前を走る車が遅い。
追い越しにかかる。
だが、あの車……。
「新耳袋 第十夜」の「第五十五話 車」
近づいてみると、間違いなくさっき追い抜いた車と同じナンバーだった。
追い越したその先に同じナンバーの車はあらわれなかった。 . . . 本文を読む
「ラジオ文芸館」で芥川龍之介「鼠小僧次郎吉」を聴く。あゝ確かに大衆とはこういうものだなと思わせる短篇だった。
かう云ふ野郎も図々しいが、それを又正直に聞いてやる番頭も間抜けぢや無えか。おれは八間の明りの下で、薬罐頭の番頭が、あの飲んだくれの胡麻の蠅に、桝の酒を飲ませてゐるのを見たら、何もこの山甚の奉公人ばかりとは限ら無え、世間の奴等の莫迦莫迦ばかばかしさが、可笑をかしくつて、可笑しくつて、こ . . . 本文を読む
流行に流されず自分を育てよう。
というのは、日めくりカレンダーにあった言葉。思慮が 足りない言葉だね。
まず初めに流行に流される自分がいるわけだ。で、考える。果たしてそれは自分だろうかト。いやそれは自分ではない。流行に流されているということは、他人と足踏みをそろえているだけである。そこに自分はいない。だから思う。流行に流されず自分を育てよう。
あのね、流行に流されるとか流されないとか、そんな . . . 本文を読む