 ] / 2010-05-17 21:59:56 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




Android OS を 1秒で起動「Quick Boot」@ESEC 第13回 組込みシステム開発技術展
結構前にニュースで取り上げられていたユビキタス社の「Quick Boot」という技術だ。
同社のブースでは、シャープの「NetWalker」を、Android OS に換装した上で、電源オフの状態から、電源オンすると 1秒で OSが使える状態になると言うデモを行っていた。

こちらは、ぱっと見その価値がわかりにくいのだが、スリープからの復帰ではない。正真正銘電源を入れてから、OS が使えるようになるまで、1秒だというのだ。

例えば、すぐに起動するデバイスとして、ポメラがあるが、こちらが電源オンから 2秒で文字が入力できることをウリにできる。

Android OS のようなものが、このポメラよりも高速に起動するのは、かなり衝撃的。
こうした高速起動技術を使うと、主電源を完全にオフ状態にしておけるため、待機電力も劇的に小さくすることができる。

ちなみに「Quick Boot」は、実際には Linux OS のブートをチューニングする技術。
現時点では、「Android」と「ARMアーキテクチャ」のプロセッサに特化しているとのこと。
「Android」以外の「Linux」アーキテクチャに適用するのは容易だが、「ARMアーキテクチャ」以外のプロセッサに適用するのは少々大変とのこと。いずれにせよ、開発費を負担してくれる会社があれば、頑張るとのことだ。

最近のデジタルテレビでは、内部で組み込み用の Linux OS を利用しているものも少なくない。普段、こうした製品は、主電源を切ることがないからあまり気が付かないかもしれないが、電源を入れてから起動するには時間がかかる。こうしたテレビ製品などで、この「Quick Boot」を利用すれば、電源オンから利用開始まですぐで、かつ使わないときにはエコな製品ができあがる。ぜひ、大手家電メーカーさんからの資金提供を望みたいところだ。

ちなみにユビキタス社というのは、任天堂 Wii や NINTENDO DS のネットワークプロセッサと通信スタックを開発している会社だ。比較的新しいベンチャーながら、こうした一品に特化した開発ベンダーとして成長しているぞ。

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[ 取材日記 ] / 2010-05-16 19:27:24 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




IT Access ツイテレTV@ESEC 第13回 組込みシステム開発技術展
薄型テレビの中には、テレビ番組を見ながら番組表を見ることができる『裏番組表』という機能が搭載されているテレビがある。一般的には『裏番組表』では、放送中のチャンネルの現在時刻から 2時間先くらいまでの番組表を表示できるものがほとんどなのだが、うまく使うと「ながらチャンネル選択」ができる。

この IT Access社ブースで紹介されていたのが、この裏番組表の代わりに、ツイテレのタイムラインを表示するテレビの事例。実際に、チャンネルを切替えると、そのチャンネルに関連した最新のツイッターのコメントが表示される。現在は単なるデモのため、10分単位での更新ということだったが、実際にこうしたテレビが発売されたら、リアルタイムでどんどんコメントが表示されていくのかもしれない。

残念なのは、ツイテレ自体が、まったく流行っておらず、チャンネルを選択するのに有益な情報が全く得られないことだろうが、ツイッターの可能性と、テレビの可能性を、実際に目に見える形にしてくれたのは注目できる内容だったぞ。

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[ 取材日記 ] / 2010-05-15 18:18:49 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




東芝ブース@ESEC 第13回 組込みシステム開発技術展
東芝ブースで見かけたジェスチュア入力システム。
写真一枚では判りにくいと思いますが、テレビの下には、CMOS の安価なカメラモジュールが付属しています。そこで、テレビに向かって、全身で手を広げて、矢印部分を触っていくと、写真が左右に移動したり、拡大したり、いろんな動きをさせることができます。Wii のポインターを使った入力システムと同じ考え方で、画面上で反応するポイントは、上下左右の矢印部だけと、思い切って簡素化しているのですが、その4つのポインタに対して、両手がどのように触れるかで、様々な操作を行うことができるというコンセプトでした。

将来的には、同社の REGZA に搭載して、音量の調整を行ったり、チャンネルを切り替えたり、好きな録画作品を選択できるようにしたい、とのことでしたが、今のところテレビ事業部には相手にされていないとのこと。まあ、どこも研究開発部門と、商品企画部門には時間軸と新機能の取り組みに対して考え方の差異があるんだなあと思った次第。
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■ 来場の案内
・日時: 2010年5月14日(金) 17:00 まで
・会場: 国際展示場・東京ビックサイト
・当日招待券:
 1) 下記のサイト上にバナーがあるのでそのフォームから登録
 2) 登録すると、入力したメールアドレスに対してフォームが送られてくるので、
 3) それを印刷して、名刺とともに持っていくと無料で入館できます。
・参考:
 ESEC 第13回 組込みシステム開発技術展
[ 取材日記 ] / 2010-05-14 01:08:55 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




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