じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

「家族で過ごす時間」

2005-06-26 09:29:39 | じいたんばあたん
昨日の夕方に伯父が帰っていった後、じいたんが、
穏やかな表情で、ぽつりと言った。

「なあ、お前さん。
 家族で集まって過ごすのは、やはり楽しいものだなぁ」



うん。そうだね、じいたん。
じいたん、ずっと頑張ってきたんだもんね。


前の夜、じいたんばあたんと、ばうたま、伯父、5人で過ごした。
私と伯父が色々話し、ばうがばあたんの相手をしている間
じいたんは、椅子でうたた寝をしていた。

気になって、「じいたん、布団に入る?」ってたずねてみたけれど、
じいたんは、目をふと開けて、「眠くないよ」と言った。
そしてまたうつらうつらしていた。

きっと、あの空気の中で
うとうとしているのが、幸せなのだ。
本当は、身体にはさわるけれど
じいたんの好きにさせてあげたいなって思った。


伯父の来訪で、
色んな、優しい、泣きたくなるような感情を
たくさん体験した。
どれを書けばいいのか、わからなかった。
それで夕べはとうとう、更新できないまま床に就いた。


でも、じいたんのこの一言に尽きる
そう思ったので

団欒の中で幸せそうに目をつぶるじいたんのことを
かきのこしておこうと思います。

じいたん、よかったね。
あたしも、うれしかった。
長生きしてね。

長生きして、もっといっぱい、人生のボーナスを受け取って。



追伸:

皆で食べた中華料理も、おいしかったね。
伯父さんが、取り分けてくれたの
おいしかったよね。

ばあたんと、伯父さんが手をつないで前をあるいていく
じいたん、その後姿を見て、笑っていたね。
嬉しかったんだね。

ばあたんが眠るとき、手を振ってくれた
伯父さんの笑顔、すごくすごく優しかったね。

いいこと、いっぱいあったね。

長生きしてね。
もっともっと、いいこといっぱいあるから。
毎日の普通の生活、積み重ねていこうね。
たまも、お二人のそばに、いるからね。


…ああ、

やっと、涙がでました。

ありがとう。