ひだまりらいふ

catfishtailの日常。アクア、ビオトープ、ガーデニングに飽き足らず、野菜作りまでも。。。

続・エビガサ

2006-11-01 | お出かけ

前回 はエビ採りの記事になるはずが、カマツカがメインになってしまったので、今回こそはエビで。

お持ち帰りしたエビは37尾。

で、リビング第1水槽 (CO2添加水草水槽)、リビング第3水槽 (無濾過グッピー水槽)、ベランダ第3水槽 (メダカ水槽)に、それぞれ捕獲数の約1/2、約1/4、約1/4を投入しました。

エビ君たちの働き(コケの駆除と予防)に、大いに期待したいと思います

 

 

さて、ここまでの記事の中で「エビ」という表現を使い、特に種の話はしませんでした。

何故?

今まではこういった感じのエビが採れると、生態的特徴(稚エビが生まれる等)や、パッと見た印象、分布、生息環境等だけで、おそらくミナミヌマエビだろうと考えてました。

が、ここ最近、ほんとにミナミヌマエビなのかな~という疑問が湧いてきてました。

そこで、自分が納得するまで調べたくなり、2個体だけをアルコール標本にし、素人ながら出来る範囲での同定作業を行いました。

 

それにはいろんな資料が必要です。

で、こんなのを集めてみました。

 

「日本淡水生物学」

 

 

「日本の淡水エビの分類と見分け方」

 

 

今回は、主に「日本の淡水エビの分類と見分け方」に記載されている検索表を中心に、いろんな方が公開しているHPなども参考にしました。

 

 

検索表とは、

 

1番.お腹が赤い・・・2番へ

    お腹が青い・・・3番へ

2番.脚が長い・・・ティラノサウルス

    脚が短い・・・4番へ

 

と、いう感じのもの。

 

 

その中には難しそうな言葉がたくさん出てきました。

例えば、第1腹肢内肢、眼上棘、額角両縁などなど。

でも、漢字をよく見ると、そこにはいろんな情報が含まれていますね。

第1腹肢内肢というと、「お腹についている一番目の足の、さらに内側の足(足の先で二股に分かれていて、その内側のもの)」ということになります。

そんな感じで、検索表に記載されている図やHPの写真も参考にしながら、クイズを解く感覚で読みとっていきました。

 

 

もちろん中には分からないものも出てきます。

例えば、

 

1番.お腹が赤い・・・2番へ

    お腹が青い・・・3番へ

 

と、いうところで「赤い」のか「青い」のか分からない場合、どちらの特徴についても、つまり2番と3番の両方で進んでみました。

すると、どちらかはとんでもない種類に辿り着くのですが、そういう時は写真や分布情報、生息環境を参考にし、省いていきました。

で、最終的にどうなったかというと、最後の分かれ目でミナミヌマエビシナヌマエビの2種に絞られました。

つまり、その2種はお互いに似ているということ。

で、その共通の特徴とは。。。

  • 額角両縁に歯を持つ。
  • 第1腹肢内肢は♂では西洋ナシ状に著しく拡大し、♀では三角形葉状である。(標本は♂のようでした。)
  • 第1・2胸脚は各節の形及び長さが異なり、両脚とも腕節はやや伸長し、第1脚のみ先端が凹む。
  • 全胸脚から外肢を欠く。
  • 眼上棘を持たない。

 

次にそれぞれの特徴。

  • ナミヌマエビ  額角は第1触角柄先端をはるかに超える。
  • シナヌマエビ   額角は第1触角柄先端を超えない。

額角、つまり頭から出ている角(ギザギザがついている)が長いか短いかという話です。

それで、標本の額角を見ると、長そうです。

と、いうことはこの標本はミナミヌマエビ。(ほんとは全個体を調べなければいけないのですが。。。

この段階で、ミナミヌマエビであるとほぼ特定できましたが、あくまでも素人調べですので、産卵・孵化まで見届けた方がいいでしょう。

淡水エビのほとんどは、卵からゾエアが生まれてきて海まで下る、といった生活史を持っているので、稚エビが生まれてきたら、もうこれはミナミヌマエビだ、と言ってもいいのではと思います。

ま、滋賀県だと海からの遡上はかなり困難(海と繋がっている川が1本しかなく、途中でダムや堰がある)なので、そういった観点からでもミナミヌマエビでいいと思います。

他にも稚エビが生まれてくる種類が、ミナミヌマエビと同属(カワリヌマエビ属)にいますが、いずれも分布が南西諸島なので、私が住んでいる地域では関係無さそうです。

もし、同属のエビが移入されてきてもおそらく越冬は出来ないでしょう。

 

 

ところで。。。

ミナミヌマエビと似ているというシナエビ

気になったので調べてみました

すると、こんなのを見つけました。

オウミア No.80琵琶湖研究所ニュース2004年6月 」

名前の通り中国産のエビ。

やはりミナミヌマエビの同属(カワリヌマエビ属)で、繁殖形態も同じ(稚エビ)ということです。

そのエビが日本国内で帰化

滋賀県でも発見されている

さらにミナミヌマエビと交雑している可能性もある

えっ

そうなると、微妙な外見の個体が出現してもおかしくはないのです。

つまり外見上では区別ができない

なんてコトでしょう

 

ま、この標本はミナミヌマエビとしておきますが。。。

 

 

まさかエビの世界でも外来種の話が出てくるとは。。。

おそらく世間ではあまり知られていないコトだと思います。

そんな見えないところでも外来種の問題が生じていたのです。

今回初めて知った事実ですが、「調べてみてよかった」という感想と、「無知は怖いな」という感想を持ちました。

無知だったことにさえ、気付かなかったのです。

そのうち、知らない間に自然下のミナミヌマエビ全てが交雑個体に置き換わるかも知れません。

つまり、自然下ではミナミヌマエビという種類がなくなる、ということです。

おそらくそんな小さな生物では、交雑をストップさせることはかなり困難でしょう。

しかしながら、外来種を野外へこれ以上放さないようにすることは、まだまだ出来ます。

私も生物を飼う人間のひとりとして、今まで以上に心に刻んでいかなければいけません。

 

 

 

 

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