”ばうたまじいばあ”四人で、夏、ちょっと遠出したいねぇ…
なんて、居間で話していたときのこと。
突然、じいたんが言った。
「お前さん、海外旅行なんぞに行ってみたいとは思わんのかね?
まあ、いつも本さえあればお前さん、幸せそうにしているが、
人生それではいけないよ」
それはそうだ。
でもさ。今、介護してて無理だし。
てか、行きたいところは安くすまないところだし…
と思いつつ、答えてみた。
「一応、行きたいところあるんやよ。ガラパゴス!」
私が無邪気に答えると、何故かじいたん、してやったりという顔で
こうのたまった。
「お前さんらしいなぁ。
でも、おじいさんの行きたい所だって、すごいぞ」
…んん?去年、「もう旅行なんて無理だ」って
ごねてたじゃん?
「お前さんはきっと知らんだろうさ。
フィリッピンの下にある、あの、なんだ、…」
じいたん…?なんかさ、らしくないんだけど。
おそるおそる言ってみる。
「…オーストラリア?」
じいたんぱあっと顔を明るくして、
「それだそれだ、オーストラリアだ」と唾を飛ばした。
…すかさず、突っ込みを入れてしまった。
「なんかさー、今までの海外旅行と、傾向が違うんじゃない?」
(「ばあたんが元気だった内に連れて行ってやってくれよ!!」、という皮肉がちょっぴり)
そうなのだ。
大体、じいたんはは、85歳くらいまで、
エジプトで、添乗員の制止を振り切ってピラミッドによじ登ったり、
中国の僻地の遺跡で、壁すらない穴だけのトイレを使って来たり、
メキシコ行ったついでにカリブ海でパンツ一丁で遠泳してみたり、
そういう「歴史と遺跡」みたいなものが関係しているなど、
変わった旅行をするのが趣味だったのだ。
(ちなみにばあたんは、内心、諦めて付き合っていたようだ)
だが、じいたんは何も、変わっちゃいなかった。
「そうでもないんだよ、お前さん。
わしは、あの国にある、大きな一枚岩に登ってみたいんだ」
…はぁ???
じいたん、それって…エアーズロックのことでつか?(汗)
ああ、びっくりした。
でも嬉しかった。
「わしは早く死んでしまいたい」が一時、口癖だったじいたんが、
行きたい海外がある、って言えるようになったのだから。
日々進化してゆく、じいたん。 あなたの冒険は果てしないのね…
なんて、居間で話していたときのこと。
突然、じいたんが言った。
「お前さん、海外旅行なんぞに行ってみたいとは思わんのかね?
まあ、いつも本さえあればお前さん、幸せそうにしているが、
人生それではいけないよ」
それはそうだ。
でもさ。今、介護してて無理だし。
てか、行きたいところは安くすまないところだし…
と思いつつ、答えてみた。
「一応、行きたいところあるんやよ。ガラパゴス!」
私が無邪気に答えると、何故かじいたん、してやったりという顔で
こうのたまった。
「お前さんらしいなぁ。
でも、おじいさんの行きたい所だって、すごいぞ」
…んん?去年、「もう旅行なんて無理だ」って
ごねてたじゃん?
「お前さんはきっと知らんだろうさ。
フィリッピンの下にある、あの、なんだ、…」
じいたん…?なんかさ、らしくないんだけど。
おそるおそる言ってみる。
「…オーストラリア?」
じいたんぱあっと顔を明るくして、
「それだそれだ、オーストラリアだ」と唾を飛ばした。
…すかさず、突っ込みを入れてしまった。
「なんかさー、今までの海外旅行と、傾向が違うんじゃない?」
(「ばあたんが元気だった内に連れて行ってやってくれよ!!」、という皮肉がちょっぴり)
そうなのだ。
大体、じいたんはは、85歳くらいまで、
エジプトで、添乗員の制止を振り切ってピラミッドによじ登ったり、
中国の僻地の遺跡で、壁すらない穴だけのトイレを使って来たり、
メキシコ行ったついでにカリブ海でパンツ一丁で遠泳してみたり、
そういう「歴史と遺跡」みたいなものが関係しているなど、
変わった旅行をするのが趣味だったのだ。
(ちなみにばあたんは、内心、諦めて付き合っていたようだ)
だが、じいたんは何も、変わっちゃいなかった。
「そうでもないんだよ、お前さん。
わしは、あの国にある、大きな一枚岩に登ってみたいんだ」
…はぁ???
じいたん、それって…エアーズロックのことでつか?(汗)
ああ、びっくりした。
でも嬉しかった。
「わしは早く死んでしまいたい」が一時、口癖だったじいたんが、
行きたい海外がある、って言えるようになったのだから。
日々進化してゆく、じいたん。 あなたの冒険は果てしないのね…